33.上手く行き過ぎ
◇◇◇◇
明日に備えて休めとは言われたものの、どうも何かが引っ掛かる。
あんなに怪しげなのに私達をどうする事もなく丁寧に接していたし、更にはここから出してくれるという好条件の元、エンペラーを倒して欲しいとお願いをしてきた。
これは上手く行き過ぎじゃ………?もう何か裏がないと不安になるレベルの好都合じゃない……
でも、あれから数時間経っても何もしてこないし、さっき夜ご飯で出された炒飯もただただ美味しかった。部屋の寂しさは変わらないけど……
今は何を考えても無駄かな……きっと裏があれば行動を起こす。それまでじっくり観察すればいい話じゃない!
私は雨音の方を向く
「良し!今日の所は早く寝て、明日は準備万端で挑まなきゃね!」
「そうだね、夏目お姉ちゃん!」
~翌日~
「サテ、ココガ入リ口ダ」
スモーアの形をしたビガイが脚で扉の方を指す
「大きな扉~!!!何かワクワクしてきたぁ!」
「怖くはないの?」
「うん!だって、こういうのは最初は弱い物だよ!きっと段々強くなってくから、安心して!」
「お姉ちゃん、それってフラグって言うんじゃ……」
「フラグ?いやいや、まさか、ね~?」
さ、流石に……ね?大丈夫……だよね?
「扉ヲ開ケル。一階はスモーア三体トノ対戦ダ」
「え?スモーアを三体!?」
「ほらやっぱり………」
門がギィィィと金属が擦れ合う音を出しながら開いていく
「うぅ耳が痛い……」
「黒板を指で掻く時の音と似てるね……」
開き切った門の向こうには、何とも素朴な真っ白な空間が地平線まで続いていた。
「サア、行ケ。デナケレバ今ココデ死ヌゾ」
「はいぃ………」
私は少々後ろめたさを感じつつも門をくぐって中へ入った
「お姉ちゃん、いるね。バッチリいるね」
「そうだね。凄くしっかりいるね」
目の前にはスモーアがしっかり三体いる。今見ても相当な恐怖を感じさせる見た目をしている。
距離的にはここから50メートル、かな。
「………」
「コ ロ ス」
来る!!!
私は即座に鉄の槍を作り、三体の内の一体へ投げつける
だが、さっと横へ躱され、そのままこちらに進んでくる
「結構すばしっこいのね………」
今度は剣を作ってみる
「どうせ振ったら斬撃とか出るでしょ!とりゃあ!」
少し疑ったけれど、出た
それでもスモーアは躱す
「じゃあ、真っ正面からやってやりますよ!!!」
うおおお!!!!!
「え、脚固っ!金属だからそりゃそっか……」
じゃあそんな金属には溶解液、毒が一番だよね!
「毒雨!」
私はささっとその場を離れる
「マ……テ……マ、テ、マテマテマテマテ!!!」
と、スモーアは追いかけようとするも毒雨に直撃する
「ガ、ガガガ、ギガ、アア、ア」
スモーアは急に立てなくなり、液晶画面が点灯し始めた。
「ピーーー」
「あ、壊れた」
雨音の方を見ると、「凄い!」という目をしていた。だが、その目が急に危険を伝える物となる。
「お姉ちゃん後ろ!!!」
「え?」




