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「あえぎぃ~ごぉおえぇ~んぁ――!!!!」『裏道を行くバス』

  ブロロロロ――。


 バスは国の境界線を超え、ひた走る。


 【バスの中】


「右手に見えますのが~、左手でございま~す」


『あはははは~』


 女生徒の笑い声にご機嫌な放送部のGカップアナコは、志願したバスガイドの職務を見事にこなす。


 勇者一行を乗せたバスはサカナトイッタラマグロ共和国を出発し、王都ハラミサガリめぐりの修学旅行に出かけていた。


 勇者ユキノの提案だが、理事長の娘サーフォンの働きかけで、シー・チキン理事長が旅行代金を全額支払うという意外な返事で実現した。運動会で娘のサーフォンに絶交と言われたのが相当効いたらしいが、他にも次の標的をマーサにしたことが関係しているとか、していないとか……。


 何はともあれ、バスは王都ハラミサガリに入り、最初の目的地『コンヨーク温泉郷』へ向かい山道をひたすら登っていた。


「景色がずっと一緒なので……名産品をかけたカラオケ大会の開催だ――!」


『わぁ~!!』


「お!なんだなんだ!?ちょうど退屈していたとこだ!」


 ユキノが身を乗り出す。

  

「なんと!あの!王都ハラミサガリの幻の逸品!めったにお目にかかれないデザート『おっぷに』を五つだけ手に入れました!」


『ざわざわざわ……』


『初めてみた!』


『噂に聞く幻のデザート!』


『なんでも田舎に隠れ住む、元剣聖しか作れないらしいわよ……』


 スイーツ好きの女生徒達が色めき立つ。


「……あれ、マーサの家でよく食べてたおっぱいの形したスイーツじゃない。マーサの母親のオリジナルだったの?」


 レキが隣の席のマーサに聞く。


 マーサの母親は元剣聖で今は騎士団長イクの師匠だ!


「俺も初めて知ったよ……。父さんの好みのデザートってことしか聞かされてなかったよ」


 まさかの発案者は父親だった!


「カラオケ採点機能で90点を超えた人に『幻のデザートおっぷに』をプレゼントだ!さぁ!歌いたい人は~!?おお!特別教師のイク先生だ!」


 イクが手を上げていた。


「ふぇ?ええ!?私、歌なんて……」


 よく見ると手を上げている服の中から見覚えのある剣の鞘が見える。


「おお!学園内が凶器持ち込み禁止で、ずっと倉庫で保管されてた『喋る聖剣ゼックスカリパ』じゃないか!久しぶり!」


 マーサが聖剣に話しかける。

 

『全く!暗い倉庫に何日も閉じ込めて!サビるわ!サビても切れるけどね!聖剣だし!!歌でも歌わないとやってられないわ!』


 キレる聖剣ゼックスカリパ!


 イクは「すまぬ……」と謝った。


 聖剣ゼックスカリパはイクの服の中に忍び込み、見事な歌声を披露する!


『ユアージョーク!♪愛で空が赤くなる~♪』


 イクは聖剣ゼックスカリパに合わせて必死に口パクをした!


「上手い!アニメ『北東の剣』主題歌だわ!」


 女生徒達から称賛の声こ届く。


「点数は……92点!『おっぷに』獲得です!あと四つですよ~!」


 幻のデザート『おっぷに』をイクへ手渡す。


「パクっ……旨っ!おっぷに旨っ!ものすごく柔らかいのに弾力がある!ほのかに温かいのは、なぜ!?先端の赤い苺はいつまでも吸っていられる!!」


「……そこ、吸うの?」


 ユキノは『おっぷに』に興味津々だ。



「次は俺……私が歌おうかしら!」


「あんたは実家で食べなさいよ……」


「あれ、母さんからの差し入れだろ?食べなきゃ怒られるよ」


 イクの反対を押切り、マーサが手を上げる。


「それでは生徒会副会長マーサさん、お願いします!」


 アナコはマイクをマーサに手渡す。


「あ~♪水溜まりに映る君の下着がぁ~♪」


 心を穏やかにさせるほどの美声がバス内に響き渡る。


「ご主人様!歌詞はともかく、歌上手いでっす!」


 トモミンが聞き惚れ、サーフォンがマーサを褒め称える!


「これは90点は軽く超えそうですね!」


「くっ!マーサのクセに……!!」


 なぜか悔しそうなレキ。


「そして~♪そのホックを~♪ううっん!?」


 突然マーサの音程が外れる!?バスの座席で見えないようにレキがマーサのバナンポを取り出し、手でコシコシしていた!

