「もう一回、ぴゅっぴゅっする?」50万字【完結】『戴冠式』
『戴冠式』
城には関係各所の要人が出席し厳粛な雰囲気で式典が開催されていた。
王座から立ち上がったシャトーブリアン王はマーサの前まで歩き、小言を言う。
「マーサよ……ちょっと出かけたと思ったら、隣国で女学生になって、フラッと魔界とか行かないでくれる?意味わからんから」
「なんか、ごめん」
大観衆の前で軽く謝るマーサ。
「まぁ、これからは王様としてハラミサガリ王国の発展に尽力してくれ。それでは第21回ハラミサガリ王国戴冠式を始める!」
トランペットが鳴り響く!
パ~パラッパ、パ~!パ~パラッパ、パ~!
パパパ、パ~!パパパ、パ~!パパパ、パ~!
パパパパパパパパパパパパ……パ――!!!!
『わぁ――!!』
大歓声が沸き起こる!!
「競馬のファンファーレみたい……」
マーサはちょっと、心踊った。
王が王冠を持って、マーサに近づいた次の瞬間――!!
「ちょっと待った――!!」
マーサがいきなり叫んだ。
シャトーブリアン王はビクッ!っとなる。
「びっくりした~。それ、花嫁奪いにきた男が言う台詞じゃろ。主役のお前が言うの間違ってない?」
マーサは王から王冠を奪うと大七王子ノイドに王冠を被せる。
「マーサ兄さん?」
戸惑うノイド。
「ここにいるノイドは、魔界からの侵略を阻止した大英雄だ!!彼こそ王に相応しいと……俺は思う!!」
マーサは宣言した!
そうだ!王様なんて堅苦しい役職なんてまっぴらだ!
パチパチ……。
レキが便乗して拍手する!
レキも王妃という柄じゃない!
責任転嫁だ!!
パチパチ……パチパチ…パチパチパチパチ!
やがて、拍手は増長し会場を拍手で埋め尽くす!
パチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチ!!
シャトーブリアン王は「はぁ~」と溜め息をついてから発言する。
「仕方ない。皆が祝福するのなら、それもよかろう。ノイド、相違ないか?」
「マーサ兄さんが認めてくれるなら……ボク、王様やります!」
『わぁ――――――!!』
こうして第22代ハラミサガリ王ノイドが誕生した!
ハラミサガリ元国王がマーサに話しかける。
「しかし、マーサよ。お主の功績も認めたいのじゃが、何か望みはないか?」
「俺?……じゃあ、専務になりたい!」
マーサは転生前、『専務』という響きに憧れていた!
「センム?ま、いいじゃろ……他にはないか?」
「じゃあ、『取締役執行役員』も肩書きに入れていい?」
マーサは長い肩書きに憧れを持っていた!
「トリシマリヤクシッコウヤクイン?ま、いいじゃろ……」
シャトーブリアン元国王は、もうなんでも良かった!
「やった!夢が叶った!」
ここに『ハラミサガリ王国第一王子兼専務(取締役執行役員)マーサ』が誕生した!
『その後 ハラミサガリ城 大浴場』
「ふぅ~いいお湯だ……」
マーサは一仕事終えてお風呂に来ていた。
ガラガラガラ。
お風呂場の引戸が開き、ロイヤルフィアンセーズと女神フレイヤが入ってきた。
『マーサの幼馴染み。ロイヤルフィアンセーズファースト 拳聖レキ』
「お疲れ様。背中を流すわ。こら!バナンポで返事をしないの!」
『喋る聖剣ゼックスカリパの使い手。ロイヤルフィアンセーズセカンド 剣聖イク』
「私はいつもの通りマーサ殿のお尻を中心に洗わせていただきます」
『奴隷からメイド、そして聖女になったハーフエルフ。ロイヤルフィアンセーズサード 聖女トモミン』
「ご主人様。出す時はちっぱいとお口にお願いしまっす!」
『唯一無二の大勇者。取り外し可能なしっぽが自慢。自称獣人族。ロイヤルフィアンセーズフォース 勇者ユキノ』
「マーサ、しっぽを洗いたいから抜くの手伝ってくれないか?」
『愛魚女魔法女学園首席。絶対防御の鋼鉄少女。ロイヤルフィアンセーズフィフス 鉄仮面サーフォン』
「マーサ様!私の泡泡おっぷにで洗わせてください!」
『恋愛・多情の女神。○ッチな行為を配信して、今や登録者数世界一の女神チャンネル運営者。転生神 女神フレイヤ』
「マーサ、こっち見ないで。存在自体、消すわよ」
『異世界転生サラリーマン。異世界ただひとりのAB型。歩く変態。ロイヤルフィアンセーズロイヤル 主人公マーサ』
「……みんな」
マーサは心の底から感謝の気持ちを叫んだ!
「よし!みんな!バナンポしようぜ!!」
女神フレイヤは最後にマーサに祝福の言葉を添えた。
「あなた50万字【完結】の最後の台詞、本当にそれでいいの?」
マーサの物語は終わらない!
マーサのバナンポが……上を向く限り!!
そして、最後のナレーションもド下ネタだった!
♀♀♀♀♀♂異世界ハーレム生配信「転生したけど、スキルAV男優ってなに?」
【完結】
50万字にも及ぶ壮大なくだらない物語に付き合っていただき、誠にありがとうございました。
次回作も期待しないでください。
最後に幼馴染みのレキがマーサのバナンポを優しく触り、マーサを見つめながら少し微笑み、頬を赤らめながらこう言った。
「もう一回、ぴゅっぴゅっする?」