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「ご主人様の性処理ですかぁ~?」『マーサ愛魚女魔法女学園に入学する』

 ハラミサガリ王国の隣国『サカナトイッタラマグロ共和国』の大統領邸の廊下に大声がこだまする。


「大統領大変です!大統領大変です!」


 ゴージャスな扉を開けて、大統領補佐『ウオノメ』が走り寄る。


「騒がしいなぁ~。一回言えばわかるぞ、ウオノメ~」


 大層な髭をさすりながら『サカナトイッタラマグロ共和国第二十一代大統領ライトツナ』は機嫌が悪そうだ。


「すいません!報告します!勇者暗殺に失敗!勇者一行がこちらに向かっています!!!!」


 ウオノメが元気いっぱいに報告をする。


「お前な~。大声で『暗殺失敗!!』って報告する大統領補佐がどこにいるんだよ……」


 呆れ顔のライトツナ大統領。


「はい!すいません!以後、気をつけます!!」


「以後はないよ。お前、明日から魚屋な」


「ギョギョ!魚屋!?大統領補佐から魚屋に降格!?」


 ものすごい降格だ!


「しかし、困ったな~。あのレッドドラゴンヘマしやがって……。どうする?シー・チキン」


 呼ばれてフードを被ったいかにも怪しい男がライトツナに耳打ちする。


「なるほど!それはおもしろい!それでいこう!さすがシー・チキン!そこらのぎょとは訳が違うわ~!ギョ~ギョギョギョ~」


 気持ち悪い笑い方をする大統領の横で、シー・チキンはスゥ――っと暗闇に消えていった……。


 【一方、サカナトイッタラマグロ共和国へ繋がる橋の出前】


「ま、マーサ殿!!もう、いいのではないか?」


 王都ハラミサガリ騎士団長イクが白のスカートをみずからたくしあげ、青色と白色の縞々ショーツを全開にしながら歩いている。


「だめだめ!橋の真ん中まで!勝者の言うことは絶対なのだ!」


 縞々を眺めながらマーサは言った。 


「あんた、結婚式前に刺されないでね」


 未来のお嫁さん、レキは呆れるのにも馴れていた。


 腕を頭の後ろで組みながら最後尾を歩く勇者ユキノはスカートをたくしあげながら歩くイクと、中腰で縞々ショーツをガン見しながら後退りするマーサを楽しそうに眺めていた。


「しかし、イクは『ヤキューケーン』弱いなぁ~」


 イクの太ももの内側に『右』の文字が書いてある。

 これは『ハラミサガリ王国』伝統の『ヤキューケーン』という占い方法で、素肌(胸、お尻、太もも)にあらかじめ文字を記入し『ジャイケン』という方法で負けた方が一枚ずつ脱ぎ、あらわになった素肌に書かれた文字が『女神の導き』となる由緒正しき占い方法なのだ。

 ※第一部『魔王の日常』参照


 ちなみに、この占い方法は的中率100%を誇る女神の加護(趣味)そのものなのである!


「勇者一行でございましょうか!!」


 橋の向こうから駆け寄ってきた兵士が尋ねる。


「そうだが?」


 咄嗟にユキノが前に出て縞々全開のイクをかばう。


「イク!あと5メートルだ!」


 マーサがイクに耳打ちする!


「イク様!こちらへ!」


 聖女トモミンの後ろへスカートをたくしあげたままイクが隠れる。


 ひぃ~!!


 無論、スカートをおろろせばいいというものではない!『ヤキューケーン』は女神様を崇拝する占い。勝者の言ったことを止めるということは女神の顔に泥を塗ることと同じことなのだ!要はスカートを下ろしてはダメなのだ!


「……なにか用か?」


 ユキノに圧をかけられ兵士は後退りする!勇者一行が少し進む。あと4メートル!


「うぅ!……シー・チキン大統領補佐官がお前らと話したいそうだ!」


 負けじと兵士も大きな声で応戦する。


「誰よそれ!そっちが来なさいよ!」


 拳聖レキも前に出て兵士に圧をかける!あと3メートル!


「くっ!……俺は伝令をするために来ただけだ!」


 兵士が後ずさる!あと2メートル!


