「――を流し込んで――!!」『揺れる女心と伝説の剣技』
「わ~い!バナンポ(本物)!バナンポ――(本物)!」
トモミンは森いっぱいに生えたバナンポに大はしゃぎだ。
『倫絶の森』の奥地まで進んだ勇者一行は辺り一帯に生えた野生バナンポに囲まれていた。
※『バナンポ(本物)』とは今さらですがバナナのような果物です。よく登場する『マーサのバナンポ』の方が偽物です……。
「いや……この数、おかしくないか?」
イクは一面のバナンポを怪しむ。
魔力が回復するバナンポ(本物)は実はけっこう貴重で、本来はエルフの里近辺でしか取ることができない。
「いただきま~す。パクっ!ん?んんん?んんん――!?」
トモミンがバナンポを食べようとすると、突然、口の中のバナンポが振動する!
すると、無数のバナンポが木から飛び立ち、襲いかかってきた!!
「なんだ――!?あ!……振動が……お尻に……」
ユキノのシッポに無数の振動するバナンポがくっついた。
「きゃ――!何よ!揺れるぅ~!」
レキのおっぷにに挟まれたバナンポが激しく揺れる!レキのおっぷにも激しく揺れる!
「いや!や、やめて――!!」
イクのスカートの中に無数のバナンポが飛び込む!イクの縞々がチラチラ見え隠れする!
「うわ――!!……あ、あれ?」
なぜかバナンポはマーサには一本も襲いかからない!
「ふぉふぉふぉ、ワシが開発した『魔バナンポ』は男には襲いかからんよ」
年老いた魔術師の姿をした魔王軍参謀、バイブンが現れた!
「きさまは……もしや魔王軍の四天王!!?」
スカートを必死に押さえながら叫ぶ!
「なに……!?資料によると、四天王最強だけど人気がないのを気にしているという……魔王軍参謀バイブン!?」
ユキノは揺れるしっぽを押さえながら核心をつく。
「うるさい!気にしてるのに!何の資料じゃよ!え~い、大人しく捕まるがよい!勇者ども!」
バイブンが両手を上げるとさらに大量の魔バナンポが勇者一行を取り囲んだ!!
無数の魔バナンポが勇者一行を襲いだした!
「んぐっ!ん!………はぁ~」
トモミンは魔バナンポを口にしながら、なぜか冷めた目でバイブンを睨み付ける。
「くっ!!!…………ふぅ~」
イクはスカートを押さえながらも聖剣ゼクスカリパに手を添え、ため息をつく。
「あ!あ!…………はぁ~……違う」
レキはおっぷにに挟まれた魔バナンポを握りつぶす。
「み、みんな……?」
妙な気迫が3人を包み込み、怯えるマーサ。
「ご主人様のバナンポに比べれば、こんな物は……ただの暴れん棒でっす!」
ガブッ!!
トモミンは魔バナンポを次々に食いちぎる!
「そうだ!マーサ殿のバナンポに比べれば、こんなの粗バナンポだ!『みだれ雪月花』ハァ――!!」
シャキシャキ……シャキ――ン!!!
イクは無数の魔バナンポを切り刻む!
「悔しいけどその通りだわ!マーサに比べたらこんなバナンポ、全然、物足りないわ!『豪拳連打掌』!!やぁ!!」
バキッ!!バッキバキ!!
レキは次々にバナンポを握り潰す!
みんな毎日マーサのバナンポの相手をしているので『バナンポ慣れ』していた!それ故、マーサのバナンポより、固さ、大きさ、温かさの劣る魔バナンポに苛立ちさえ覚えたのだ!
「……みんな」
マーサは、みんなの言葉に感動して涙する。
ブルル………ブルルルル……!
「あああ……これは、これで……いい!」
振動する魔バナンポを全身に浴びながら、勇者ユキノは「これは、これで……」と悶えていた。
『…………』
彼女達は勇者ユキノの自由な行動に呆気をとられる。
「ユキノ!遊びは終わりだ!」
マーサはユキノの中にマーサのバナンポ(偽物の方)を無理やり押し入れる!
※これは『目を覚ませー!』的な表現のため、スキル『年齢制限』は発動しない!
「かはっ!!……ああ……やっぱり、本物は違うわね……」
※実際はマーサの方が偽物です……。
ユキノは突かれたショックで目を見開きながら両脇の刀を握った。
「勇者!来迎!百花繚乱!はぁ――!!」
ユキノの額の『勇者紋』が輝くと同時に伝説の勇者装備『セーラービキニアーマー』に変身する!
ズババババ――!!!!
すべての魔バナンポはユキノの手によって断ち切られた!
勇者ユキノは両刀を鞘に納めながら、魔王軍団長バイブンの前に立ち、背を向けると、セーラービキニの上半身を脱ぎ、バイブンに言い放つ。
「私の名前は勇者ユキノ。『勝利』を約束された者」
「さすが!ユキノ様!」
イクはユキノの勇姿に惚れ惚れした!
「すごい!セーラー服バージョン!」
トモミンがユキノの新しい勇者装備に目を輝かせる!
「なんで上半身裸になったのかしら」
レキが疑問に思う!
たぶん意味はないぞ!
伝説の勇者装備はユキノの創造力が具現化する!ゆえに気分が乗っている時の方が力を発揮するのだ!
