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「…………ゴクン」『異世界温泉物語<後編>』

【子宝の間】


 コンコン!ガラガラガラ――!!


「お待たせしましたぁ~夕食ですぅ~」


 女将はふすまを開けるとシングルベッドサイズの舟盛りを部屋に運び込む!しかも二隻せき


 舟盛りの土台は女性の裸体!


 これぞ旅館コウノトリ名物【豪華絢爛女体盛り『全裸航海』】だ!!


「な、なに!?え!え!?」


 マーサはどこをみてもエロい女体盛りに、逆にどこを見ていいかわからずキョロキョロしている!バカ丸出しだ!


「こ、これはすごい!!!!」


 イクは綺麗に盛られた女体盛に感激する。


「わ――!!キレイ――!!私、女体盛り初めて~!しかも、二人~!」


 アヤカは両手を握りしめ目をキラキラさせる。


 この世界のご馳走といえば、女体盛りなのだ!


 特別な日のご馳走に『女神フレイヤ』のご加護を祈り『女神フレイヤ』に模した女体盛りを作る慣例が……あるのやら、ないのやら!


「…………」


 アマルルは黙っている。


「…………」


 コスプレイーヤは黙っている。


 元魔王軍団長の二人は女将に女体盛りにされていた!!


「せっかくだから!いただこう!!では、さっそく……」 


 マーサの箸が伸びる!まっすぐに!山のてっぺんへ!なぜ登るのか!そこに山があるからだ!


「んはっ――!!?」


 いきなり体に電気が走ったかのような衝撃がコスプレイーヤを襲う!


「あんた……いきなり、そこまむ奴いる?変態にも過ぎるわよ……」


 アヤカがツッコむ。


「あ!プチトマトかと思って……えへへ」


 登山家ではなく、ただの変態だった!


「前に全く同じくだりを見た気がするのだが……?」


 イクは呆れ顔でマーサを見る。


 歴史は繰り返されるのだ!


「では、こっちの苺を……」


 マーサはもう一方の女体盛りに箸を出す。


「違う!それは苺じゃなく、チク……んあぁ――!」


 アマルルがのけ反り、盛られた料理が一瞬、宙に浮く。


「それ、わざとじゃなかったら逆に尊敬するわ……」


 アヤカはお腹のへんの刺身を食べながら呆れる。


「あ!箸を落としちゃったぁ~!仕方ないなぁ~!直接食べよ!」


 そういうと、マーサは口を直接つけて食べ始める。


「んっ!あっ!いやぁ~!んんっ!!舐め……舐めないで!!」


 コスプレイーヤはクネクネする。


「やぁ!んん!ああ!だから……んっ!それは……んっ!苺じゃ……ない……んん!!」


 アマルルはビクビクする。


「イク姉ぇ、あれと共に上り詰めたいの?」


 アヤカは足のとこの果物を食べながら呆れ顔でイクを見る。


「は、はは……私も自信なくなってきた」


 イクは脇のとこのローストビーフを食べながら箸を使わず舐め回すように食べ進むマーサを眺める。


「ええかげんに、せ――!!」


 突如、立ち上がり裸の姿から秘穴の魔女アマルルに変化する!


「お、お前は!魔王軍四天王!?」


 イクがすぐさま臨戦態勢を取る!


 だが、腰にはいつもの聖剣ゼックスカリパはない!


「最初から、こうすればよかったのよ!」


 コスプレイーヤはアヤカにナイフを突き立てる!


「あ……」


 ガクガクと震える。アヤカはスキル『剣豪』を得てまもないため実戦経験がほとんどないのだ!


「んあ――!!お、お前!!」


「ふっ……プチトマトかと思ったぜ!」


 マーサはプチトマトに似た物を舐めると同時にアヤカを救いだす!


「あんた……救い方最低。でも、ありがと……」


 アヤカが少しテレながらマーサにお礼を言う。


 マーサ達と元四天王が睨みあう!


 ガラガラガラ――!!


「そこまでよ!!」


 突如、ドアが開き女将が姿を表す!