「気が向いたら行ってやると伝えておけ!」


 男前のセリフ!マーサは空気の読めるAB型だ!


 あと1メートル!よし!イケる!!


「そうだ!そうだ~!」


 「そうだ!そうだ~!」とトモミンがマーサの前に出ると自らスカートをたくしあげ、お気に入りの縞々を見せている騎士団長イクの姿があらわになる!どこからどう見ても、ただの露出狂だ!


「――あ!?キャ――!」


 ユキノは「あっ!」と振り返る。


 レキは「……ああっ!」と手で目を隠す。


 トモミンは「ありゃ!……イク様!すいません~」と慌ててイクの前に戻るが、時すでに遅し、


 マーサは「あちゃ~」といいながら、自らの顔で縞々ショーツを隠してみせるが、それはそれで只の変態だ。


「……し……縞々」


 兵士は青と白の縞々ショーツから目が離せない!


「キャ――!!見るな――!!」


「た、確かに伝えたからな!!」


 兵士は足早に戻っていった。

  

 橋の真ん中まで来たイクは、やっとスカートを下ろすことができた。


「え~ん!見られた~!もうお嫁に行けない~」


 剣聖イクは涙ぐむ。


「マーサに貰ってもらえば?」


 ユキノは頭の後ろで手を組みながら、適当に返事をする。


「だ、ダメよ!一番は私よ!」


 『フィアンセ』レキが慌てて止めに入った!


「……二番目ならいいの?」


 イクがレキに涙目で訴える。


「ま、まぁ~二番目なら……」


 日頃のマーサの行いから、それは仕方ないといった表情を見せる。


「では、三番目に立候補しまっす!」


 マーサのメイド『聖女兼第一王子専用メイド長』であるトモミンが両手を上げ名乗りでる。


「え~『勇者』の私が四番目って……どう思う?マーサ?」


 ユキノは、わざとらしく不満そうな顔をマーサへ向けた。


 マーサは必死に何かを考え、指を折りながら答えた。


「えっと!月曜日がトモミンで、火曜日がイク、水曜日がユキノで闇曜日がレキ、光曜日がトモミンで土曜日がイク、最後、風曜日がユキノ……でどうだ?」


 真剣に一週間分の夜の順番を決めていたマーサ!アホ……ここに極まり!!


「なんで私だけ週一なのよ――!!」


 レキの拳がマーサにクリティカルヒットした!


 バッキャ――ン!!!!


 マーサは『サカナトイッタラマグロ共和国』の中までぶっ飛んでいった!!


(怒るとこ、そこ――!???……へへ)


 イクは心の中でツッコミを入れたが、二番目を勝ち取った喜びで頬は緩んでいた。


 【サカナトイッタラマグロ共和国 サー門】


「止まれ!」


 槍を持った兵士がユキノ達に叫ぶ!


 ……スタスタスタ。


 無視して通過する。


「止まれって!」


 ……スタスタスタ。


 止まる気配すらない!


「止まってって……」


 ついに泣いてしまった。


 イクは「……急いでいるんでな」と足を止めない。


 トモミンは「私達は、ご主人様の言うこと以外は聞くつもりはありません!」とあっかんべーをしながら歩き去る。


 マーサがいたら嬉しくて泣いてしまいそうだ!


 普段の彼女達は基本冷たい。心を許したマーサの前だけ素直な自分を見せることができる。素直な自分を見せるのが苦手なB型の女性には心を許してもらえるまで根気よく彼女達に寄り添って支えてあげてほしい。逆に一度心を許してくれたら、あなただけに本当の素顔を見せてくれるかもしれませんね。(←お前誰だ――!?)


 【城外市場】


 勇者ユキノは一生懸命働いている男に声をかける。


「そこの魚屋、黒髪のイケメンは見なかったかな?」

 ※マーサの顔はこの小説を読んでいるあなたやあなたの彼氏にとても似ています。イケメンかどうかは自己判断にお任せします。


「へい!すいやせん!あっし、さっき魚屋になったばかりでして、すいやせん!」


 元大統領補佐官ウオノメの魚屋だった!


