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「……ご主人様、つらい?……出す?」『勇者の勘違い』

 【ダンジョン内】


「あ!宝箱だ!!」


 マーサは勢いよく宝箱を開けた!


 中には『はずれ』と書かれた小さな木の棒が入ってた!


「なんで、アイスのハズレ棒が入っとんのじゃ――!!」


 <マーサは50KPを獲得した>


「ご主人様……不憫ふびん


 トモミンは肩を落とし、落ち込むマーサを憐れむ。


「……今夜はここで寝よう!ところでマーサ、やはり私のパーティーに入らぬか?歓迎するぞ!」


 大きなけもみみが特徴のショートカットの赤髪に、ミニスカートをたくしあげる大きなモフモフのしっぽをフリフリさせながら、少女はマーサに熱い眼差しを投げつける。


 ここはダンジョン12階層のセーフポイント、通称『セーブの間』モンスターが空気を読んで、なぜか入ってこない聖域だ。


「私も是が非でもパーティーに入っていただきたい!あんなにすごい魔法は初めて見た!私の剣でも苦戦するトロリを内側から爆発させる、あの魔法!」


 大きな胸を軽鎧で包み、短めの白のスカートから剣を振るうたびに見え隠れする青と白のしま々《しま》の下着が誠実そうな人柄を表している。そんな純粋な剣士の少女は夕飯の仕度をしながらマーサを熱心に口説いている。


「ご主人様すごいです!勇者ユキノ様のパーティーに入るんですか!?しかも、剣聖イク様もいます!」


 少し大きめのバスローブからちっぱいを覗かせながらテントの中で布団を引いているトモミンが目を輝かせる。普通、魔法使いはローブを着用するが、トモミンはマーサの趣味でバスローブを着せられていた!グッジョブ!マーサ!


「キュウリ言われても……」


 キュウリの漬け物を食べながら『急に』と『キュウリ』をかけたマーサ渾身のダジャレだったが誰も気づかない!もう一度言おう!誰も気づかない!!


「……ポリポリ」


 <マーサは50KP獲得した>


 マーサが奴隷を買えたりいい宿に泊まれたのはクエスト報酬で大金を貰えたからである。大型モンスターを一瞬で倒すマーサのチート魔法は、この小説では全く無意味なので全カット(スキル『早送り』)されているのだ!だが、そんな噂を聞きつけ『勇者ユキノ』『剣聖イク』がマーサをパーティーへの勧誘に訪れ、「実力が見たい」と無理やりマーサ達をダンジョンに連れてきていたのだ。


「トモミン殿も見事な歌声でしたよ。噂に聞くハーフエルフの支援魔法。圧巻でした!」


 イクが腕を組み「うんうん」と頷く。


 ハーフエルフのトモミンは歌うことで仲間を支援する。その効果は『攻撃力アップ』から『敵の防御力を下げる』さらに『回復』効果まで多岐にわたる。


「えへへ~。トモミン、のど、強いの!」


「……うんうん」


 マーサも謎の相づちを打った!


「勇者ユキノ様も両刀使い見事でした!」


 トモミンが目をキラキラさせて勇者ユキノを見る。


 獣人族の勇者ユキノは大きなモフモフな耳(通称けもみみ)をパタパタさせる。腰には綺麗な装飾が施された大刀と脇差しが輝いている。勇者ユキノの戦闘スタイルは二刀流なのだ!


「そうだな……どちらかといえば男の方が好きかな……」


 しっぽをフリフリしながら照れる。


(その両刀ではない!!)……この場の全員が思ったが、あえて口には出さなかった。


「しかし、トモミン殿……よくマーサ殿の奴隷になりましたね」


 イクは気を遣いながらも、トモミンに疑問を投げかける。


 エルフは人間社会を拒み、森の奥深くに住む。エルフの体には希少な魔力が宿るとされ、エルフと交われば魔力・体力は増強、寿命が十年延びるとさえ言われている。


 ゆえに人間はエルフを捕らえ、競売にかける。

 

 ハーフエルフは奴隷とされたエルフに無理やり子供を作らせるケースが多く、特に人間を嫌うという。


「ご主人様はね!特別なの!」


 えっへんというポーズをとるトモミン、かわいい。


「トモミンは、もう奴隷じゃないよ。そうだなぁ……メイドさんだね!メイドさん!」


 マーサはスキル『AV男優』の効果でトモミンから好意を受けていたので、『奴隷』に必要な契約印(魔法で奴隷のあかしを体に刻んだもの)をトモミンにほどこしていなかった。


「わーい!メイド!メイド!」


 トモミンは『奴隷』から『メイド』にクラスチェンジした!


 トモミンはテントの中に入り、なぜが用意されていたメイド服に着替える……(マーサのコスプレコレクションから拝借)。


 しかし、ここで不可解な出来事が起こった!


 マーサがトモミンの着替えを覗かなかったのだ!


 ありえない!


 『覗かないのは逆に失礼』がモットーのマーサが覗かないなんて!どうした!?