「大事な旅館を壊されたら、たまったもんじゃない!ここはコンヨーク温泉郷名物『温泉三番勝負』で決着をつけなさい!!」


「なにをバカなこと言ってるの!こいつらは私の手で闇に葬るのよ!」


 コスプレイーヤがマーサ達に襲いかかる!


「ま、待て!コスプレイーヤ!あなた様は、もしや……」


 コスプレイーヤを制したアマルルの、女将を指差す手が震える。


「ようやく気づいたかい」


 女将の姿がみるみるドラゴンの姿に変化する!


「やはり!彼女は魔王様の育ての親!魔王軍監査役破滅のドラゴン、マカ様だ!」


 アマルルがブルブル震える。


「え!そんな……」


 コスプレイーヤは腰を抜かし、その場に座り込む。


「元だけどね。今は旅館の女将さ。あんたたち!この勝負は『破滅のドラゴン』が預かったわ」


 ドラゴンから威圧的な声を発する。


「そんな大物が!……ゼクス(聖剣ゼックスカリパ)も置いてきたし、乗るしかないか……」


 イクがドラゴンを前に冷や汗をかく。


「よし!受けてたつぞ!」


 マーサは両手を腰に、楽しそうに承諾した。


 こうしてマーサ達と元魔王軍四天王による『温泉三番勝負』が開催されたのだった!


 【一本目『卓球対決』】


 イク、アヤカ姉妹ペアVSアマルル、コスプレイーヤ元四天王ペア


「はっ!チキータ!」


 スバ――ン!!


 イクのバックハンドが炸裂する!


「お姉ぇ!すごい!」


「浴衣からチラチラ見えるおっぷにがエロい!(すごいぞ!イク!その調子だ!!)」


 マーサが応援席から声援を飛ばす!


「あいつ、心の声と本音が逆だぞ……」


 コスプレイーヤがマーサを見る。


「バカは放っておけ!」


 アマルルは豪快な空振りをしながらイク&アヤカペアを睨み付ける。


「ふっふ~ん!お姉ぇは何でもできるんだから!」


 ほとんどの点をイクが取っているが、なぜか誇らしげなアヤカ。


「これで!最後だ!ナックルドライブ!」


 イクの無回転の球が相手のコートへ突き刺さる!


「ヤバっ!届かな……!!あ――!パシッ」


 急に加速したコスプレイーヤが見事、イクのナックルドライブを打ち返した!


「まさか……ナックルブロック!?」


 イクは渾身のスマッシュを返されて、ショックが隠せない。


「……アマルル」


 コスプレイーヤがアマルルを睨む。


「これで、行くわよ!」


 イク達の見えないとこでアマルルの数珠繋ぎのしっぽがコスプレイーヤのお尻に刺さっていた!

ドーピングだ!


「私のしっぽは麻薬と同じさ!パワーアップはもちろん、深く刺せば刺すほど感覚が研ぎ澄まされるのよ」


 ズブズブズブ……。


「あん!あん!あん!これ以上、深く入れないでぇ~んあ!逆チキータ!!」


 コスプレイーヤはお尻に刺さったアマルルのしっぽにより、驚異的な身体能力を発揮する!


 ズバ――ン!!


 その後もしっぽで繋がった元四天王ペアが文字通り一心同体の攻撃でイク達を圧倒した!


「ふん!おお!ほお!むう!はぁ!なんと!」


 マーサは激闘のラリーでどんどんはだける浴衣を、すごい勢いで首を振りながら全部逃さず凝視する!


「ゲームセット!ウォンバイ……元四天王ペア!」


 第一ゲーム!元四天王ペアの勝利!


「負けた……」


 四つん這いになって悔しがるイク。


「やったわ!!」


 ガッツポーズを見せつけるアマルル!


「……もう!馴染んじゃったじゃない!!」


 お尻を押さるコスプレイーヤ!


 ドーピングの副作用か(?)顔が高揚しているぞ!


