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6.未来からの傍観者たち

豆知識:アリスは金髪で青色の目をしているらしい

「ち、地球人だ……」


 それに超絶美少女! あれ? 何か俺の周り美少女多くないか……?


「私達以外にもまだいたんだね……」

「ちょっと話してみようかな」


 話せたら神! 多分無理だろうけど。


「わ、私も!」


 走って近付いてみる。夏目と沢山話して少し位緊張はしなくなっている筈!


「ね、ねえ、そこの君」


 見た目外国人だから日本語伝わるかな


「ん?誰?それに、あなた地球人?」


「え、あ、うん、そうだけど。で、えーと。名前は、何て言うの?」


 よっしゃ話せたし日本語分かる! これはかなり大きいアドバンテージ!


「アリス」

「あ、アリスって言うんだね。それで、何でここにいるの?」


 おい、それが初対面の人に向かって言う質問かよ、俺。やっぱり人とまだ話し足りないな。


「着いたところがここだっただけ」

「ちょっと意味がわからないけど、んーと、じゃあどうやってここに来たの?」


「未来から」

「ん? ん? み、未来? ん???」


 もう緊張と謎が混ざり合ってパンクしそうだ。落ち着け、しっかりしろ俺!


「私は科学者で、このタイムマシン兼ワープホールを使ってここまで来たの」


 アリスがワープホールらしきものを指さして言う


「え?科学者?マイムマシン?ワープホール?え?ど、どゆこと!?」


 えー只今、私の頭がパンクいたしました。

 脳の容量少なすぎとか言わないで下さい。俺が一番感じてます。


「まぁ落ち着いて、光喜。色々聞きたいこともあるけど一旦、アリスちゃん……だっけ?の話を聞こう?」

「お、おう……」


「アリスちゃん。私は小川夏目。こっちは霧谷光喜君だよ!よろしく!」

「アリスでいい」


 やっぱり女の子同士、話が通じやすい。そうだよな、ここは俺の出る幕じゃなかったか。


「そう?じゃあアリス、さっきの話の続きと自己紹介をお願いしていい?」

「分かった」


「私はアリス。十七歳。一応科学者」

「私と同い年だ!」


「え?夏目と同い年?身長結構小さめなのに夏目と同い年なんd」


 アリスがこちらを睨む。あ、言わない方が良かったか。あんまりそういう常識とか良く分かんねぇんだよな。


「次言ったら、どうなるか、分かる?」

「す、すいません!話を続けて下さい!」


 これは本当に怒っているのでは……? 斬首の刑にします?それで許されるならだけど。


「私は自分で発明したタイムマシン兼ワープホールを使ってここに今着いたところ。そしてあなた達に出会った」

「成る程……」


 良く分からんがアリスが凄い事だけは分かった。


「私がいた未来の地球は、日本が世界を統一し、母国語が日本語になり、差別のない平和な星になった」


「だから日本語が喋れるんだね」

「そう」


「それで、そのタイムマシン兼ワープホールっていうのは?」


「タイムマシンとワープホールは私が作った機械でタイムシンは時間の移動、ワープホールは空間の移動ができる。その機能を一緒に使えるのがこの機械」

「す、すげぇ〜」


「それでさ、アリスがどうやってここに来たのかはわかったけど、何でここにわざわざ来たの?」


「それは、複雑な話になるけれど、えーっと……私の住んでいる街には銅像が三つあるの」

「銅像? 急にどうしたの?」


「それぞれ名前のところに光喜、夏目、アリス、とあなた達二人と私の名前が刻んである。しかも銅像の見た目も全員そっくり」

「え!?」「何っ!?」


「それで、その銅像の歴史を調べたところ、その銅像が作られた日付が私が産まれるより前だった」

「えぇぇ!?」「そ、それはどういうご冗談で……」


「しかも、調べているうちにあなた達がここにいたことも分かってそれでいた時期も大体分かったからこうして来ることができた。」

「嘘!?」「ま、マジか……」


「私、銅像になるほどすごいことしたのかな……」


 アリスは何でここまでして命張ってこの星に来たんだ?

 日本語があまり今と変わってない事から察するに、そう遠くない未来から来ている筈だ。

 それなら、タイムマシンとかワープホールなんて物はまだ開発されていない可能性が高い。

 ここまでの仮説が全て正しいとすれば、アリスがここに来るよりも遥かに未来で研究者として生きていた方が幸せに暮らせる……

 でも実際アリスはこっちを選んだ。恐らく、銅像の事が気になってしょうがなかったのだろう。これこそ真の研究者って感じだよな。


「どんなことをしたかについては色々諸説あるみたい。それを調べるために私はここに来た。あ、そういえばこれを持ってきた」


 そう言ってアリスは神石をポケットから出す。


「これは……神石?」

「知っているの?」


「まぁ、知ってるも何も、持っているからな」と神石を出す。赤色の神石だからか、少し驚かれた。


「持っているということは魔法が使えるのね?」

 

