「……飲みたかったの」『女神の指輪は誰の手に』
【魔王城 城門前】
チュンチュン……クチュン!!
ついに、魔王城まで辿り着いた勇者一行は城門前でキャンプをしていた。
「ん……んん……んあ」
なにやら布団がもぞもぞしている!今日も勇者ユキノがおはようアサイン(朝、必ず飲むと決めた勇者のルーティーン)しに来ていた!
「んっ……んっ……んっ……んん?」
ユキノは口に違和感を感じる。
「プハッ!……ま、マーサ!どうしたのこれ?お洒落?」
布団から顔を出すと、寝た振りをしているマーサに喋りかける。
「……え!?ゆ、ユキノ~!?また勝手に布団の中に入ってたのかぁ~!?」
わざとらしく起きたふりをするマーサ。
「そんなのいいから、どうしたの、これ?」
ユキノがマーサのバナンポを指差す。
マーサのバナンポの根元に綺麗な指輪が挟まっていた。
「……なんじゃこりゃ――!!!!」
当然、身に覚えがない。
「外してみようか……えい!」
「いてててて――!!やめて!!無理にひっぱらないで!!」
おはようアサインの途中なのでマーサのバナンポはMAXサイズで抜けそうにない!
「ん~やっぱり、大きいままだと抜けないか……出すか……」
そういうと、ユキノはアサインの続きをした。
「んっ……んっ……ん――っ!!」
「あ……出そう!ユキノ!口、離して!!」
ドクッ!!
「ん――!!苦っ――!!」
朝からたくさんのバナンポジュースを飲み干す。
「だ、大丈夫?」
「……ふぅ、ごめんね。顔にかけたかった?」
口元をペロッとして悪戯な顔を見せる。
「え!?い、いや……」
そのかわいい顔にドキッとする。
「……飲みたかったの」
少し照れた顔を見せながら、ユキノは言った。
「あ……」
「また……おっきくなっちゃったね……」
勇者ユキノに悪気はない。男を虜にする仕草も勇者級なのだ!これは仕方ない!仕方ないぞ!マーサ!
「では、おかわりを……ぱくっ」
ユキノはまたマーサのバナンポを咥えた……。
ビュルル~!
「ふぅ……ありがとう……あ、取れた」
二度目の幸福感のあと、バナンポから指輪が落ちる。
「……やっぱり、かけたかったの?」
ユキノの顔がバナンポジュースでベトベトだ!
「あはは……はは」
笑って誤魔化すマーサ。かけられるものなら、かけたい!それが、男ってもんだ!
「わ――!綺麗!!すごい光輝いてる!!ねぇ!つけてもいい?」
指輪の宝石部分が七色の光を放っていた。
「俺のじゃないし、いいよ」
自分のバナンポにつけてた指輪を……ユキノの指に……変な気分になった!
「あ、あれ?左手の薬指にピッタリはまった……なんで?」
リングのサイズがユキノの左手薬指のサイズに変化した。と、同時に……。
「うわぁぁぁ!!すごい力が溢れる!!すごい魔力補助の指輪だよ!すごい!すごい!」
よっぽどすごいのか、ユキノは『すごい!』を連発している。
「あ、ここに手紙が落ちてるよ」
ふと、手紙を見つける。
「どれとれ……」
マーサは手紙を読んだ。
手紙にはこう記されていた。
『ん~、はい!!女神フレイヤです!!びっくりだね!!あんたにプレゼントよ!!やったね!!あんたのそこ、あなた達が『バナンポ』って呼んでるそこ!バナンポだって!バカみたい!恥ずかしくないの?ま、い~や!そのマーサのバナンポ、魔力がスッゴい流れてるから(バカだからか!?)指輪はめて魔力貯めな!(要するに、おっきくしな!)たぶん、一回出せばすごい魔力貯まるから!(あんたは力が抜けるけどね!へへっ!)その指輪を彼女達にハメると(いろんな意味で!へへっ!)すごい力を発揮するから!!使ったら、元に戻すこと!!(あんたのそのバナンポにね!バナンポだって!バカみたい!(二度目!))いいわね!!じゃ、眠いから寝ま――す!!お休み――!!ぐぅ――!!寝るの、早いんかぁ~い!(寝言)……ってか、寝ながら手紙書けるかぁ~い!(寝言)こちとら徹夜だバカヤロ――……ムニャムニャ』
「すごい!!女神様からの手紙とは!!」
手紙を手に取り、興奮するユキノ。
「えっと……どういうこと?」
「指輪をマーサのバナンポにはめて、マーサがバナンポジュースを出すと指輪に魔力が貯まる。それを私達の指にはめて私達は魔力大幅アップ!!使い終わったらまたマーサのバナンポに戻す。繰り返し……だね!!」
「なるほど~、じゃね――よ!!あの女神、なんてもの作ってんだ!!」
「私はいいと思うよ!!どうせ出すし!!」
ユキノは人差し指と親指で輪っかを作り、上下に動かしながら「また出す?」とマーサに微笑む。
「……まぁ、出すけど……」
もちろん否定はしなかった!!