 ※スキル『年齢制限』発動!マーサのバナンポはバナナに変化した!昔の人はバナナがおやつに入るか入らないかでけっこう揉めたらしいぞ!ちなみにバナンポは主食です!(トモミン談)


 ……コシコシ。


「たくしあげへぇ~!(こら!レキ!)あらわになったぁん!(ダメって!)その豊満なぁ……」


「おおっと!後半の失速が響いたか78点だぁ――!!」


「……!?(レキぃ~!!)」


 マーサはレキを軽く睨む。悪戯をしたレキは満足そうに歌う曲を選んでいる。


「えへへ!残念だったわね!次は私が歌おっと!演歌にしようかな!」


 レキはマーサからマイクを取り上げる。


「では、レキさんで曲は『あえぎ越え』それでは、どうぞ!」


「隠しきれない~♪残り汁がぁ~♪」


 レキの歌い出しは完璧だ!


(……さっきの仕返しだ!)


 マーサは腕を組むふりをして隣のレキのおっぷにを揉んだ!


 「誰かに飲まれる~んっ!くらいならぁ~あん!私が飲んでも~んっ!いいですかぁ~♪」


 レキの音程が外れる!


(……ば、バカマーサ!今はダメ!あとで、してあげるから!)

 レキは目で合図を送る。


(……わかった!我慢できないんだね!)


 勘違いしたマーサは空間転移魔法でバナンポをレキの中に転移させる!!


「あなたとぉ~♪越えたい~♪んぁ!!?」


 突然レキの下腹部が圧迫された!


(……はぁ~気持ちいい。これでいいか?)


 満足そうな顔を隣のレキに見せる。


(……違うわよ!バカ!んぁ!深い!!)


 快感を我慢してレキの表情が険しい!


(……でも!私は、負けない!!)


「あえぎぃ~ごぉおえぇ~んぁ――!!!!」


 レキは見事に歌いきった!


「おお!見事な『あえぎ声』だ!」


 ユキノがガッツポーズをする!


「点数は……94点!見事な『あえぎ越え』でした!!」


 レキは『おっぷに』をアナコから受けとる。


「旨い!確かにマーサの実家で食べた味だわ!」


 満足そうに『おっぷに』を頬張る。


「……一口ちょうだい」


 情けないぞ!マーサ!


「サビで出すような人にはあげませんよぉ~~だ!」


 マーサはサビで果ててた!


 レキの座席はマーサのバナンポジュースでびしょびしょだ!


「トモミン!デュエットしよう!」


「は、はい!ユキノ様!」


 ユキノは二つあるマイクを片方、トモミンに渡す。


「飲み過ぎたのは~♪マーサのせいよ~♪」


「弱い刺激でピクピクとぉ~♪」


『のどおく、パイずり、深いキス~♪マーサと女のラブゲーム~♪』

 見事にハモるユキノとトモミン!!


「よくわからない替え歌で96点だぁ――!!さぁ!絶品『おっぷに』はあと一個だぞ――!!」


「やばい!なくなっちゃう!」


 焦るマーサ!


「あ、あの……私!歌います!」


 カラオケに無縁そうなサーフォンか手を上げた!!


「大丈夫か?無理に歌わなくていいんだぞ!」


 心配するマーサ。


「大丈夫です!絶対90点以上取って、『おっぷに』をマーサ様にプレゼントします!」


「……サーフォン」 


 ええや……。


「あ、私も『あえぎ越え』で!!」


「サーフォン大丈夫!?けっこう最後、声高くなるわよ!あえぎぃ~!よ!あえぎ~!突かれた感じで!」


 レキのレッスンにユキノがツッコむ。


「なんだよ……突かれた感じって……」


「……レキ殿」


 イクが呆れる。


「あ……と、とにかく!最後、キーが高くなるから気をつけてね!」

 焦りながらも回ってきたマイクをサーフォンへ手渡す。


「それでは歌っていただきましょう!生徒会長サーフォンさんで『あえぎ越え』」


「あ、あなたぁとぉ~ぉ~お――!」


 緊張しながらサーフォンが歌い始める!


「……!!?(ヤバい!下手だ!イク!マーサのバナンポ大きくしろ!)」

 ユキノはイクに目で合図を送る。


「……!?(へ?は、はい!シルフィード流剣術『ソクシャ』!)」


「あふぅん……!!?」


 秒で大きくなるマーサのバナンポ!