「それは大変ですね。では、ここのお魚を全部買いまっす」


 トモミンは大量のお金が入った袋を手渡す。


「ぜせぜ……全部!?」


 貰ったお金の袋の重さにビックリする。


「ご主人様が『女体盛り』しか食べないので、お刺身の材料が足りないのでっす!」


 マーサ専属のメイド長であるトモミンは、マーサの食事のメニューも決めていた。だいたいがマーサが喜ぶ女体盛りが定番だ!


「この前、突然イク様が盛られて出てきてびっくりしました……」

 レキがイクを見る。


 女体盛りの土台はマーサ特製『女体盛りルーレット』で決まるぞ!ルーレットのマスは『メイド(ランダム)』や美少女コンクールで入賞した『ミスハラミサガリ一位から五位』などがほとんどだが、中には『メイド(トモミン)』『騎士団長(イク)』『第一王子フィアンセ(レキ)』『勇者(ユキノ)』の名前もあるぞ!


「あ、あれはマーサ殿が……ううう」


 イクは思い出して、赤くなった顔を手で隠す。


「……イク」


 ユキノは恥ずかしがって顔を隠すイクの肩にそっと手を添える。


「レキ様もご主人様のバナンポにチョコと生クリーム塗って『バナンポパフェおいしい!』って言ってたでっす!」


 トモミンは無邪気に暴露する。


「見てたの――!!?」


 真っ赤になった顔を、イク同様、手で隠す。


「……二人とも王室満喫だな!はっはっはっ!」


 ユキノは二人のほのぼの(?)エピソードに思わず大声で笑う。


「……羨ましい男もいるもんですね」


 感心した様子のウオノメは急いで店内中の魚を保冷箱に詰めた。


 意図せず元大統領補佐官のウオノメは開店初日に完売という偉業を成し遂げたのだった。


 これが噂を呼び、のちの『大富豪ウオノメグループ総帥』になるのだが、それはまた別のお話……。


「ちょっとそこのあなた!もしかして勇者ユキノ?」


 セーラー服風のかわいい制服に身を包んだ女生徒二人がユキノ達に声をかけてきた。先にネタバレしますが、ひとりは魔法で女体化したマーサです。


「なにか用?……(あ、マーサだ)」


「私はあい魔法女学園首席シー・サーフォンよ。勇者ユキノ、あなたに学園に来てほしいの」


 自分で首席と名乗ることで気の強さがわかる。


「マーサ・バナンポよ!……おほほほ」


 黒髪のマーサに似た女生徒は精一杯の初対面を演じる。


 (……マーサ殿だ)


 (……ご主人様だ)


 (……絶対、マーサだ。何やってんのよ!もう!)


「着いていってもいいが、少しそこのマーサとやらと話がしたいのだが……」


 ユキノが女体化しているマーサを指差す。


「おほほ――!ごほっ!……おほほ」


 咳き込む女体化マーサ。


「マーサと?別にいいけど……。早くしなさいよね!」


 勇者一行はマーサを路地裏へ連れ出した。


 【裏路地】


 ドン!!


「……で?」


 レキはマーサに壁ドンをして威圧的に経緯を聞く。


「いやぁ~、大変だったよ!レキに吹っ飛ばされて、落ちた先が女学園の更衣室でね!慌てて女体化の魔法(スキルAV男優企画魔法『美人過ぎるニューハーフがナンパしてみた件』)をかけて転校生ってことで誤魔化し、なんやかんやあって首席のサーフォンに『伝統のアトランティック決闘』ってのを申し込まれ、仕方なく対決したら勢いでサーフォンを全裸にして勝っちゃって……。そのまま生徒会に入れられ、理事長が倫絶の森を消し飛ばした究極魔法『◯イパーン』の秘密を暴くために勇者ユキノを特別講師として招く計画を金庫に閉まってあった秘密文章から入手。シー・チキン「用がすんだら暗殺しようギョーギョギョ!な、何?勇者ユキノを目撃しただと!?生徒会執行部出動!」……で、今に至ります」


「この短時間で小説一巻分の物語を進めてしまうなんてす!ご主人様すごいです!」

 トモミンはマーサの主人公ぶりに感動する。


「えへへ!」


 頭を掻きテレるマーサ。


「……あんた、会う人全員を裸にするつもり?」


 レキは腕を組み睨む。


「……えへへ」


 頭を掻く手を下ろし冷や汗をかくマーサ。


「よし!先生!やろう!面白そう!」


 ユキノの基準は『面白そう』ただひとつだった!