「………ふぅ」


 はしゃぐトモミンの隣で深くため息をつく。


「マーサ、大丈夫か?」


 マーサの異変にいち早く気づいた勇者ユキノは心配の表情をマーサに向ける。


「……あ、いや……」


 マーサの顔が明らかに赤い!どうやら先ほどの渾身ダジャレがスベったから……ではなさそうだ!


「……ご主人様、つらい?……出す?」


 状況を理解したトモミンが優しい言葉をかける。


 マーサは戦闘中、トモミンの歌声(支援魔法)『四つん這いで本を取ろうとする彼女』によってステータスが劇的に向上したが、気持ちが高ぶりすぎて立ちっぱなしだった!今は座っているが立ちっぱなしだった!


「……お願いしようかな」


 トモミンの支援魔法の効果を消すにはマーサに溜まった魔力を放出するしか……出すしかないのだ!


「……な!?」


 ユキノが目を丸くする。


 イクは「えっ!?……え――!?」と言いながらもトモミンの行動から目が離せない。


「今、楽にして差し上げますね」


 トモミンはマーサの前でひざまずき、マーサのバスローブの腰に巻いてある帯をほどき、バナンポを手早く取り出す。

 ※マーサは基本バスローブを着ています。理由は魔法使いのローブがダサいのと、いざという時にすぐ脱げるからです。


「……でかっ!!」


 急激に大きくなったマーサのバナンポにユキノは釘付けだ!


「えっ?そこ、そんなに!?」


 イクも驚きを隠せない。


 初めてみる男のそこは想像を遥かに上回るほど大きく、たくましかった。

 ※マーサのバナンポの肥大率はスキルAV男優(元気玉々)の効果で(見られてる人×5%)通常MAX状態より、さらに15%増長しています。


「それでは、失礼します……んんっ!……ご主人様、いつもよりおっきいでっす」


 トモミンはフェイスベールをたくしあげると、マーサのバナンポを一気に喉奥まで咥えた!


 トモミンは最初からのどおくと決めている!


「えっ!……ああ!……そんな奥まで!?」


 両手で顔を隠しながら指の隙間からガッツリマーサのバナンポを見つめる勇者、ユキノ。


「わっ!すご……」


 大剣で顔を隠し、横目で覗き見る剣聖イク。


「あぅ!はぁ……快感……」


 人前でバナンポを出す快感に、マーサの歴史に新たな1ページが刻まれた!


 スキル『年齢制限』発動!マーサ達の行為を録画配信する『女神の目』が勇者ユキノと剣聖イクに固定される!

 ※照れながら覗く二人の表情をお楽しみください。


「わっ!え!?そんなとこまで舐めるの!?」


 指の隙間から覗く目が大きく見開く!


「咥えたまま動かない!?いや……舌だ!舌が動いている!!口の中の温かさと刺激を同時に与えるとは!!」


 大剣をかかえ、もはや解説をし始める真面目な剣聖イク。


「そんなに速く!?すごい!」


 ユキノが興奮して片ひざ立ちになる。


「最初は優しく徐々に速く。口の中の感覚で緩急をコントロールしている!?温かく優しく包み込み、まさに母親の胎内にいた頃のような安らぎを与えているのか!!」


 剣聖イクから、まさかの名実況が生まれた!


「あっ!ごめん!でる!!」


 ビュル!ビュルルゥ――!!


「……んんん!……ゴクゴクッ……ぷはぁ――!ごちちょ~さまでした!」


 マーサは「食べたあとは『ごちそうさま』って言うんだよ」とトモミンに教えたのだが、トモミンは『ごちちょ~さま』と覚えていた。もちろん、かわいいから訂正はしていない!


「え!?魔力が……回復した?」


 ユキノは、ほんのり光をまとったトモミンに興味の眼差しを当てる。


「ご主人様から出る『精魂液』には魔力回復と魔力アップの効果があるのにゃ(たぶん)!……ちょっと苦いけど」


 フェイスベール越しに舌をペロッと出すトモミン、かわいい。


「魔力……アップ……」


 トモミンの話を信じ、マーサのバナンポを物欲しそうに指の隙間から見つめる勇者ユキノ……。


 説明しよう!マーサから排出される精魂液(修正後バナンポジュース)に魔力アップの効果は一切ない!これはマーサのスキル『AV男優』の特殊効果『夢で会えたら』(そうだったらいいなぁ~って思うスキル)によるトモミンのただの思い込みだった!


「ありがとうトモミン。ぐっすり寝れそうだよ!」 


「ご主人様よかったでっす!明日は最下層!がんばりましょう!」


 すっきりしたマーサはテントの中ですぐにイビキをかきながら深い眠りについた……。


「………」


 寝ているマーサを見つめるユキノ。


「……さま!……ユキノさま!」


「……はっ!イク!……なんだ?」


 呼ばれていることに気づかなかった。


「我々も寝ましょう!明日は最下層ボス『エスオーディーン』討伐ですよ!」


「あ、ああ……寝よう……」


 夜は更けていった……。


 【朝 ダンジョン12階層】


 チュンチュン……クチュン!


