32.挑戦状
もっと思い処罰を考えていた。人体解剖や、拷問による私達の反応の観察、などだと思っていた。
あのスモーアという凶器じみたいかにも殺戮マシーンのような物を一言でねじ伏せてしまうんだ、きっと本気を出せば私達なんて………
それに、私達は神石を持っていない。私達はただの一般人に過ぎない。つまりは最初から勝てる見込みなど無かった。
そんな事を頭の中で巡らせていたなら、こんな反応をしても当然なのである。
「ン?何ダ?他ノ実験台ガ良カッタカ?余程イタブラレルノガ好キナヨウダナ」
「ち、違います!!!てっきり、その……とんでもなく残虐な物を想像していたので……」
「マア、過酷ナ物デハアル。残虐ト言エバソウトモ言ウダロウ」
「具体的に言うと……?」
さっきから雨音は時々話す事はあれども、下を俯いて黙り込んでいる。余程怖いみたい。
そりゃそうよね。ただの可憐な女子高生がでっかい目玉と話してる、なんて、普通じゃ逃げ出しちゃうもんね。
「具体的ニ、カ。ソウダナ……結論カラ言エバ、オ前等ニハ挑戦状ヲ受ケテ貰ウ」
「挑戦状?」
「ソノ内容ハ、コノ無人牢獄ノ最上階ニイル、エンペラー、トイウ魔物ヲ討伐シ、ソイツガ持ッテイル虹石トイウ石ヲココニ持ッテコイ。ソウシタナラバココカラ出シテヤル」
「なる…ほど……」
いやいや!戦闘ド素人の女子高生に何やらせようとしてんのコイツ!?
私多分ここを出て五分で死ぬ自信あるんですけど!?
「マアソウ焦ナ、ナツメヨ。オ前等が欲シイ物ハ、コレダロウ?」
ビガイがそう言うと目の前にワープホールが出現し、そこから超石が2つ出てきた。
「これ?超石……?」
「オ前等ガ持ッテイタ石ダ。コレヲ使ッテ最上階マデ辿リ着ケ」
「よ、良かったぁ~!これで一安心!」
私は地面に落ちている超石2つを拾い上げ、雨音に渡す。
「あ、有り難う、夏目お姉ちゃん」
「いえいえ、どういたしまして!」
「サテ、モウ3ツ、留意点ヲ話シテ置コウ」
「留意点?」
「ソウダ。マズ1ツ、私モ最上階マデニ何ガアルノカヲ知ラナイ、トイウ事。2ツ、階を1ツ攻略スル毎ニ牢屋ニ戻サレ、ソコデ我々ガ用意シタ食事ヲ取ッテ貰ウ。勿論食事ニ毒ハ入ッテイナイ、トイウ事。ソシテ3ツ、階ヲ攻略スル速度ガ遅ケレバ遅イ程、次ノ階ノ敵ハ強クナル、トイウ事。説明ハ以上ダ。準備ガ出来タラ、出発スルガ良イ。ソレトモシ、逃ゲ出ソウモノナラ、ソレ相応ノ処置ハ受ケテ貰ウ」
「わ、分かりました!」
ひとまず、殺される事は無さそう。良かった~!
「な、夏目お姉ちゃん、一緒に、エンペラー、倒そう!」
「うん!そうだね!」
………逃ゲル気ハ、ナサソウカ
「今日ハ休ムトイイ。明日ニ備エテナ」
「了解です!」