 【再び街中】


「そうか!特別講師の任、受けてくれるか!さすが我がライバル、マーサ!事を進めるのが早い!」 


 マーサに負けたサーフォンはライバルという関係を構築し対等の立場を保とうとしているようだ。


 【愛魚女魔法女学園 理事長室】


「私が理事長のシー・チキンだ」


 いかにも影で大統領を操っていそうな男が挨拶をした。


「お父様!私が連れてきました!」


 思った通り、サーフォンは理事長の娘だった!


「それでは、さっそく授業をしてもらおうか、勇者……」


「トモミンがやりまっす!!」


 理事長の言葉をさえぎり、トモミンが挙手をする。メイド長になってからのトモミンの教育に対する姿勢は目を見張るものがある!


「立派なメイドにしてみせる!!」


「あの……うちは魔法学園なんだけど」


 【一時間目 メイド道】


「と、いうわけで『王都ハラミサガリ第一王子専属メイド長』トモミンです」


 女生徒達がざわざわする。


「メイドのお仕事が学べるなんて嬉しい!!」


「私は冒険者を目指してるからメイドに興味がないわ……」


「ば、バカ!あの子、勇者パーティーの聖女だぞ!」


「え!?正聖女トモミン様!?うそ!?私、支援魔法職希望なのよ!」


「おしゃべりは……メッ!!」


 トモミンは人差し指を口に当て、女生徒を注意する。


『かわいい~』


 女生徒全員ほっこりする。


「では、メイドのお仕事の中で一番重要なことは何だかわかりますか?」


 ざわざわする生徒達の中、ひとり不良っぽい派手な髪の色をした女学生が手を挙げる。


「ご主人様の性処理ですかぁ~?」


 女生徒がふざける。


『あはは――――!!』


 教室中が笑い声で溢れる。


 真面目そうなメガネをかけた女生徒が席を立ち、注意する。


「こら!聖女様に失礼――」


「正解です」


 トモミンは言った。


 まさかの正解だった!


『……』


 全員、虚を付かれ、教室内は静まり返った。


「ごほんっ!え~、私たちメイドはお仕えするご主人様の体調管理がすべてと言っても過言ではありません。いいですか、今からご主人様の体調管理で一番大事なことを言います。大事なことなのでメモをしてください」


 トモミンはペンを手に取るとホワイトボードに手を伸ばす。


『……ゴクン』


 全員、生唾を飲む。


 キュキュキュキュキュ!


 トモミンはホワイトボードに大きく文字を書き、振り向いて生徒達に向かって名言を言う!


「男性は……出せば大抵、治ります!!」


 ババ――ン!!


((何を――――!!))


 女生徒達は全員、心の中で(何を――!!)と叫んだ。


「では、やり方を教えます。ご主……マーサさん、こちらへ」


 トモミンはマーサを呼んだ。


「は、はい……きゃ!!」


 すぐにトモミンはマーサのスカートをたくしあげバナンポを取り出す!マーサは女体化してもバナンポは残ったままだ!!


『キャ――――!!!!』


 場内騒然!


「静かに!これは私の魔法で生えたバナンポです(嘘)!これを一気に咥えて!んんっっ!優しく!時に激しく!ご主人様がしてほしいことを感じながら――!」


『………!!?』


 トモミンの舌技に女生徒達が静まる!


「す、すごい……あんなに奥まで……」


「聖女様、咥えながらしゃべってない?」


「……あ」


 マーサがビクッ!となる。


「んっ!!んんっ!!……と、このようにご主人様の体調管理をします。……んっ」


 取り出したハンカチで口元を押さえながら、トモミンは講義を続ける。


「今、何か出なかった?」


「……何か飲みこんだような」


 女生徒達がざわざわする!


