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「ではご主人様、ユキノ様のお口にぴゅっぴゅっしてくださいませ」『そうだ!修学旅行へ行こう!』

 【生徒会室】


 白熱の運動会も終わり、日常に戻った勇者ユキノ達一行は、放課後、生徒会室でダラダラ過ごしていた。


「修学旅行だな……」


 生徒会室の椅子に座ってぼ~っとユラユラ揺れていたユキノがおもむろにつぶやいた。


「急にどうしたのですか?ユキノ様?」


 明日の授業『メイド道3 お風呂場密着洗い編』の予習をしていたトモミンがユキノの方へ顔を向ける。


「そろそろ、学園ものに飽きてな。王都へ帰ろうか迷ったのだが、まだ修学旅行に行ってなかったな……と」


「学園ものって……」


 長机の下で彼女達の足を眺めていたマーサが顔を出す。


「お、マーサ、そこにいたのか」


 ユキノがサービスでスカートの裾を持ち上げる。


 逆に少し足を開いていたレキは急いで閉じる。


「あんたね――!!」


「私もそろそろ自国の騎士団が心配になってきました……」


 イクはハラミサガリ王国騎士団長だ!


「では、女生徒達を連れてハラミサガリ王国に修学旅行に行くか!」


 ユキノは立ち上がる!


 つまらない日常なんてもったいない!


 そうだ!修学旅行へ行こう!!


「名案でっす!トモミンもメイド長の仕事を忘れてました!」


 とんだメイド長だ!


「俺も第一王子だったの忘れてた!」


 とんだ第一王子だ!


「あんた、その格好で帰るの?男に戻らないの?」


 フィアンセのレキが未来の旦那に呆れる!


 女体化してバナンポぶら下げて、親が見たら失神するであろう!


「ま、マーサさん!おおお男の子だったのですか!?」


 端の方で静かにしていた生徒会長サーフォンが驚きのあまり声を出す。


「今さら!!……サーフォン殿、そのようなモノをぶら下げた女の子はいませんよ」


 イクがマーサの『そのようなモノ』を指差す。


 ……ぶら~ん、ぶら~ん。


 そのようなモノをぶらんぶらんさせるマーサ。


「しまいなさい!」


 レキはパシッ!っとバナンポを叩く。


「いてっ!」


 バナンポが叩かれて一周回る!


「……ごくっ」


 サーフォンが喉を鳴らした。


「飲みたくなったか?」


 ニヤリとユキノの一言。


 サーフォンの隣にいたイクが慌てた。


「いや!私は別に!!」


 騎士団長イクはマーサのバナンポに釘付けだ!


「……サーフォンに言ったのだが」


「え!!!!?」


 真っ赤になるイク。


「……イク様」


 レキは誠実で憧れの剣聖イクがエッチなこととなるとまるでダメになってしまうのを可愛く思っていた。


 トモミンは真っ赤になったイクを見て、すぐに動き出す。


「では、ご主人様の準備をします。んぐっ!」


 さすがマーサ専属メイド長トモミン。


 マーサの手をちっぱいに誘導させ、バナンポに唾液を垂らしながら一気に奥まで咥えつつ「バナンポ大好き」や「ご主人様、どこでも好きなとこを舐めます」とマーサが好きそうな言葉を発する!


 あまりの手際の良さにレキは「参考になるわ……」と呟いた……。


「ああ!そんなとこを舐めながら、そんなにしちゃあ!!」


 マーサは限界そうだ!


「では、一杯もらおうかしら」


 そういうと、ユキノは口を大きく開ける。


「はいでっす!ではご主人様、ユキノ様のお口にぴゅっぴゅっしてくださいませ」


 トモミンはマーサのバナンポから口を離し、ユキノが口を近づける。


 マーサは「ドリンクバーじゃないんたから――!」と言いながら果てた。


 びゅるぅ!びゅっ!びゅっ!


