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「え?なんで?咥えるの?」『先手必勝!サキュバス大戦!』

 【教室】


 闇曜日の昼下がり、マーサは机で居眠りをしていた。


「マーサ!マーサってば!」


 レキがマーサを起こしている。


「むにゃむにゃ。ほら、順番に出してあげるから口を開けて待ってて……」


「どんな夢じゃボケ――!!」


 ドゴォォォォォォォォン!


 レキの必殺『破岩拳』が机を木っ端微塵に破壊した!


「わ!びっくりした!れ、レキ~普通に起こしてよ~」


「あんたがしょうもない寝言を言うからでしょ!それより王様から言伝が着たわよ。戴冠式、来月ですって」


「王様かぁ~。正直、あまり気乗りがしないなぁ~」


「私だって王妃って柄じゃないわよ……」


 ガラガラガラ!

  

 教室の扉が開き、サーフォンが息を切らせながら走ってきた。


「はぁ……はぁ……マーサ様!大変です!」


「どうしたの?サーフォン、そんな危険日なのに中に出されちゃった――!!って、顔して……」


「年がら年中、打ち放題のあんたが何をいってるのよ」


「レキ……人をゴルフの打ちっぱなしみたいに言うのやめてね……」


 レキの例えは的を得ていた!


 そして、異世界でもゴルフは中高年を中心に人気が高いぞ!


 サーフォンが息を整える。


「そ、それが3-Lの保健委員サキューバ・サキが魔界と繋がっていたらしく、近々、魔界の穴を通って魔族が攻め込むという情報を得ました!!」


「な、なに!あの善良な男子生徒を誘惑していたあの子か!」


「誰?それ?」


 レキが聞く。


「それがな!この前ね!ちょっとこれ咥えてみて!」


 マーサはレキを座らせ、目の前でバナンポを出す!


「え?なんで?咥えるの?……パクッ」


 ちゅぱちゅぱ……。


「そうそう!それでな!あう!気持ちいい!出る!」


 びゅるぅ!!


「んぶぅ!……ごっくん。んもう!で、なんなのよぉ!!」


「そうそう!えっと……なんだっけ?サーフォン」


「……さぁ?」


 サーフォンは首をかしげた。


 出た!マーサの隠れた必殺技!勢いに任せてバナンポを咥えてくれたらラッキー大作戦!!

 ※たまに、成功するぞ!


「ま、とにかく魔界の穴を探そう!あと、レキ!気持ち良かったよ!ありがとな!」


 最低なマーサだが、感謝の気持ちを忘れない!


「もう……別にいいわよ。また、してあげるから」

 照れるレキ!惚れたら負けとはよく言ったものだ!


 【体育館裏】


「マーサ兄さんこっちです!ありました!これが魔界へ通じる穴です!」


 優秀な第七王子ノイドは、魔力探知により魔界の穴を検知!


 体育館裏に禍々しい人が通れそうな穴が空いていた!


「これが魔界へ通じてるのか!?」


 勇者ユキノが中へ入ろうとすると……。


 バチン!


 ユキノは見えない力で弾き出された!


「きゃ!」


「ユキノ様!大丈夫ですか!?」


 剣聖イクが駆け寄る。


「ありがとうイク、どうやら強力な結界が張ってあるな……」


「……結界か」


 マーサが魔界の穴を興味本位でそっと触ろうとすると――!?すんなり手が穴の中に入った!


「あれ?俺、通れるよ?」


「マーサ兄さん!ボクも通れます!」


 ノイドも手を通す。


「……ビリッ!んぁ!……これは!女性だけを弾く結界でっす!」


 聖女トモミンが結界に手を近づけるとビリビリと電流のようなものが魔界の穴から流れる。


 トモミンは(もしかしたら、おっぷにが小さい人だけ通れるのかと思ったでっすけど、通れなくて良かったでっす!)とひとり安堵する。


 マーサが魔界の穴の前まで歩き、振り向き様に言う。

「よし!じゃ、ノイドと二人でサキュバスの国に行ってくるよ!」


「本当ですか!マーサ兄さん!ボク、行きます!」


 ノイドは初めての冒険に心踊らせる!