「そういうことだね。それとアリス、何か口調が堅苦しいよ。もう少し普通に親しく話したら? 私達同い年だし……」


「え、あ、そう……かな。こ、こんな感じで、いい?」

「うん! それがいい! 緊張もしなくていいよ!」


「わ、分かった」


 夏目、流石だ。こんなにも早く打ち解けるなんて、やっぱり人と話すって難しいんだな。俺ももう少し、話す特訓とかしようかな。


「それで、アリスも神石を持ってるってことは魔法が使えるってこと?」

「うん。使える。得意なのは雷」


 雷か。俺はまだ水と火しか使った事がない。

 多分、雷だけには留まらず、他にも沢山種類がありそうだ。風とか氷とか毒とか。


「えーと、じゃあもうアリスは仲間として迎え入れてもいいって事か?」

「そういうこと、かな。これから一緒させてもらうね」


「うん。じゃあその印として握手を」

「それは嫌」


 流石に無理か。ま、まあ、超絶美少女と話せただけマシかな……


「そういえばあなた達はどこかへ向かっているみたいだけどどこに向かっているの?」

「えーと、それは……ここから東に十五キロ進んだところにある砂漠みたいなところ……だっけ?」


 何とか海馬の奥底から記憶を引っ張り出せた。これで忘れてたら怒られかねない。


「そうそう。しかも夜には魔物も出るんだよ!」

「そう。魔物ってこの世にいたんだ……それじゃあ今の話で大体の位置は分かったから早速行きましょう」


 ワープホールの方を見る。高さは1.5m位。

 そして何ともメカメカしい。変形してロボットになりそうな程だ。


「このワープホールで行くのか! これはロマン溢れるな!」

「私も楽しみ!」


「それじゃあ、行くよ。ワープホール展開。目標、東へ十五キロ」


 そう指示が出ると、機械がガッシャンガッシャン動いて変形し出した。やっぱりロボットに……!


 変形はしなかったが、その代わりに紫の電磁波がゲートを形成していた。ゲート向こうには砂漠がうっすら見える。


「うわぁ~。スゲ〜」と思わず感嘆の声を漏らす。


「それじゃあ砂漠にレッツゴー!」


 その声を合図に順番にゲートをくぐって行く。予想はしていたが、着くとそこはもう砂漠のど真ん中だった。


「え!?もう着いたの!?」

「本当にワープできるなんて……」


「アリス凄すぎだろ!」

「褒めても何も出ないよ」


 ちょっと待って!?

 まさか光喜……私を差し置いてさっき出会ったばっかりのアリスに魅力を感じているというの!?

 私だってもっと魅力あるもん!絶対私の方が光喜の事知ってるもん!

 光喜、それは許せぬ!許せぬぞー!

 ……いや、好きとかそういうんじゃなくて、あのー、アリスに嫉妬してる……とかでもなくて……あーもう違う違ーう!


「ん?何だ夏目。そんなに口膨らませてどうしたんだ?」

「もしかしてヤキモチ焼いちゃってたりする?」


「え?いや、その……ち、違うし!別にそんなんじゃないもん!」


「あーこの感じヤキモチ確定演出入ったかなー?」


 少しだけ意地悪をしてみる。いちいち反応が可愛い。


「ホントだもん!」

「そ、そっか……」


 夏目は夏目で可愛いに越したことないけどな………


「そういえばあなた達。今そんなことやってる暇あるの?」

「え?」「それはどういう……?」


「いや、だって、砂が赤くて見づらいけどそこにいるでしょ。魔物」

「え!?」「マジッ!?」


 魔物と言われて驚きつつ赤い砂の上を見ていると………


「ん? や、ヤドカリ?」

「ホントだ。ヤドカリね」


 ヤドカリらしき魔物がこっちを見つめている。何でヤドカリなんだ?


「でも、普通のヤドカリがこんな砂漠のど真ん中にいるはずもないんじゃないの?」

「ちょっと攻撃してみようかな。ウォーター!」


 そう言えば、技名考えてなかったな。単にウォーターとかファイヤーとかって、王道過ぎてダサいよなあ。名前位は考えて置くか。


「さてと、倒せたかな?」


 良かった。スライムみたいに突然変異はしていないようだ。

 内心ヒヤヒヤしてたんだよな。


「そうみたい。それと、何か落ちてる」

「ホントだ。何だこれ?」


 俺は落ちている物を拾い上げる。神石……ではなさそうだ。


「これってもしかして何かの宝石とかじゃない?」

「ちょっと見せて下さい」


「お、おう」


 アリスに宝石を渡す。まさかの『手渡し』だ。右手の価値が大きく羽上がったな。


「これは!」

「何か知っているのか?」


「これは、未来の地球で発見された源石という宝石の一種! こんなところにもあるなんて……」


 これはしっかり宝石だったか。でも、宝石って普通地下にあるんじゃ……


「そうなのか……って! 周り囲まれてるって!」

「え?」


 周りをよく見ると、大量のヤドカリの魔物が俺達を空白を余す事無く囲っていた……


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