「ぎゃ――!俺のバナンポ(偽物)もちょっと切れたぁ~」
股間を両手で抑え、飛び回るマーサ。
「あんた、なにやってんのよ……」
イクが冷ややかな目でマーサを見る。
「任せて!ご主人様!トモミントルネード!」
トモミンは即時にマーサのバナンポを咥えながら治療する。
※これは治療行為のため、スキル『年齢制限』はギリギリ発動しない!人工呼吸みたいなものだ!
「そ、そんな……ワシの『魔バナンポ』が……」
まるで電池が切れたかのように膝をつくバイブン。
「発想はよかったが、足りないのは魔バナンポに頼った『弱さ』だな!」
仁王立ちでトモミンに治療されながら、マーサはファイアーストームを放った!!
「ぐわぁぁ――!!魔バナンポを研究するあまり、自分自身で戦うことを諦めた事がワシの敗因かぁぁ……ぁぁ……」
バイブンは真面目に魔道を貫き、若くして魔王軍団長となったがゆえに、遊びを知ったのは年をとってからだった……。
道具に頼りすぎた、老人の悲しき敗北であった。
「さすがマーサ!魔王軍の四天王を一撃とは!でね……その……」
ユキノがモジモジしながら駆け寄る!
「うむ!見事だ!マーサ殿!で……あの……」
イクもソワソワしながらマーサに近寄る。
「それは、そうと……マーサ……あのね……」
レキはクネクネしている!
魔バナンポに中途半端に刺激され、みんな我慢の限界だった!一度高級なお肉を味わうと、安い肉では満たされない……そんな感じだ!(どんな感じ?)
「中途半端は嫌だ――!」
ユキノはしっぽをモジモジ触りながら、マーサにおねだりをする。
「……実は、私もです」
スカートの中から汗(?)が一滴、太ももを伝って垂れる。
「ぷはっ!ご主人様!治療終わりました!」
トモミンの口からゆっくり姿を現したマーサのバナンポは完全回復して心なしか光輝いていて見えた。
「え!?いつもより……大きい!?」
レキがマーサの光輝くバナンポに目を奪われる。
トモミンの『トモミントルネード』は体力が完全回復するだけでなく、ステータス上昇の特殊効果が付与さるぞ!すごいぞ!
四人はそっとマーサに寄り添う。
「異世界……最高!」
両手の『紋』が七色に輝く!
イクの背中に帯刀されている聖剣ゼクスは光輝くマーサに驚く。
『あ、あれは!伝説の剣技『秘奥義◯イパーン』!?』
マーサの背後に光輝く四本のバナンポが現れ、ユキノ、イク、レキ、トモミンをあたたかい光と共に包み込む!
スキル『年齢制限』発動!しかし、光が眩しく何も見えない!だから、ま、いっか!
光に包まれたユキノが声を上げる。
「え――!!?そんなとこを同時に……!!?」
同じく全裸にされたが光で大事なところが隠れたイクが恍惚の表情を見せる。
「ああ――!!本物は……全然違う……!!」
光に包まれたレキは穏やかな表情をしている。
「はぁ――!!……不思議と落ち着く」
光から飛び出し、ちっぱいが丸見えのトモミンが叫ぶ。
「やぁ――!!ご主人様、すごすぎます……」
「いくぞ!限界突破だ――!!!!」
マーサの光がさらに強まる!
彼女達は心の奥から普段は恥ずかしくて言えないエッチな言葉を叫んだ!
『あはぁ――ん!!?『絶対『年齢制限』引っかかる言葉~!!!!』を流し込んで――!!』
聖剣ゼックスカリパの興奮が最高潮に達した時、マーサが放つ光の剣(?)によって倫絶の森は跡形もなく消し飛び、あとには草木が一本も生えてない荒野が残ったという……。
勇者ユキノは裸で重なりあう彼女達の上で、ゆっくり体を起こすとマーサに向かってつぶやく。
「私の名前は勇者ユキノ。女神様……『敗北』って気持ちいいね」
ユキノは幸せそうな顔をしながら再び意識を失った――。
【魔王城】
「魔王様!報告します!魔王軍参謀バイブン様が討たれました!」
魔王軍伝令が跪き、恐る恐る魔王へ報告をする。
「ああ……見ておった……そのあとも、すごかったぞ……」
魔王は不思議とご機嫌だ。
「は、はぁ?」
魔王軍伝令は理解できずに返事をした。
【王都ハラミサガリ『ユッケジャンクッパ城』】
「報告します!西の『倫絶の森』が一夜にして荒野となりました!魔王軍の仕業でしょうか!?」
騎士団伝令は国王シャトーブリアンに恐る恐る報告した。
「知っておる。昨日は……寝れんかったよ……」
王は自慢の髭をさすりながら、ニヤニヤしていた。
「は、はぁ?」
騎士団伝令は戸惑った。
【天界】
「……地図を変えるほどの威力……バカまるだしね」
ひぃ……ふぅ……みぃ……と『有利チャンネル』と『無修正メガネ』で儲けたお金を数えながら呆れる女神フレイヤであった。
『倫絶の森』は、その後勇者一行が魔王軍四天王を倒したことが知れ渡り、いつしか『◯イパーン平野』と呼ばれるようになり、民の人気の観光スポットになったとか、ならなかったとか……。
「借金……だいぶ減ったわね……」
女神フレイヤはお金を数え終わった。
<マーサの借金、残り▲191910000ノーエッチ>