「はぁん!また!またイっちゃう!」『ノイド、愛魚女魔法女学園に入学する』
サカナトイッタラマグロ共和国は魔法国家である。優秀な魔法使いが集まるこの国で、その最難関である愛魚女魔法女学園は新入生を向かえていた。
理事長シー・チキンは新入生に向かって挨拶をする。
「入学おめでとう!当愛鮎魚女魔法女学園は完全実力主義である!一年生だろうが最優秀者の証『ポセイドン』の称号を獲得すれば学費免職はもちろん、王宮魔道士内定に貴族の称号も与えよう!まずは優秀者の証『ウロコ』を五つ集めるのだ!」
『わぁ――!!』
女生徒から歓声が上がる!
「静まれ!まずは魔力測定でクラス分けをしてもらう!」
チビでハゲのいかにも生徒に人気の無さそうなウツボ先生が水晶を取り出す。
「まずは貴族出身の期待の星、マスーノタマゴ・イクィラ!やってみなさい!」
赤いボブヘアの可愛らしい女の子が前へ出る。
「はい!」
イクィラが手を置くと水晶が赤い光を放つ!
「おお!魔力値120!まさか一年生で三桁とは驚きじゃ!さすがワシが一目置く生徒じゃ。赤い色は炎属性!最優秀寮イフリート寮!」
ウツボ先生はまるで自分のことのように誇らしげに言った!
『わぁ――!!』
生徒達は大歓声だ!
その後、生徒達の測定が次々行われ、誰一人三桁を超える者は現れなかった。
「最後は……ハラミサガリ王国第七王子のノイド?まったく、コネで我が伝統ある魔法女学園に入るなんて……しかも、男だと?」
「はい!がんばります!」
ノイドが手を上げ、前に出る。
『きゃ!あの子、かわいくない?』
『隣の国の王子様だって!』
『私の王子様にならないかしら?』
女生徒達が色めき立つ。
「ああ……ノイド……心配だ」
女体化魔法をかけたマーサ(♀)が心配する!
「マーサ様、大丈夫ですよ。ノイド様も、ちゃんと入学できますわ」
現首席のサーフォンも陰で見守る。
「あ、いや、そうじゃなくて……」
マーサの心配をよそにウツボ先生が大声を上げる。
「ほら!さっさと手を置かないか!全く、そんなノロマじゃ、いくらコネがあるからって入学させてやらんぞ!ほら!早くノロマ!」
陰でサーフォンがワナワナしながら呟く。
「決めました。あいつはお父様に言って今日でクビです。いや、今すぐクビにします!」
「まぁ~まぁ~サーフォン、ノイドは大丈夫だから……」
マーサがサーフォンを押さえると同時に生徒達の歓声が上がる!
『わぁ――――!!』
クビ決定のウツボ先生が尻餅をついている。
ノイドが触れた水晶は七色の光を放っていた!
「魔力値……1……10……100……1000……10000……160105だと!?十万超えなんて!水晶が壊れただけだ!やめだ!やめ!ノイド!お前の入学は認めん!絶対に認めん!!」
ウツボは腰を抜かしながらノイドに人差し指を向け、騒ぎ立てる!
「だまらっしゃい!!」
いつの間にかサーフォンが飛び出していた!
「あ、あなたは……理事長の娘で首席のサーフォン嬢!?」
ウツボ先生がヘナヘナする。
「王家の水晶が壊れるわけないでしょ!壊れているのはあなたの性格よ!初等部から出直しなさい!!」
「ひぃ~!!」
ウツボ先生は逃げ去った!
「サーフォン、格好よかったよ」
「マーサ様!はぅ……急に恥ずかしくなった」
サーフォンは頭に鉄仮面を被った!
※恥ずかしがり屋のサーフォンは緊張すると頭に鉄仮面を被るぞ!