「では、配ったバナンポ(本物の果実)を咥えてみましょう!」


 トモミンは果物のバナンポを全員に配り授業を再開した。


「んっ!んっ!ぷはっ!……やっぱり奥まではムリね……」


 女生徒Aは口に含んだバナンポ(果物)を吐き出す。


「もっといける!奥までいけるよー!!」


 トモミンはメガホンで応援している。


「んっ!ん――!!えほえほ……」


 女生徒Bが咳き込む。


「お前たちの口は何のためについてんだ――!!」


 トモミンから激が飛ぶ!


 決して、バナンポを咥えるためではないと思う……。


「んっ!んん――!!んん――!!」


 女生徒Cがバナンポ(果物)を口に押し込んだまま耐える!


「いいぞ――!!奥だ!奥を感じろ!!」


「私達は何をやらされてるのだろう……」


 女生徒達がバナンポ(本物)を咥え、教室中にイヤらしいすする音が鳴り響く。


 ジュルジュル……ジュルル~。


 ちゅぱ、ちゅぱ、ちゅぱぱ~。


 クポ、クポ、クポポ~。


「ま、マーサ殿!!」


 トモミンの授業を見学していた剣聖イクが女体化したマーサに駆け寄る!


 マーサのバナンポが女生徒達の口の動きに反応し再びその姿を取り戻そうとスカートを押し上げていた!


「や、やばい!さすがに男だとバレる!?」


 スカートからバナンポの先が「こんにちは」する!


「任せてくたさい!シルフィード流居合術『ソクシャ』!!!」


 剣聖イクはマーサの母親、前剣聖シルフィードに剣の稽古をつけてもらっていた。


 イクの居合は誰の目にも止まらぬ速さでマーサのバナンポをコシコシする!


 シュバババ――シュシュシュ――!!


「あふぅ!……あっ!ダメそう!」


「おっと……ハンカチを落としたぁ~(棒読み)……ごくごく」


 ハンカチを拾うフリをしてマーサのバナンポから出るバナンポジュースを残らず飲み干す。達人のイクだけが成せる神業であった。

 ※あまりの速さで、常人には見えない!だからスキル『年齢制限』も必要ない!!


「イク、ありがとう」


「……んっ!い、いえ!二番目として当然のことをしたまでです」

 イクは『二番目』が気に入っていた!


 そんな中、優等生のサーフォンはひとり才能を開花させていた。


「んっ!……難しいわね。チロチロ……え、えい!……んはっ!おおきすぎて奥まで入らない……全体を……ペロペロ……濡らしてから……え、えい!!パクっ!!んはっ……だめ……」


 恥じらいの顔を浮かべ、ぎこちない舌使いに一生懸命なサーフォンは見る人を魅了する。


 艶やかな表情のサーフォンに女生徒達も頬を赤らめる。


「……サーフォン、優勝!」


 マーサもサーフォンに魅了された。


 トモミンは「ガ――――ン!!!!」と言いながら四つん這いになる。


 忘れていた何かを思い出し、もう一度バナンポを見つめ直そうと新たに決意するトモミンで、あった。


「ご主人様の幸せが自信の幸せ……心に刻むように……授業を終わります」


 トモミンの授業が終わった!


 【王都ハラミサガリ 王の間】


「はぁ……はぁ……トモミン……」


 暗がりの中、配信モニターを見る王の息が荒い。


『……お楽しみ中、失礼!』


 突如、女神フレイヤの声がした!


「どわぁ――!女神様……!?」


 超慌てる国王シャトーブリアン。


『こんなの作ってみたんだけど、つけてみて!』


 ……ゴトッ。


 王様の前にゴーグルのようなものが現れる。


「こ、これは……」


 興味津々の王。


『VRゴーグルよ。つけるとその場にいるような感覚が楽しめるのよ』


「VR……」


 王様はVRゴーグルを装着する。


「なぁ!とととと、トモミンが目の前に!こ、これが夢にまで見た『ちっぱい』!!!!?」


 ゴーグルをつけた王様は、その場で手をバタバタさせて、ひとり奇妙な仕草を繰り返す。


『すごいっしょ。それ、100万ノーエッチね』


「買いま――す!!」


 即答だった。


『毎度あり。それじゃ、普及活動よろしくね~』


 女神フレイヤの声は聞こえなくなった。


「……あ、あれ?さわれん!トモミンにさわれ――ん!!?」


 ひとりでバタバタ暴れる国王であった……。


 <つづく>


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