「もう!次よ!次!」


 持っていたラケットを床に叩きつけながら子供のように叫ぶアヤカ。


 「……首を痛めた」


 首を押さえるマーサにアヤカは「……アホ」とだけつぶやいた。


 【二本目 サウナ対決】


「まさかサウナ対決とはね!勝ったわ!」


 サウナ室の上段で水着姿のアヤカが仁王立ちで勝利宣言をする。


「アヤカは炎を刀にまとって戦う魔法剣士なのだ!熱さには強いぞ!」


 二段目でマーサと横並びで座るイクが誇らしげに語る。浴衣から見えるおっぷにが汗ばむ。


「それは、心強い!」


 腰にタオルを巻いただけのマーサ。三人は汗だくになりながらも暑さに耐える!


「私は暑いの苦手……」


 アマルルはすでにぐったりしている。


「私も……」


 体育座りのコスプレイーヤも余裕がない。


 対するこちらはサウナ室の床に座り、すでに限界をむかえていた。


 サウナとは己との戦い!


 我慢というには生ぬるい!


 限界を超えた自分に会うために!


 『ととのう』とは『心頭滅却の如し』

 その道は、武道に通ずる!


「ハ――ッハッハ!剣の道は修羅の道!私に通れぬ道はなぁ――い!!」


 バタァ――ン!!


 仁王門立ちをしたままアヤカがぶっ倒れた!!


「あうぅ~」


 浴衣をはだけながらアヤカが倒れる。


「アヤカ――!!」


 イクがかけよる。


「当たり前だろ。サウナは上段が一番暑いんだ。そんなとこで仁王門で高笑いするバカがどこにいる」


 アマルルが倒れたアヤカを見上げる。


 蒸気の熱は上に集まる!常識だった!


「途中で場所変えるのは失格になるよ~」


 コスプレイーヤがマーサ達にあっかんべーをする。


「くっ!計られた!」


 二段目に座るマーサが汗ばむ。


「まずい!私もそろそろ限界だ!!」


 尋常ではない汗がイクの肌をつたう!


「とどめよ!やぁ!」


 アマルルは自分の汗をサウナストーンにかけた!たちまち水蒸気が立ち上がる『ロウリュウ』だ!


「ああ!もうダメ~」


 だが、先に脱落したのはコスプレイーヤだ!


「もう!なにやってんのよ!」


 アマルルは隣で倒れたコスプレイーヤのお尻をペシッ!っと叩いた。


「まずい!なんとか熱を逃がさないと!」


 マーサの頭から尋常ではない湯気が立ち上る!

 

「マーサ殿……私、もうムリかも……」


 イクの浴衣がはだけて汗だくのおっぷにがあらわになる。


「こ、これだ!イク……ごにょごにょ」


 マーサがイクに耳打ちをした。


「え!?し、しかし……くっ!勝つためには……仕方ないか!」


 イクが顔を赤らめながら目をつむる。


「なにをごちゃごちゃ言ってる!ほれ!ほれ!」


 アマルルは自分の汗をどんどんサウナストーンで『ロウリュウ』させる!


「もう、ダメ……」


 イクがマーサの足の間に倒れ込んだ!


 イク、ダウン!


「残るはお前か!」


 アマルルはマーサを見上げる。


「ふっ!余裕だぜ!」


 マーサは仁王立ちで清々しいほどの笑顔をアマルルに向けた!


「なっ!汗もかいてないだと!どういうことだ!」


 汗だくのアマルルがマーサを睨み付ける。


ととのったり!!」


 サウナ室にいながら『整ったり!!』と豪語するマーサ!


 実は、イクのはだけた浴衣を見て目を覚ましたマーサのバナンポに熱を集め、イクが目に見えないほどのスピードで(イクのスキル『居合』)手でコキコキすることで、バナンポジュースと一緒に熱を外に放出していた!


「もう……だめぇ~」


 余裕の表情を見せるマーサを見て頭に血が上ったアマルルは限界を迎えた!


 勝者!マーサ!


「すごいマーサ!見直したわ!」


 水風呂で回復したアヤカが寄ってくる。


「えへへ~」


 テレるマーサ。


「あんた暑いの苦手って言ってたけど、どうやって勝ったの?」


「え!?いや~、えへへ~」


 マーサは挙動不審な素振りをしながらイクの方を向いた。


「…………ゴクン」


 自分がダウンする時に倒れるフリをしてマーサのバナンポジュースを口に隠したイクが、こっそりとそれを飲み込む。


「…………」


 イクと無言で見つめ合うマーサ!