「ぱくっ!……んん!ゴクゴク……ぷはっ!ばっちりだ!」


 ユキノが咥えたと同時にバナンポジュースが出る。バナンポソムリエのトモミンはマーサの発射のタイミングが誤差一秒単位で把握していた。


「レキ殿、あの……私も飲みたいのだが……」


 イクが物欲しそうにレキを眺める。


「イク様、私に許可を求めないでください……一杯だけですよ……」


 フィアンセの許可をもらった!


「俺の意志はどこいった?」


 なんにせよ、夢のコーヒータイムである。


 スキル年齢制限は、まるでファミリーレストランにいるかのような会話に騙され、発動の機会を逃した!


 日常的なエロ……それはすでに日常!


 スキル年齢制限は自信を正当化した。


「……修学旅行の件ですが、お父様に頼めばなんとかなると思います!」


 トモミンがマーサのバナンポの準備をして、それを心待にしている剣聖イクを横目に、現実を受け止めることを諦めたサーフォンが話した。

 

「本当か!?」


 ユキノが身を乗り出す。


「はい、実は……運動会で見た究極魔法『パイパーン』の威力に屈しまして、勇者ユキノ様の暗殺を諦めて、マーサ……様をとりこにしろと命令がきました。まさか、マーサ様が男の子だとは知らずに断ったのですが……」


「マーサを虜だなんて……ダメよ!!」


 フィアンセのレキが席を立ち、机を叩きながら制止する。


「ええ……わかってます……。まさか、マーサ様が……王子様だったなんて……はぁ」


 遠い目をするサーフォン。


「……レキ」


「……レキ殿」


「レキ様……」


 ユキノ、イク、トモミンがレキを見つめる。


「わ、わかったわよ!……五番目よ!それでいい!?」


 レキは皆の視線を受けて、観念した。


 不安は的中した。


「え!五番目!?わ、私は構いません!嬉しい!!」


 サーフォンはレキの手に両手を添えて喜ぶ!


「え!え!?何曜日にしよう!!?」


 すぐさま夜の順番を決める変態マーサ!


「あんた闇曜日は私だからね!わかってんだろ~なぁ~」


 マーサの後ろへまわり、頭をグリグリする!以前、月曜日がトモミンで、火曜日がイク、水曜日がユキノで闇曜日がレキ、光曜日がトモミンで土曜日がイク、最後、風曜日がユキノという謎のローテーションが発表されていた!


「イテテ……レキ、痛いって……」


「じゃ、風曜日に一緒に行くか!?」


 両刀使いのユキノが提案する!


「はい!ありがとうございます!」


 ローテーションが更新された!


「で、話しは変わるが、女神様から手紙をもらったのだが……」


 レキに頭をぐりぐりされながら、制服のポケットから手紙を出す。


「そういうのは、早く出しなさいよ!まったく……どれどれ」


 レキはマーサから手紙を奪い取って読み上げた。


 『拝啓 変態マーサとマーサの変態達へ。あ!全員、変態だ!バーカバーカ!悔しいけど負けたので、これからはギャラを払おうと思います。嫌だけど。

 出演料は考えるの面倒だからマーサのバナンポジュースを飲むか出されるかで一回一万ノーエッチあげるね!あげたくないけど!がんばって出して貰ってね!

 マーサはギャラはいらないわよね?いい思いしてるし!出せば出すほどお金じゃ決して手に入れられないものを手に入れたからね。そう、それは彼女達の心です。って、◯パンやないかぁ~い!さぶっ!風邪引くわ!

 じゃ!がんばって出してね!あんまりマーサのバナンポジュースを飛び散らかすと編集大変だから、なるべく口か中に出してくれると助かる!マジで!夜露死苦!

 ってかバナンポジュースって何よ!変態汁じゃない!それで『年齢制限』大丈夫だと本気で思ってんの?バカなの?バーカ!バーカ!


 p.s サカナトイッタラマグロ共和国でも配信モニターの販売の許可が出ました。』


「……」


「……」


「……」


「……」


「……」


 全員、言葉にならない!