【魔王城 城門前】
「――と、いうことだ!!」
ユキノがみんなに事の経緯を説明した。
「……変態」
レキがマーサに軽蔑の眼差し!!
「いや、俺は被害者だって!!」
「しかし、綺麗な指輪ですね!ユキノ様!」
「綺麗でっす!」
イクとトモミンはユキノの指にはめられた指輪を羨ましそうに眺めている。
「力も沸いてくるぞ!」
ユキノは誇らしげに言う。
「あ――!!城門の上からからドラゴンが飛行して来た――!!」
レキが城門を指差す!
「ちょうどいい!!指輪の力試させてもらう!勇者来迎!!」
勇者の額の『紋』と指輪が共鳴する!
「この力は……」
ユキノは神話級の防具『セーラー水着メイドアーマー』を身につけた!
セーラー水着メイドアーマーとは!上はセーラー服、下はスクール水着、頭にメイドカチューシャという神話級の組み合わせなのだ!
「まさか、これほどの力が沸くとは!いくぞ――!百・花・繚・乱!!」
『グァァァァ――!!!!』
ドラゴンは粉々に切り刻まれた!
「す……すごい力でっす!!」
トモミンはぴょんぴょん飛び跳ねて喜ぶ。
「ユキノ様!指輪の光が消えてます!」
「そうか、力が使えるのは一回だけか……」
ユキノはそういうと、指輪を外して、マーサのズボンとパンツを脱がし、マーサのバナンポに指輪を差し込む。
「あう!恥ずかしい……」
すぐにパンツとズボンを直す。
続いて左の坑道からトロルの大群が押し寄せる!
『グルルゥゥ――!!』
「わ、私も試したい!!」
レキはすぐさまマーサのズボンとパンツを脱がす。
「れ、レキ!ちょっと!」
さすがに恥ずかしい!!
「早く出してね!」
コシコシ……コシコシ……。
レキはマーサのバナンポを手でコシコシし始める。
※レキの手技はソフトタッチですが、常人には見えないスピードで動きます。
……マーサのバナンポはレキの手の残像で見えない!スキル『年齢制限』は発動を見送った!
「よ~し!マーサが出すまで私達で足止めだ――!!」
「はいでっす!!」
「マーサ殿!次は私ですからね!!」
三人はトロルに向かっていった!
「早く!……コシコシコシ……出してよ!」
「レキ、もうちょっと優しく……イヤらしい言葉くれないと出ないよ……」
マーサは何気に雰囲気を大事にする男だった!
「はぁ――?も、もう!仕方ないわね!……マーサの大きいの……コシコシコシ……私の顔に……熱いのかけて!!」
※声だけだからセーフか!?スキル『年齢制限』は困惑している!
「れ、レキ――!!あぁ――!!」
瞬殺だった!
ビュルル~!!ビャッ!ビャッ!
「ば、バカ!!ほんとに顔にかけてどうするのよ―!!……もう!!」
いっぱい……顔に、かかった。が、指輪は光輝いた!