 口元を押さえるイク。


 さすがに言えるわけがなかった!


 【最終戦 人生ゲーム】


「人生ゲーム?」


 アヤカが手に持ったサイコロを不思議そうに眺める。


「サイコロを振って、出た目の数だけ進んで先にゴールした人が優勝な単純なゲームだよ」


 マーサがサイコロを振ってみせる。


「さぁ!これで勝負が決まるよ!振った振った!」


 女将が急かす。


 イクはサイコロを手に取る。


「よし!私から!えぃ!……3!えっと……『好きな人の名前を言う』……」


 進んだマスに書きてある『お題』をクリアしないと失格た!


「……マーサ殿」


 イクはボソッとつぶやいた。


「……えっ」


 マーサな頬がポッと赤くなる。


 アヤカはイクのサイコロを奪い取る。


「なにラブラブしてんのよ――!!次、私!えい!3!!……『好きな人の名前を言う』」


 アヤカがボソッとつぶやく。


「……お姉ぇ」


「……えっ」


 イクの頬がポッと赤くなる。


 コスプレイーヤがサイコロを手にする。


「青春ごっこしてんじゃないわよ!次は私!えい!……6!『水着で縄跳び』なによ!このグラビアアイドルみたいな『お題』は!」


 文句を言いながらも水着に着替え、素直に縄跳びをするコスプレイーヤ。


 ぴょんぴょんぴょん……。


 コスプレイーヤはトモミン並みにちっぱいなので縄跳びしてもおっぷには揺れない!期待外れだった!


 マーサは「……グラビアアイドル?」と言いながら首をかしげる。


「うるさいわね!次はあんたよ!早くサイコロ振りなさいよ!」


 コスプレイーヤはマーサにサイコロを投げつける。


「な~にが出るかな!な~にが出るかな!そりゃ!……5!『下半身丸出し』……」


 マーサは黙ってバナンポを出した。


 アヤカが「へ、変態!」と叫ぶ。


「アヤカ、変態はマーサ殿にとっては褒め言葉だぞ!」


 イクがアヤカの頭をポンポンと叩く。


「……イク、なにか勘違いしてない?」


 下半身丸出しのマーサが説得力のない言い訳をする。


 しかし、あながち間違いでもない!


「やっと!私の番!てぃ!……5!『下半身丸出し』……!!?」


 アマルルは無言で脱いだ。


 ……。

 

 ……。


 ……。


 気の毒で誰にもツッコめない!それはそれで恥ずかしかった!


 イクがサイコロを手に取る。


「よし!二順目だ!はぁ――!3!『水着で縄跳び』……」


 コスプレイーヤに追い付いた!


「……飛びます」


 ぴょん……ぷるんぷるん!……ぴょん……ぷるんぷるん!


「これこれこれ――!!」


 マーサのガッツポーズ!


「うるさいわね……」


 コスプレイーヤはマーサを睨み付ける。


「もう!お姉ぇに変な目を向けるんじゃないわよ!」


 アヤカがサイコロを手にする。


「次は、私ぁ――!!4!……『異性に膝枕させてもらう』はぁ~?こ、こいつ今、下半身丸出し……」


 マーサのバナンポはイクの『水着で縄跳び』を見て臨戦態勢に入っている!


「ん?やらないのか?負けでいいのか?」


 コスプレイーヤがアヤカの頭を覗き込む。


「や、やるわよ!」



アヤカは正座したマーサの膝の上に寝転ぶ。


「んっ!これ邪魔!ゴロゴロ……ああ!もう!当たる!!」


 マーサの膝の真ん中にそそりたつ棒に悪戦苦闘している。


「……むぅ」


 それを羨ましそうにイクは見ていた。


「さっさとこんなゲームクリアするわよ!てぃ!…6!『上の服を一枚脱ぐ』え!?私、今、水着で……」


 コスプレイーヤが動揺する。


「へへ~ん」


 マーサの膝の上で頬で邪魔な棒を押し返していたアヤカが、コスプレイーヤに悪戯な視線を送る。


「ぬ、脱げばいいんでしょ!」


 コスプレイーヤは勢いよく水着をたくしあげた!