「一回……一万ノーエッチ……だと!?」


 マーサは震えた……。


 【マーサの妄想】


「マーサ!ご飯できたわよぉ~」


 台所からレキの声が聞こえる。


「ありがとう、レキ。おっ!うまそう!レキも早く食べてね」


「はい、いただきます」


 レキはテーブルの下に潜り込んだ。


「うん!うまい!レキも早く出すんだよ。今日は買い物に行くんでしょ?」


「んっ!ペロペロ!うん!三万ノーエッチは欲しいんだけど、ずっと舐めていたくて……」


「ははは、仕方ないなぁ~。俺が卵かけご飯を食べ終わる前に出せたら、あと三回してあげるよ」


「えっ!?四万ノーエッチになる!!よし!本気だすぞ――!!」


「おぅ!これはすごい!まいったなぁ~我慢できないや!そ~れ!一万ノーエッチ――!」


  ビュー!


「んぐっ!……ありがとうございます!!あと三回お願いします!」


「はっはっは、わかったわかった……仕方がないなぁ~」


「そ~れ!いっかぁ~い!にかぁ~い!さんかぁ~い!!」


 ビュー!ビュー!ビュゥゥ――!!


「んぁ――!!んふぅ――!!あっはぁ――ん!!!ありがとうこざいまぁ~す!」


 【マーサの現実】


「いでででで――!!」


 レキの拳聖奥義『頭ぐりぐり』がマーサに炸裂!


「……あんた、今、変なこと考えてなかった?」


 拳聖スキル『直感』がマーサの妄想を感知した!


「あ、本当だ。ステータスの金額、一万ノーエッチ増えてる……」


 さっき一杯飲んだユキノがステータスを確認する。


「わ、私も!たくさん飲みたいです!!」


 サーフォンの熱意が異常だ!


「サーフォン!どうしたの!?」


 レキが真面目なサーフォンを本気で心配する。


「ハマったか?」


 ユキノはニヤニヤしている。


「実は……劍童大会で破損した『競技場』と水中騎馬戦で破損した『プール』、そしてなぜか使い物にならなくなっていた『体育館倉庫』の修理費に三億ノーエッチかかりまして……」


「……!!?」


 全部、見覚えがあった!


 全部、マーサとバナンポした場所だ!


「……よし!みんなで返すか!」


 勇者ユキノが額に汗をかきながら立ち上がり、宣言する!罪の意識が高いようだ!


「そうですね……。責任の一旦は私達にあることだし……」


 剣聖イクも手を上げて賛成する。


 実際は『一旦』ではなく、『全て』だ!


 拳聖レキも「私も手伝う」と挙手。


 トモミンは「トモミン、出すの得意!」と両手を上げていた。


「……みなさん」


 サーフォンは感動して涙を拭う。


「ひとり六千回だね!」


 マーサが即答する。


 こういう計算は驚くほど早かった!!


「あんた、さすがに出しすぎて死ぬわよ……」


 レキが冷ややかな目をマーサに向ける。


「……確かに」


 ちょっと考えて、考えるのをやめた。


 次回!修学旅行編スタート!


 最初に訪れる名所は……『王都ハラミサガリ『コンヨーク温泉郷 旅館コウノトリ』だ!!


 果たしてサーフォンの借金三億ノーエッチはいつ返済できるのか!?


 がんばれマーサ!負けるなマーサ!!バナンポジュースが尽きるその日まで!!


「一日三回で五年と四ヶ月……ふふ」


 一回目のバナンポジュースを飲み込みながら、剣聖イクが不気味に微笑んだ。


「……みなさん」


 生徒会室でマーサのバナンポを順番に咥え、飲んで喜んでいる光景に「……さよなら、私の日常」と一粒の涙を流しながら呟くサーフォンであった。


 <ドリンクバーやないかぁ~い!……つづく!!>

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