「ちょっと、大丈夫なの?」


 レキが、いの一番に心配する。


「大丈夫だよ。ノイドもいるし」


 マーサはノイドの頭をナデナデする。


「えへへ……。はい!マーサ兄さん!お手伝いします!」


 転生前は女の子だったノイドは、頭を撫でられるのが大好きだ!

 

「今回は留守番か……つまらないな。マーサ、バナンポだけ置いてってくれないか?」


 勇者ユキノが体育座りをして拗ねる。


「置いていけないって!!……ん、まてよ、ノイド、確か錬金術も使えたよな?」


「はい!マーサ兄さん!マーサ兄さんのバナンポ作りますか?」


 ノイドが両手を前に出して二重詠唱を唱えるとマーサのバナンポだけ出現する!


「わ!すごっ!ちょっと待ってね!」


 ユキノは錬金術によって作り出されたマーサのバナンポを手に取り、こそこそとショーツをずらすと自ら入れてみる……。


「んっ……んは!すごい!入れたら少し膨らんだ!マーサのバナンポだ!」


 ユキノは感激した!


「良かったです!他に欲しい方はいますか?」


 ノイドは屈託のない満面の笑みを浮かべる。


「……は、はい。私も欲しい」


 レキが手を上げた!


「トモミンも新しい技の練習に使えそうでっす!」


 トモミンも手を上げた!


「わわわ、私も!!欲しい!!」


 イクが手を上げた!!


「マーサ様の……絶対欲しい!!」


 サーフォンも手を上げた!


「全員ですね!すぐ作ります!」


 ノイドは全員分のマーサのバナンポを錬金した!


「……じゃ、行ってくるね」


 マーサは見送りの彼女達全員がマーサのバナンポを持っているというシュールな場面に戸惑う。


「行ってらっしゃい。気をつけてね……」


 レキが寂しそうに言う。


 この後、異世界初の"大人のおもちゃ"が大活躍することになるのだが、そこはそっとしておいてあげよう!


 マーサとノイドは魔界の穴をくぐった――!!


 【サキュバス王国 デリーヘル城】


 薄暗い円卓を囲む四人の影。


???「きゃはは!それでなんて言ったの?」


???「おしっ○は別料金だよって!」


???「おいおい、ハプニングを探してるのなら呼びな!それは私さ!」


???「あの~その~命令してください~なんでもします~」


 ガチャ!


「大変です!侵入者です!」


 羽根の生えたサキュバス近衛兵が入ってくる。


???「こら、今、大事なS級ランキング上位嬢会議の途中だぞ!」


「すいません!どうやら人間界への侵略に感づいた者が魔界の穴からこちらへ来たらしく!!」


???「なに?あの穴はサキュバス以外は通れないはずだろ?」


???「他にはサキュバスが認めた男なら通れるわよ」


???「そんな男はここ数千年現れてないだろう」


???「なんだ?サキの奴、後をつけられたのか?M級からやり直しだな!まったく!」


???「あらあら、では私が相手をしてこようかしら。ちょうど空き時間だし」


???「おいおい、いきなり『S級サキュバス嬢プラス・ゴセン・エーン』が行くのか?」


「すぐに骨抜きにしてくるわ。うふふ……」


 エーンは運転手の乗るボア車(イノシシの魔物が引っ張る乗り物)へ乗り込んだ!


 【サキュバス王国 郊外『インター』】


「到着した。二人組の男を発見。延長はナシよ。きっちり60分で終わらせるわ」


 エーンは魔力通信『スッキリ・マンゾク・ホネヌ機』(通称スマホ)で仲間に連絡する。


 S級サキュバス嬢プラス・サンゼン・エーンはとっても時間に厳しいぞ!次の予定はサキュバス女王の東『エキマエ』で120分だ!


「くぅ!私の魅了が通じないとは……」


 マーサとノイドの前に全裸のサキュバスが膝をついていた。


「マーサ兄さん、あの子は何をしたかったのでしょう?」


 ノイドは転生前は女の子だったので、全裸の女の子を見ても大して魅了されないぞ!

 

「さぁ?ただの露出狂じゃない?」


 マーサは純粋な変態なので、最初から全裸の女の子には反応しないぞ!やはり、自分で脱がすか脱ぎかけ、目の前で脱いでもらわないと「うひょお!」とはならないぞ!