「ばか!反応してんじゃないわよ!」


 アヤカの頬をマーサのバナンポがグイグイ押し返す!


「あ、俺の番だ……」


 マーサがサイコロを振る。


「コロコロ…2!『左隣の人に『耳掻き』をしてあげる』……イクだ」


「私か!やった!」


 イクは急いでマーサの膝に寝転ぶ!


「ちょっとお姉ぇ!狭い!」


 マーサの膝の上でバナンポを挟んで姉妹が寝転ぶ!


「仕方ないだろ!マーサの左隣は私だ!んっ!」


「もう!んっ!お姉ぇの頑固!れろ……」


「んっ!ちゅ!頑固はお前だろ――!」


 マーサのバナンポに二人でキスをする形でケンカがは始まった!


「あっ!二人とも!そんな!」


 悶えるマーサ!


「んっ!だいたいお前は!ちゅ!んっ!いつも……んっ!」


 イクがバナンポ越しにアヤカを説教する。


「ちゅ!そういう……んっ!お姉ぇだって!ちゅ!んっ!んっ!」


 しゃべる度にマーサのバナンポから唾液が飛び散る。


「あ……出る!」


 ぴゅっぴゅ――!!


 まるで噴水のようにマーサのバナンポジュースが二人にふりそそぐ!不可抗力!まさに不可抗力!


「ぎゃ――!!!!」


 白い液まみれになるアヤカ。


「……あたたかい」


 イクはなぜか嬉しそうだ。


「だ、大丈夫?」


 慌てて二人にタオルを渡す。


「……飲んでしまいました」


 イクが答える。


「……ありがとう」


 マーサがお礼を言う。


「何のお礼よ!!」


 アヤカがツッコむ。


 いつの間にかマーサのツッコミ担当になる『豪剣』のアヤカ。


「はい、耳掻き出来なかったから、男と女剣士、失格ね」


 コスプレイーヤは言った。


「あっ……」


 マーサはハッとした!


「なっ!!」


 顔についたバナンポジュースを手に取り舐めていたイクがハッとする!


 アヤカは「もう!なにやってんのよ~もぉ~」と言いながらイクにチョップをしながらタオルを渡す。


「すまぬ」


 本当に何をやっているのだろう……。温泉で浮かれていた自分に反省する剣聖イク。


 残るはアヤカと元四天王の三人!


「え、えぃ!」


 アマルルは下半身丸出しで恥ずかしそうにしながらサイコロを振る。


「5!『ブリッジしてヘソで茶を沸かす』……」


「え、え――い!」


 アマルルは下半身丸出しのまま見事なブリッジを決めて見せた!


「おお!」


 見事な『全裸ブリッジ』にアホ(マーサ)が騒ぐ!


「アマルル!置くね!がんばれ!」


 コスプレイーヤがアマルルのヘソにヤカンを置く!


 さぁ!!お茶を沸かすことができるか!!?


 できないのか――!?


「…………ギブアップ」


 アマルルが撃沈した。


「アマルルぅ――!!!!」


 コスプレイーヤがアマルルに駆け寄る。


 アヤカがサイコロを手に取り立ち上がる。


「これで!一対一!勝負よ!やぁ!…6!『全裸になって、ヘソで茶を沸かす』」


「…………」


 アヤカは言葉を失った。


「はっはっは!勝ったわ!」


 コスプレイーヤの高笑い。


「………まだよ!」


 アヤカは全裸になり、横になるとヘソの上にヤカンを置いた。


「はぁ――!!」


 みるみるヤカンが沸騰する!!


「ま、まさか!?」


 コスプレイーヤの目が丸くなる。


「見たか!炎属性を得意とするアヤカにとってはこんなの朝飯前だ!」


 さっきまでケンカしていたが、仲のいい姉妹だ!