 ダンジョン中腹まで迷い混んだ『花粉鳥』が朝の訪れを知らせる。


 【テントの中】


「……ふぅ、寝てる……」


 寝ているマーサの寝顔を見つめる……。


 ……ちゅ。


「は!わ、私……なにを……」


 少女は自分で自分のしたことに驚いた。


 あきらかに今までの自分と違う自分。


 しかし、そんな自分を受け入れるかのように、少女は微笑みながらもう一度、……キスをした。


「ちゅ……。ん?ちょっとなんか出た?舐めてみよ……ペロペロ……ちょっと甘いかな……今度は、くわえてみるか……パクっ」


 ……どうしよう。


 勇者ユキノが布団にそっと潜り込み、マーサのバナンポを『ポロッ』と出し、そっとキスをしたとこからマーサは起きていた。


 俺は転生前のサラリーマン時代の癖で眠りが浅いのだ。


「ちゅ!んっ!んっ!……こうか?んっ!んっ!……なるほど……これは夢中になるな。もう少し奥まで咥えてみるか……パクっ……んんっ!んっ!んっ!どこまで……んっ!行けるか――!?んはっ!!……まだ奥は苦しい!」


 ※スキル『年齢制限』の効果で映像は『小刻みに動く布団』のみでお送りしています。


 ……すごいしゃべってる!


 目をつむりながら、好き勝手にされるバナンポに意識を向ける。


「まだだ!確かトモミンはもっと奥まで咥えてたぞ!……んぐっ!……ん――!ん――!!!」


 ユキノは自慢のけもみみをパタパタさせながらバナンポを苦しそうに根元まで咥える。


 ……あ……ダメだ……出る、出る――!!


 ビュッ!ビュッ!ビュッ――!


「きゃぁ!!あっ!出た!やった――!……これを飲んで……ゴクン!に、がぁぁ――!!!!」


 にがくても全部飲む。勇者ユキノはそういう性格だった。


「ゴクゴク……。あ……、でもすごい魔力が溢れる……」


 たぶん、気のせいだ!


「あ、あの~、ユキノさん?」


 さすがにユキノに声をかける。


「……!!?きゃ――!!こ、これはその、あれだ!勇者の朝のルーティーン『おはよう朝精飲(アサイン)』だ!勇者たるもの毎朝かかさずにするぞ!勇者だからな!」


 勇者専用の伝説の魔法『おはようアサイン』が生まれた瞬間だった!『おはようアサイン』の特殊効果(?)で指定された相手(マーサ限定)が朝からスッキリするぞ!


「……毎朝……するの?」


「あ、当たり前だ!私は勇者だぞ!」


 焦って訳のわからない事を言うユキノ。


 特殊効果『夢で会えたら』は妄想したことが現実に起こってしまう夢のスキルなのだ!これは、毎晩エッチな夢ばかり見てしまうマーサだけの唯一無二のスキルと言っても過言ではない。


「……毎朝、勇者が……してくれる」


 マーサは解放感と朝の寝ぼけた感覚を合わせ持ちながら気持ち悪く微笑んだ。


「よし!では、おかわりをいただくぞ!」


 ユキノはそう言うとマーサの布団の中へと再び潜り込んだ。『アサイン』の次は『オカワリン』だ!


「あ!また!……はぅ!さっきより上手くなってる!?天才か!」  


 勇者のスキルアップ速度は常人の十倍だ!


 再び幸せの時がマーサに訪れる!


「ん!ん!んん!?ぷはっ!……また大きくなった!やったね!さっき思いついた先っぽだけ咥えて舌を高速で動かすのを、やってみよう……」 


 布団の中でユキノの声がかすかに聞こえる……。


「ああ……ああ!?なにそれ!天才なの!?ま、また……出る……!!」


 マーサは奥が好きだが、先っぽが弱点だった!勇者ユキノは天性の才能で相手の弱点属性を瞬時に把握することができるのだった!


「……ゴクッ」


 テントの隙間の影か動く。


 最初から最後までこっそり全部見てた剣聖イクの喉が自然に鳴るとき、ダンジョン12階層最下級モンスター『ニワニワニワニワトリー』が朝の訪れを告げた!


「コッ、コッケコッコ――!!!!!」


「で、出る――!!!!!」


 『ニワニワニワニワトリー』と見事な共鳴をするマーサは天性のアホだった……。


 ドックゥ――ン!!


 ゴックゥ――ン!!


 「お!この飲み方だと(にが)くない!」


 ユキノはバナンポジュースを直接喉の奥に流し込んだ!


 熱い食べ物を食べる方法に似ている!


 ……いや、全然違うか!!


【天界】


「すごい再生回数!!うひょぉ~!!」


 どんどん伸びる再生回数に、一睡もしないで興奮する女神フレイヤ!


 ※女神チャンネル更新『もしも寝起きに勇者が朝フェ◯してくれる世界があったら』再生回数170万登録者100万人突破!


 <マーサの借金、残り▲299810000ノーエッチ>

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