「やっぱりノーマルのサキュバスでは歯が立たないわね。私はサキュバスS級上位ランキング嬢のひとり、プラス・ゴセン・エーンだ!」


 マーサ達の前に現れたS級サキュバス嬢プラス・ゴセン・エーンは腰まで伸びたストレートの綺麗な髪に、前にたくさんボタンのついたワンピース姿で登場した!

 

「S級だと!!……ぐっ!!」


 マーサがいきなり膝をつく!


「マーサ兄さん!どうしたのですか!?」


 ノイドが苦しそうなマーサを心配する!


「ワンピースにあんなにたくさんのボタンがついてるだなんて……上からゆっくりとボタンを外したいじゃいか――!!」


 ものすごく、しょうもない理由だった!!


「あら、褒めてくれてありがと。でも、ごめんね。先が詰まってて延長できないの。60分で終わらせるわね。ま、そこまでもたないでしょうけど……うふふ」


 エーンはワンピースのボタンを上から半分くらい外しながら歩いてくる。


「ぐはっ!!どうせ外すなら、俺が外したかった!!」


「……マーサ兄さん」


 ノイドはマーサが何に苦しんでいるのか、まだ理解できなかった!


「一気にイっておしまい!泡泡アワアワ洗体コース!」


 エーンがはだけたおっぷにを両手で揉むとたくさんの泡が現れ、マーサとノイドを包み込む!!


「ま、マーサ兄さん!!これ、気持ちいいですね~」

 転生前は病弱だったノイドは泡風呂なんて体験したことはなく、気持ちよさそうだ!


「の、ノイド!そだね~アカスリとかあるといいね~」

 マーサは転生前によくチャイナエステという怪しいマッサージ屋さんを利用していたぞ!


 気持ちよさそうにする二人に困惑するエーン!


「あ、あれ?なぜ魅了されない!?S級嬢の技だぞ!」


 泡まみれのマーサがゆっくりと歩いてくる。


「君はひとつ勘違いをしているようだね」


「な、なんだと!!」


「S級とは……客が決めるもんだろ~が!!」


 マーサの怒り(?)の手技がエーンの全身を襲う!


 シュバババ――!!


「ああ~ん!!あんたとこや、こんなとこまで!!身体中ほぐれて力が入らな~い!!で、出ちゃう!!」


 プッシャァァ――!!


「わかったか?客はなぁ……S級とか言われるとお金を多く取られる分、過剰に期待しちゃうもんなのだよ――!」


「マーサ兄さん……言っている意味がよくわかりません……」


 ノイドには、マーサの怒っている理由がわからなかった!


 【サキュバス王国 デリーヘル城】


???「お!エーンから連絡がきたぞ。早いな。時短は感心せんが、もう迎え(終了)の合図か?」


 謎の上位ランキング嬢がスマホを操作する。


『マーサ君へ……泡泡でもなかなかイケないから「疲れてるのかな?」と思ったけど最後はお互い気持ちよくなって……あんなことや、こんなことまで……。結局、時間をオーバーして3回もイっちゃったね。内緒だけど私はもっとイッちゃった……えへ。今度は話してた○○○に挑戦しようね!リベンジしたいです!今日はありがとうございました。次回は合言葉『秘密の泡遊び』と言ってくれれば指名料無料+10分サービスになります。あと、負けました』


 ドゴォ――ン!!


 次の瞬間、雷が鳴り響き、S級ランキング上位嬢の姿がハッキリと現れる!!


「まさか!エーンがやられるとは……これは、忙しくなりそうね」

 『東北そだちのレア出勤』

 S級サキュバス嬢カンバイ・オン・レイ


「客に惚れるとかありえない!きゃはは!」

 『某店でNo.1の娘がまさかの移籍』

 S級サキュバス嬢ウケツケ・シュウ・リョウ


「マーサ王子……会ってみたいわね」

 『弾けるFカップ』

 S級サキュバス嬢ゼンショク・ガク・セイ


 そして、サキュバス王国を統べる女王が姿を現す!


「こういう仕事、初めてなので緊張しますが精一杯がんばります!」

 『あなた色に染めて』

 サキュバス女王デリーヘル・ミ・ケイケン


 <いろんな意味で……乞うご期待!つづく!>

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