「絶対、そっちのほうが恥ずかしいから止めなさい」
マーサが鉄仮面を被って体育座りをするサーフォンをなだめる。
その頃、ノイドに話しかける人物がいた。
「ノイド君、すごいね!友達になってくれる!私はマスノータマゴ・イクィラ!」
赤いボブヘア、貴族で期待の星のイクィラだ!
「うん!いいよ!」
ノイドは差し出された手を握り、握手をする。
「――!?んぅ――!?」
突如、イクィラが体を激しく痙攣させた!
「マーサ様!あれは!?」
彼女の異変にサーフォンが気づく。
「あ~あれ、ノイドは無意識に相手に大量の魔力を流し込んじゃう癖があるから、手なんて握ったら、熱い魔力液が大量に体に流れ込んでくる感覚ですぐにイっちゃうよ」
マーサの的確な説明!
「よろしくね!イクィラさん!」
「あ……うん!んぅ――!!あは――ん!!」
イクィラの内股になった足の間から大量の液体が流れ落ちる。
「あれはまずいな、騒ぎになる。助けに行こう」
マーサが姿を現すと女生徒達が騒ぎだした。
『え!?伝説の女生徒、マーサ様!?』
『え!!あの女生徒なのにバナンポが生えてるって噂のマーサ様!?』
『首席のサーフォン様を決闘で全裸にした『首席全裸の魔術師マーサ様』!?』
『きゃ――!!』
女生徒達がマーサに集まる!!
「うわぁ!逃げるぞ!!サーフォン!!」
「私も恥ずかしい~!!」
伝説の女生徒マーサと、首席全裸は逃げ出した!
※第30話参照
「よろしくね!イクィラさん!僕、友達いなかったから、嬉しいよ!」
一方、無邪気な第七王子ノイドはイクィラの手を握ったまま、ブンブン振っていた!
「はぁん!また!またイっちゃう!んぁ――!!もう、許して!ノイド……様ぁ……はぁ――ん!!」
プシャァァ――!!
イクィラはその場で気絶した!
「ん?イクラさん!?」
気絶してピクピクしているイクィラを抱き抱えながら、ノイドはイクィラに魔力を流し続けた!
「あれ?どうしたの?イクィラさん!?イクィラさ~ん!!」
ピクピク……ビクゥ――ン!!
「えへえへ……ノイド様……えへ」
こうして無事(?)に入学を果たしたノイド!
次回は懐かしのトモミン先生の『バナンポ道 二限目』だ!!
お楽しみに!!
【校舎裏】
「ここまで逃げれば……」
「見つけたわ」
校舎裏まで逃げてきたマーサに声をかける人物がいた!
「女神フレイヤ様!!」
バスタオルに身を包んだ、お風呂上がりの女神フレイヤだった!
「なかなか一人にならないから、お風呂入ってたの!で、マーサ!あなた必ずノイドに首席の称号『ポセイドン』を取らせなさいよ!」
「え!?なんで!?」
今にも巻いてあるバスタオルが外れそうでドキドキするマーサだが、話しはちゃんと聞く!
「借金よ!あの子も借金があるの!これ以上、学費なんて出せないわよ!」
「え!?借金!?だって、ノイドは第七王子で……」
「あなたと同じで転生前よ。彼女は病弱で病室でテレビばかり見ていたの。『女神チャンネル』の『特別有料チャンネル』をね!!返済金3億ノーエッチね」
「さ、3億ノーエッチ!?」
転生したあとのマーサと同じ額だった!
「必ず『ポセイドン』取りなさい。あと、○ッチなハプニングも多めでね!でなきゃ、あなたも一緒に借金払ってもらうからね!」
女神フレイヤはバスタオルをその場に落とし、大きなおっぷにを揺らしながら帰っていった……。
「こりゃ、大変だ!」
バスタオルを拾い匂いを嗅ぐ変態マーサ!
急に湧き出た借金返済問題!
そういや、そういう小説だった!!
<つづく!>