38.第三階層
最近自分でスペルミスをチェックするのが面倒くせーなって思いまして、それでドキュメントに貼り付けてAIにチェックしてもらおうという画期的なアイデアを思い付いてしまったんですよ。これIQ108以上が思い付ける奴ですよ。いやー素晴らしい!これで一つ労力が省けるという物です!
話も一段落付き、ご飯を食べて眠くなってきて冷たい床を背に、毛布に潜った時、はっきりと気付いた。肩甲骨が痛い。床は自分の思った通りに変形してくれないから虚しくも仰向けで寝るのをやめざるを得ない。ベッド位用意してくれればいい物を、なぜか毛布は二枚食後に貰えた。
こんな時魔法とかで何とかならないかな。ベッドよ現れたまへ〜、なんちゃって。
冗談で言ったつもりが、少しだけ期待して目を開くと、そこにはベッドが置いてあった。しかもホテルにある疲れを癒やすには丁度いいふかふかダブルベッドが。……ダブルベッド!?こ、これは何だか良からぬ想像をして……って駄目駄目!度が過ぎたら流石に怒られる……!
それに、めっちゃ都合良く創ったり出来るんだ。超石って。……そのせいではあるけれど、結構酸素を持ってかれてしまったのはしょうがない。
そうとなれば早速ゆさゆさして雨音を起こす。もう既に雨音は眠りについていたようで、寝起きの顔がなんとも可愛らしい。おまけに寝癖も付いていた。
雨音は「何で起こしたの〜?」と、寝起き特有のほんわか口調で話しかける。これには思わず口角が上がってしまう。
私が雨音の視界を邪魔してベッドが見えていないようなので、少し横に移動してダブルベッドをお披露目する。まあ予想はついてはいたけれど、雨音はすぐに立ち上がってベッドに飛び込んでいった。私もちょっとやってみたい。
雨音は飛び込むなり、すぐ動かなくなった。何と言う爆睡能力か。私なんて寝るのに30分は要るのに。そんな叶わぬ願いを胸に秘め、私もベッドに飛び込む。何とふかふかな事か!これはすぐ寝ちゃいs……zzz……
◇◇◇◇
目が覚めた。あれぇ……?私いつの間に寝ちゃってたんだっけ……?
起き上がろうとするも、布団のふかふかには勝てない。腕の力が抜けてべちゃ〜っと毛布にへばり付く。
このままじゃこのベッドに殺される〜でも起きたくない〜誰か助けて〜
そんな切実な願いが届いたのか、廊下の奥の方から「ガシャン、ガシャン」と聞き慣れた音が聞こえた。
私はベッドの誘惑を振り切り即座に立ち上がって寝癖が爆発してるか確認せず床に置いてある剣を拾って「休め」のポーズをする。体育で鬼教師に良く「背筋伸ばせ!!!」ってマンツーマンで言われたから「休め」のフォームだけは自称一流だ。
雨音もソレが近付いて来るその音に勘づいたのか、起き上がって私の隣で「休め」のポーズをする。まるで姉の真似をする妹みたいな構図だ。身長差が如何にも姉妹を彷彿とさせる。
私が今166だから……雨音は150行ってるか行ってないか位……かな?社会に出たら悪い大人には注意だよ!雨音!
そんな訳の分からない事を考えていると、ついに奴が来た。
「良シ、起キテイルナ。寝癖ガ気ニナルガ、マアイイ。来イ」
ドアを開けて外に出る。ここに来たときに着ていた服が半袖半ズボンだったせいか、この寒さは少し辛い。私だってフリフリスカートとか着たいのに何と言う始末か。これじゃあまるで奴隷のような服装だ。
奥から風が吹く度に体が震え上がる。雨音もこれには耐えかねるようで、腕をさすっている。私はハエみたいに手の平を高速で擦り合わせる。若干緩和はされるものの、下半身がどうにも寒くて長袖が欲しくなる。
あー欲しいならじゃあ作ってしまおう。長袖にする位大した事はない。
第二回層のように暑すぎると困るので、少し薄手の長袖長ズボンにしておいた。流石にフリフリスカートにすると闘いづらい。雨音もそれにならって同じ服装にする。これで震えは収まった。良し、出発だ。
雨音の方を見て何も言わずに頷くと、雨音もそっと返してくれた。意気込みはバッチリだ。
扉への行き方は結構シンプル。牢屋を出たら左に曲がって50m直進。そうするとセキュリティが厳重な扉が見えてくる。
他の設備は何とも昭和っぽくて古臭いのにここだけは近未来の扉なのである。それだけ危険な場所だ、という事……なんだろう。
スモーアがカードキーのような物をどこからともなく取り出してスーってすると歯車がグルグル回ってシュゴーとか音がしたり煙が出たりして扉は開く。絶対ここだけで数百万は掛かってるでしょ。お金の使い所が極端すぎるって。
扉の中へと進んで行く。高さが見た限り10mは優に越しているであろう扉が嫌でも目に入る。次はどんな階層だろうか。
ゆっくりと扉が開く。見た感じ次は……ジャングル?成る程そう来たか〜。もしかして魔物じゃなくて肉食獣が出たり……
そんな不安を抱えつつ、扉の前に立ち、前を向く。そこには一面植物が生い茂り、鳥やら動物やらの鳴き声がどこからともなく聞こえてくる。
「サア、入レ」
躊躇は今の私達には必要ない。第二階層で靴は非情にも消えてしまって裸足なので土の感触が少し気に障ったけれど、それでも立ち止まりはしない。ある一定まで進むと、扉は自動的に閉まった。
階層を制覇するまでそこまで時間は掛けていないから難易度は高くない筈。自信を持とう。いよいよ第三階層の始まりだ。
《第三階層 猛毒の熱帯雨林》




