「気持ち好すぎぃ――!!」『絶技!リフレクソロジー!』
「それじゃ、私は天界に戻るわ。魔王になったノートに何かあったら連絡するわね」
新魔王軍四天王マニアークを退けたあと、女神フレイヤは情報収集のため一旦、天界に帰るようだ。
「ほ~い」
軽い返事をするマーサに羨望の眼差しをするサーフォン。
「女神様と対等に話すマーサ様……素敵」
「こいつは単にアホなだけよ……。マーサ、あんたレベル上がってるんだから、ちゃんとスキル増やしなさいよ!じゃ!」
女神フレイヤは天界へ帰っていった。
「スキル……?」
そういえば、全然新しいスキルを確認していなかった。
「イテテ……」
ユキノが足首を気にしている。
「さっきの『千本桜』で足を捻りましたか?」
イクがユキノの足首を診る。
『かっこいい技だったけど、私、踏み台になっただけよ……』
聖剣ゼックスカリパがちょっと拗ねている。
「私は、その踏み台の支えです……」
……サーフォン、どんまい!!
「大丈夫か?ユキノ……。ちょっと待ってて……」
マーサは久しぶりにステータスをオープンさせ、使えるスキルがないか見てみる。
「いつの間にか『スキルAV男優』レベル69になってた……。KPポイントも191919ポイント貯まってる。どれとれ……【『スキルNTR』好きな人が寝取られる】嫌なスキルだな、需要あるのか?あ、これだ!【『リフレクソロジー』かなり高度なマッサージ技術を取得できる。あと、気持ちいい】これだな!取得っと……」
「ユキノ様、歩けますか?」
イクが座り込むユキノに手を差しのべる。
「俺に任せろ!ユキノ、足をちょっと触るぞ!」
「……?ああ、よろしく頼む」
「変なとこ触らないでよ……」
レキが腕を組みながら疑いの目を向ける。
「まぁ、見てて……」
ピカァー
マーサの手が光輝く!
「んぁ――!!!!」
マーサの手がユキノの足首に触れると同時にユキノの体が跳ね上がる!
「ちょっと!変なとこ触ら……足しか触ってないわね……」
レキが疑問の顔をマーサに向ける。
「ロイヤルハン~ド!!」
マーサは今、思い付いた恥ずかしい技名を叫んだ!
「んはっ!だめだ!!ああ~ん!!」
ユキノの体がビクンビクンする!
「んん~!!……あ、あれ?足が痛くなくなってる!」
ユキノがその場でピョンピョン跳び跳ねてみせる!
「すごい!ご主人様!」
トモミンが感心する。
「へへ~!マッサージ得意なんだ!!」
得意顔のマーサ!
「……ほぉ(……あとで腰の痛みを見てもらおう)」
イクは思った。
「……まぁ(……あとで肩こりを見ていたはだけるかしら)」
サーフォンは思った。
「……むぅ(……私だって、あとで全身やってもらおうんだから!)」
レキは思った。
今夜は忙しそうだ!
突然の二代目魔王襲来で修学旅行は中止を余儀なくされ、勇者パーティー『ロイヤルフィアンセーズ』以外の女学生達はバスで自国に戻ることにした。
勇者一行はとりあえず国王に帰還の旨を伝えることに――。
【ユッケジャンクッパ城 王の間】
「さみしかった!急にいなくなってワシ、さみしかった!」
シャトーブリアン王はさみしかった!
「ごめんごめん。次はちゃんと言ってから出掛けるから……」
マーサは号泣する王様に手を差しのべる。
「ん?お前は別に……。トモミン、あまり遠くに行っちゃいかんぞい!」
ただのロリコンだった!
「…………」
差し伸べた手をそっと引っ込める。
「本当に……マーサ様は王子様だったのですね……」
豪華絢爛な王の間で、ひとりサーフォンはオロオロとまわりを見渡していた。
「いいいい……イク団長!」
騎士団副団長が騎士団長イクの元に駆け寄り、跪く。
「おお!今、帰ったぞ!お!その縞々の勲章いいな!私も貰おうかな!」
「は、はい!持って参ります!」
真面目な騎士団副団長は『イク騎士団長はどこかで強敵との闘いで還らぬ人となった』と勘違いしていて、イクのトレードマーク(?)の縞々をモチーフにした『縞々勲章』を騎士団全員に配っていた!
「イク様も……本当に騎士団長だったのですね……」
サーフォンが不思議そうな顔でイクを見る。
「……もしかして信じてなかったのか?」
パーティーでも割りと『残念な剣士』のイメージが強く、信じてもらえてなかった!
「……イク様」
レキがちょっと同情した……。
「さすがに長旅で疲れたよ!先に寝ま~す」
「あ!マーサったら!も~」
勝手に自分の部屋に戻るマーサをレキは物欲しそうに眺めた……。
【その夜 子の刻 マーサの寝室】
「……さて、マーサにマッサージをしてもらおうかしら」
音を立てないように(そろ~り、そろ~り)レキが歩いてきた。
マーサの部屋の扉を叩こうとした、その瞬間!
『はぁ~ん!腰がくだけるぅ~ん!!』
扉越しにイクの(喘ぎ)声が聞こえた!
