27.特訓(1)
あれから半年。持っておかなければならないスキルがある、と桃音が言うので、それを集め、取り敢えず準備を整えた。後は闘う術を学ぶのみ、だ。
「今日は何する?お母さん」
「そうね……体力作り、とか?」
今じゃ桃音と闘っては永遠に勝てる気がしないからなぁ………
「いいじゃんそれ!じゃあ、どっちが長く魔法撃ち続けれるか勝負しよ!」
「臨むところね!」
◇◇◇◇
平原に立って片腕を前に出す。
「さあ、用意はいい?」
「いつでも掛かってきなさい!」
「じゃあ行くよー!よーい……」
「スタート!」
スタートと同時に魔方陣から炎が吹き出る。ゴオオ……という音だけが静かな平原に響き渡っていた。
~スタート開始から一分後~
「まだ余裕そうね!」
「勿論!この半年間、サボってた訳じゃないからね!」
「でも、今のお母さんはもっと強いんだよ!一時間経っても余裕ぶちかましてるんだよね……!私は45分位で息上がるのに………」
そっか、未来の私もいるんだっけ………
「そっか、それなら安心した」
「何で?」
「だって、今負けても絶対未来では勝てるんでしょ?」
「そっかー!じゃあ、今からでも体力付けなきゃ!」
「ちょっとー!私に勝たせなさいよー!」
「子が親を抜かして何が悪いんですかー!」
「ぐぬぬ……」
~四分後~
「さ、開始から五分が経過したけど、まだ行けそう?」
「全然……大丈夫……!!!」
「その割には疲れてそうだけど?痩せ我慢は駄目だよ?」
「後五分……後五分……!!!」
「昔から頑固なのが変わってないのは………本当みたいね」
~五分後~
「あ~もう限っ界!!!」
私は地面に倒れ込んでそのまま仰向けになって寝転がった。
「フフッ、今回は1-0で私の1勝0敗ね!」
桃音は全然息を切らしていない。それだけ未来の私が厳しくしごいたのだろう。
それにしても、こんな強い桃音って一体何者……?
「三年間の内で絶対一回は勝って見せるんだから……!」
「さあ、どうだろうね?」
「うぅ~!もっかい!もっかいやろ!」
「はいはい、後でね。今は疲れてるでしょ?お昼ご飯にしようよ!」
「それも……そうね!」
半年というのは凄くあっという間な気がするけど、一つずつ思い出すと、色々あったんだなって、思う。
これからも特訓、頑張ろうっと!