「ふん……まだゲームは終わらないわ!……4!『好きな人の名前を言う』」


 コスプレイーヤが駒を進める。


 アマルルは「やった!簡単のだ!ラッキー!」と言って喜ぶ。


 コスプレイーヤ「……『魔王様』さっ、あなたの番よ!」とサイコロをアヤカに渡す。


「ちょっと待った――!!」


 女将が叫ぶ!


「この『破滅のドラゴン』の目は誤魔化せないわ!コスプレイーヤ……あなた、好きな人、別にいるわね!」


 コスプレイーヤを指差す!


「え!?俺!?」


 マーサが自分を指差す。


「ち、違うわ!ボケ!!もう……勇者ユキノよ……」


 コスプレイーヤは恥ずかしそうに答えた。


 女体盛りの一件から、コスプレイーヤはユキノラブだった!


「そ、そんな……」


 ガッカリと肩を落とすアマルル。


「勝った……のか!?」


 イクがつぶやく。


「勝者!アヤカ!!そして客人チームの優勝だ!」


 女将がマーサ達に軍配を上げた!


「マーサ殿やりました!」


「やったな!イク!」


 手を取り合って喜ぶ二人。


「何よお姉ぇ……あんなに喜んじゃって……お似合いじゃない……」


 嬉しそうな姉を見て、複雑な気持ちになる。


「ほら!アヤカも!」


 マーサがアヤカの手を引く。


 三人で輪になって回りだし喜びを分かち合う!


「マーサ殿、アヤカ、ありがとう!」


 イクが喜ぶ。


「……いいよ」

 

 アヤカがつぶやく。


「……え?」


 マーサが聞き直す。


「お姉ぇと……結婚してもいいよ」


「あ、アヤカ!何を……!?」


 輪になって回りすぎて浴衣からイクのおっぷにがこぼれ落ちる!


「あ!お宝発見!ふにゅ~」


 回転の遠心力でイクのおっぷにの谷間にマーサの顔が埋まる!


「ああ~ん!ダメ~!!」


 イクはおっぷにでマーサの顔を挟みながら叫んだ!


「やっぱ、結婚ダメ~!!」


 アヤカがマーサをイクから引き剥がす!


 一瞬で勝利を台無しにするマーサだった!


 ⇒⇒『イクちゃん……アヤカちゃん……マーサ……ナイスファイト↑↑↑』⇒⇒


 マーサの母親のコメントでネット内でも祝宴が始まった!


 ⇒⇒『勝った!!すごいぞ!!』⇒⇒


 ⇒⇒『うぉ――!!最後、切ない!!』⇒


 ⇒⇒⇒『温泉三番勝負……伝説の戦いになったお』⇒⇒


 ⇒『アヤちんラブ……トモミンの次に嫁!』⇒⇒


 ⇒⇒『漫画やアニメで必ず温泉シーンあるけど、湯気で何も見えないし、何より恥じらいがないからあまり好きじゃなかったのよね~。服は脱がす時の、恥じらう表現が一番ドキドキするのよ!やっぱり、浴衣がはだけて火照るイクちゃんに一番ドキドキしたわ!↑↑↑』


 ⇒⇒『お母様!その通りです!オラもそう思ってました!』⇒⇒


 ⇒⇒『そうだね~必ずある温泉シーンいらないね~』⇒⇒


 ⇒⇒『そうだね!やった!温泉シーン!って最初は思うけど、感動は少ないかな……』⇒⇒


 ⇒⇒『温泉で裸出しときゃ喜ぶだろっていう甘い作者の考えに、ワシはまんまとハマります↓』⇒⇒


 ⇒⇒『お母様に『いいね!』』⇒⇒


 ⇒⇒『イクちゃんの恥じらう表現……ご馳走さまです!『いいね!』』⇒⇒


 マーサの母親のコメントが謎の『温泉シーン論争』に発展し『いいね!』のビッグウェーブが押し寄せた!


 これは『いいね!』争いに終止符か!?


 <イク◯◯◯万いいね!獲得>


 <次回、ラストは『勇者ユキノ』登場!>


 <つづく!>

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