「あ、指輪!はめてみよ……んぁ――!!すごい魔力が溢れる!!」
指輪をはめたレキの身体に電流が流れたような感覚が襲う!
【一方、ユキノ達】
「ダメだ!皮膚が固い!!」
ガキン!
ユキノの両刀がトロルの固い肌に弾かれる!?
「本当に!このトロル達、全員、岩のように固いです!」
イクの聖剣でもトロルの固い肌を切り裂くことができない!
「あわわ!あわわ!ピンチでっす!」
トモミンがあわあわしている。
苦戦する三人の元へレキが駆けつける!
「みんな!!お待たせ!!あとは私に任せて!!」
仲間を庇うようにトロルの大群の前に立ちはだかる。
「許さない……たとえこの拳が砕け散ろうとも……あんただけは……絶対、許さない!!」
レキの指輪が七色の光を放つ!
「こんにゃろ!破岩拳!!!」
『グワァァァ――!!!!』
トロル達はまるで岩が崩れるように粉々になった!!
「レキ様すごいです!!」
「レキすごい!!」
「すごいのは、この指輪よ……」
光を失った指輪を外す。
「レキ殿!わ、私もいいかな!!」
イクはレキから指輪を受けとる。
「お、お~い!みんな――!!」
マーサがやっと駆けつけた。
「マーサ殿!ごめん!!」
そういうと、イクはマーサのズボンとパンツを両手でずり降ろし、口に咥えた指輪をそのままバナンポに装着する。
「ま、また!!」
「んっ!んっ!んっ…」
イクは人目も気にせずマーサのバナンポを咥え始めた。
「それにしても、レキ……ベトベトよ……」
「え!?あ!きゃ――!!見ないで――!!」
レキの顔はマーサから出たバナンポジュースまみれだった!
「任せてください!!」
そういうと、取り出したハンカチでレキの顔を優しく拭いた。
「ありがとうトモミン……はぁ~情けない……」
ため息をつきながらもマーサの匂いに幸せを感じるレキであった……。
「そうそう!おっぷにも使って、上目遣いで、時折玉も触りながら、ヨダレで音を立てて、おいしいおいしい言いながらしてね!」
マーサはここぞとばかりに言いたい放題だ!!
スキル『年齢制限』は目が覚めた!
「わかった!んっ!んっ!おっぷにで……はさみながら……『ピピ――!!』!たまも触って……『ピピ――!!』ヨダレ……じゅるじゅる……『ピピ――!!』はぁん、おいしい~マーサ殿の『ピピ――!!』おいしい~」
がんばれ!スキル『年齢制限』!!
「はい!無理――!!」
ドピュ――!!
「んはっ!!にがっ!……あぅ~ベトベト~あ!指輪光った!!」
イクは嬉しそうに指輪をはめると聖剣ゼックスカリパを手にした。
「こ、この力は――!!聖剣ゼックスカリパに切れぬものはないぞ!!」
『んぁ――!!!!』
聖剣ゼックスカリパも最高潮だ!
「くらえ!奥義『ライトニングゼックスカリパ――』!!」
スガガガガ――ン!!!!
イクの放った剣からの衝撃波で城門は真っ二つに割れた!!
「城門が開いた!!いくぞ!!みんな――!」
ユキノがかけ声とともに走り出す!
「お――!!」
イクとレキも続いて走り出す!
「トモミン~」
何回も果てて、マーサは限界だ!!
「はい!ご主人様!休憩しましょうね!!」
そういうと、トモミンは手作りの小さなマスクをそっとマーサのバナンポに装着した。
「……トモミン、これは?」
「バナンポ(本物)用の保存袋です」
「……そう」
人知れず覆面バナンポが誕生した瞬間だった!
【魔王城】
「魔王――さまぁ――!!」
伝令が慌てて魔王に駆け寄る。
「なんだ!うるさいのぉ!」
「城門が……真っ二つに割れました――!!」
「ええええ――――!!!!」
魔王の目が、かつてないほど飛び出たという……。
「来たわね……」
魔王軍策略部隊長粘液スライムローショーンは身体を少しずつ液体にしながら、静かに姿を消した……。
<つづく!>