「……ん!(トモミン!サーフォンに支援魔法だ!)」


 今度はトモミンに指示を出す。


「……!!(は、はいでっす!支援魔法『大人だってオモチャで遊びたい』ら~♪電動~♪マッサージ機を~♪)」


 振動がサーフォンを刺激する。


「超えたぁん!いいぃ――んぁ!!?」


 トモミンの支援魔法の効果で音程が戻った!


「……ん!!(今だ!マーサ!空間転移でサーフォンにズボッと!!)」

 ユキノはマーサに手で卑猥なジェスチャーを見せる。


「……!?(もぉ~、どうなっても知らないよぉ~『空間転移バナンポ』!!)」

 

 ズボッ!!!!


「!!??あ……あ……あえぎぃ~、ごぉぉえ~~~~んぁぁぁ――!!!!!!」


 見事な『あえぎ声』だ!!


「きゅ……九十九点!九十九点だ!!サーフォンすごいぞ!!!!」


『わぁ――!!!!』


「え……え?私……やった?」


「すごいわ!見事な『あえぎ越え』よ!感動したわ!!」


 レキは、みんなのサポートに気づいていない!!


「あ、ありがとう!マーサ様!……これ!おっぷに!!」


「あ、ありがと……」


 気恥ずかしいマーサ!サーフォンの椅子の下は大洪水だ!


「……ツンツン……プルンプルン。この揺れ具合、間違いなく母さんの『おっぷに』だ」


 『おっぷに』の先端の苺を箸でつつく。


「あんた、『おっぷに』揺らしてばかりいないで早く食べなさいよ!」


「レキは母さんと同じこと言うんだな……」


「レキちゃん、マーサとラブラブね!」


 女生徒達に冷やかされる!


「な!な!バッカじゃないの――!!」


 バッカじゃないの――!!とレキがテレているうちに、サーフォンの歌声に聞き惚れていたバスの運転手は気づかないうちに横道に入り、見事に道に迷っていた!


「……ん?……ここ、どこだ?」


 運転手は迷子になった!


 <つづく!>


 【その頃 天界では……】


 悶えるマーサ。


「あっ!ダメだ!出ちゃう出ちゃう――!!」

 

 ビュッ!ビュッ――!


 誘惑するユキノ。


「いいよ……。出したいときに出して……あ~ん」


 なんだかんだ優しいレキ。


「……もう、手伝ってあげるわよ……パクっ!はやふ、出しなはいよ」


 焦るイク。


「ま、マーサ殿!隣の部屋にイク殿がいるのに……んぐっ!!」


 怒ってもかわいいトモミン。


「もう、ご主人様ったら、朝からこんなにして!しかたないでっすね!……パクっ」


 心配するサーフォン。


「んぐっ……満足……できましたか?」


 豹変するイク。


「マーサ殿……舌に出して!……欲しい……んぁ――!!」


 謝るユキノ。


「ゴクン……ごめんね。顔に出したかった?」


 怒るレキ。


「んぶぅ――!?……けほっ、もう!出すときは言いなさいよ!」


 お願いするイク。


「あん!出す時は口にお願い!んあっ!!んぐっ!!」


 満足するトモミン。


「んはっ!……ご主人様、いっはい、れはひた……」


 従うサーフォン。


「口を……こうですか?んぶぅ!!」


 勝ち誇るレキ。


「んっ――!!ゴクン!や、やった!あんたが食べ終わる前に出せたわ……えへへ~私の勝ち~」


 お裾分けを貰うイク。


「トモミン殿!私もその……飲みたい……ちゅ~」


 微笑むユキノ。


「んっ!……三回目だと少ないね……えへ」


 達成感を感じるサーフォン。


「んぐっ!!?……やった!うまく出せましたぁ!ぶい!」


「喉に絡み付く……おいしい」


「……うん!馴れたら癖になる味だ!」


「口の中にいっはい……おいひいれっす!」


「な、なによ!……ま、まぁ……わるくない味ね……」


 イク、ユキノ、トモミン、レキが感想を述べる。


 最後にサーフォンが恍惚とした表情で口を開けながらマーサのバナンポに近づいた。


「バナンポ……様……いっはい……くらひゃい!!んぐっ!」


           【完】


「で、できた……三日徹夜した……!口に出すシーンだけを詰め合わせた特別編集『花嫁達の口づけ集vol.1と2』!!完成!!これは売れるわよ――!!」


 趣味の『動画編集』に死力を尽くす女神フレイヤであった!


 <定価2980ノーエッチです……。つづく!>

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