「……イク様に先を越されたか。マッサージの邪魔をしちゃいけないわね……出直すか」
レキは(そろ~りそろ~り)帰っていった。
【丑の刻 マーサの部屋】
「……そろそろ」
レキは再び(そろ~りそろ~り)やってきた!
『あぅ~ん!鉄壁の私の心が壊されるぅ~ん!!』
扉の中からサーフォンの(艶かしい)声がした!
「……次はサーフォン!!……出直そう」
そろ~りそろ~り帰っていった……。
【寅の刻 マーサの部屋】
(そろ~りそろ~り……)
『おぉう!喉が!おぉ~ん!喉が通る~んはぁ!!』
扉の中からトモミンの(色っぽい)声が!
(……そろ~りそろ~り)
無言で帰っていった。
【卯の刻 マーサの部屋】
(そろ~りそろ~り……)
『そこ!際どい!んはぁ~!!』
扉の奥でユキノの(絶頂)声がする!
「……ぐすっ」
レキは泣いてしまった!
『なんだ?マーサ、元気ないな……。レキが来ないからか?』
扉の向こうで私の名前が出た!
バァ――ン!!レキは扉を蹴飛ばす!
「あんた!いつまでマッサージを……え!?みんな!?」
そこにはロイヤルフィアンセーズが勢揃いしていた!
「やっときたか!待ってたよ!」
施術着姿のマーサがレキを指差す。
「レキ様!遅いでっす!」
紙パンツを履いたトモミンがレキに言う。
「けっこう待ちましたよ!」
はだけたバスローブ姿のイク。
「マーサが『レキが来るまで入れない』って頑固でな!」
ノーパンミニスカートナース姿の勇者ユキノ。
「もうマッサージでヘロヘロです……早く入れてほしいです……」
バスタオルを巻いて全身汗だくのサーフォンが言った。
「わ、わ、私は全身凝ってるんだからね――!!」
服を脱ぎ捨てベッドに飛び込む!
久しぶりのキングサイズのベッドは六人の体重を優しく包み、朝まで揺れ続ける六人をがんばって支えたという……。
【マーサ流快感エステハーレムバージョン】
「必殺!ロイヤルハンド&バックバナンポ――!!」
さわさわさわ……ぐりん!ぐりん!
「おお!レキ!すごい格好だな!」
ユキノはまるで芸術作品を見ているかのような感動を覚える。
「もうダメって言ったのに――!!けだもの~!はぁ――ん!」
レキの顔のアップ!※それより下ば見せれません!
「ま、マーサ殿!さすがにやりすぎでは!?」
限界を何度も超えたレキがイクの隣に倒れる。
「え!?やりすぎたかな?」
口から魂が出そうになっているレキを心配する。
「レキさんが布団にくるまって出てこないでっす!」
ベッドの端っこで布団をかぶり拗ねるレキ。
「レキ、出てこ~い」
マーサが丸くなった布団に近づく。
「グスッ……みんなの前であんな格好」
「ごめんて……レキがかわいくて……」
「……好き」
「ぐはっ!ツンデレごちそうさま!!マーサ!レキと同じこと私にしてくれ!」
ユキノはミニスカナース服を脱ぎ捨てた!
「私も!」
「わ、私も!」
「トモミンもでっす!」
サーフォン、イク、トモミンも次々に服を脱ぎだす!
「よ~し!ロイヤルハンド……エクスプロージョ~ン!!」
さわさわさわ……びゅるるるぅ~!
どっかぁ~ん!!
『気持ち好すぎぃ――!!』
彼女達のあえぎ声は天界まで届いたと言う――。
【天界】
「こいつら、全然寝ないな!」
ネット配信の編集が全然追いつかない女神フレイヤ・ノーエッチだった!
【番外編『解決!鉄仮面』】
近年、王都ハラミサガリに新たな救世主が現る!
その名も――『解決!鉄仮面!』
「ぐへへ……。ねぇ~ちゃん、俺の暴れん棒が寒くて寒くて凍え死にそうだよぉ~。お前の中で暖めてくれよぉ~」
「きゃ――!!」
「兄貴、寒いのですか?ボクが暖めましょうか?」
「バカか!お前!お前が暖めてどうする!!ま、お前の優しさ……嫌いじゃないぜ!」
「そこまでだ!!」
突如、どこからともなくメロディーが流れる。
ど~この誰だか~知~らないけれど~♪
裸に仮面の~鉄~仮面~♪
「悪は許さないわよ!」
顔を鉄仮面で覆った全裸の女性が現れた!
「おお!ビンビンだぜ――!!」
あまりの姿に兄貴の暴れん棒はビンビンだ!
「解決~鉄仮面!」
鉄仮面がそう叫ぶと、兄貴の暴れん棒が鋼鉄の貞操帯で覆われた!
「なんだこれは!?俺の暴れん棒が――!」
「これで悪さはできまい!さらばだ!」
鉄仮面は全裸で胸を揺らしながら去っていった!
「ああ……ありがとう……鉄仮面」
「ブルル……兄貴!ちょっとトイレに行ってくるっす!」
「俺は……トイレ……どうするんだ?」
鋼鉄の貞操帯は暴れん棒を一生捉える鋼鉄の牢屋なのだ!トイレは諦めよう!
【サーフォン自室】
「はっ!!……なんか変な夢見た!」
マーサのマッサージがあまりにも気持ちよくて、訳のわからない夢を見るサーフォンであった!
<つづく!>




