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25.平原

◇◇◇◇


 目が覚めた。仰向けで寝転がっているようなので起き上がる。平原……? 花が綺麗に揺れてる。あー、となればここは天国かどこかだろう。

 あれからどうなったのかは分からない。お父さんが心配だ。きっとお父さんも私を心配しているだろう。でももう私は生きていないだろうし、これからはお父さんを見守っていこう。

 でも何かが可笑しい。私の体に足があるのだ。しかも呼吸も出来るし心拍も感じる。もしや私はまだ生きているんじゃ……うんそう願って置こう。


 お父さんが私のお父さんである権利が無い? 全くお父さんは何を言っているの? 私のお父さんは他の誰でもない、あなたしかいないんだから。

 それに、あの行動を取ったのは私。私がした事は全て私の責任。お父さんは悪い事なんて一つもしていない。娘思いの最高のお父さんなのだから。


 辺りを見渡す。どうやら平原にいるみたいだ。天気は快晴。心地良い風が吹き付けている。

 遠くに家が見えた。家はこじんまりしていて、二階建ての木造のようで、庭も付いていた。他に家は見当たらない。

 私はお父さんが作った機械を見つめた。何故かここにある。もしかして託した、というのはこれの事だろうか。でも、託されたとは言え、どんな構造をしているのかは知る由もない。


 何かが私に体当たりしているような感覚がした。何か、プニッとするような何かが……


感覚のする方に目を向ける。すると私の目先にはゲームや異世界物では良く呼ばれているそれがいた。


   「スライム?いや、流石に夢、だよね? いやそれか本当に天国か……」


いくらお父さんの技術が凄いからって、異世界にまで行けてしまうとは考え難い。


「でも、感覚はあるし、息もしてる。天国じゃなければ、まさか、これが明晰夢?」


明晰夢だとしたら、覚めろ覚めろ……と念じれば夢から覚めることが出来るらしい。だが、いくら祈っても私が目を覚ますことはなかった。


   「認めるしかない、か……」


私はここが現実なのか夢なのかはたまた天国なのか半信半疑半戯でスライムとの戦闘を開始した。


だが、スライムは初心者の最初の敵として存在しているような生き物、という訳か、攻撃、というかただの抱きつきのような体当たりではHPが1も減っていないような気がする程弱いようだった。

 必死に体当たりをしている様子を見ている内に、それが可愛らしくなってきて、いつしか触って遊んでいた。


数分かした時、今時分が何をするべきかに気付いた。


「今は遊んでる場合じゃないよね、ごめんね、スライムさん」


私は優しく倒してあげようとして、デコピンで軽くペチッ、とした。そんなに強くはしていないはずなのに、スライムは簡単に倒れてしまった。


   「本当に弱いのね………」


倒したスライムからは、ドロップアイテムが落ちた。


   「何だろうこれ?宝石?」


ドロップアイテムは、青色の宝石のようだった。私は危険をかえりみずにそれを拾ってみる。


持った瞬間、目の前に青い画面が表示され、日本語でこう書かれていた。


   《神石を入手。基礎魔力を測定します》


   「急に何これ!?!?」


      ~アナウンスの精霊について~


アナウンスの精霊には性格があり、とても丁寧に色々な説明をしてくれる雨音のアナウンスの精霊のような真面目タイプ、ちょっと抜けてて頼りなさそうだけどたまに凄く頭が回ったりする光喜のアナウンスの精霊のような天然タイプなど多々存在する。


   《魔力測定中……》


「魔力?ちょっと何言ってるか分かんない……」


 私は急に出てきたこの青い画面に疑問が絶えなかった


《魔力測定完了。雨音様の魔力は8万、基礎魔力量は1万です》


「8万?多いのかな、この数字。そもそも、魔力って何だろう?」


《解。魔力とはこの世界に存在する魔法を扱う際にその威力や疲れにくさ、使用できる魔法の上限に大きく関わる魔法の根本的な「元」です。また、標準的な成人男性の平均的な魔力量は1万です。1万よりも魔力が少ないと通常の生命活動にも影響します》


「え?答えてくれた?そっちの方も聞きたいけど、まあ、話は何となく分かった。けど、そうなると流石に8万は盛りすぎなんじゃ……」


   《スキルを表示しますか?》


   「スキル?」


《解。スキルとは、魔法はこの世界に干渉するのとは違い、この世界に干渉せず、スキル使用者などにだけ影響が出るものがスキルです。また、スキルを創る際にコストを使用しません。補足として、魔物を倒すと、15%の確率で魔法やスキルを獲得する事が出来ます》


「成る程……まだ訊きたい事はあるけど、取り敢えずスキルを表示してくれる?」


   《了》


二条雨音


魔力:8万(ベース:1万)


《上位魔法、スキル》


《魔法》 なし


《スキル》 科学者の卵(魔力8倍)



《他》 なし


   「科学者の卵……?私科学者じゃないけど……」


お父さんに憧れて、機械や物質について勉強したことはあったけれど、科学者と呼べるような事は大してしていなかった。

 分かりやすく言えば夏休みの自由研究程度の物だった。


「そう言えば、何で地球では魔法が使えなかったんだろう?魔力は存在してるのに」


《解。昔の地球には、巨大な魔方陣が展開されており、その影響下で存在していた為です》


   「昔?じゃあ、今は未来にいるって事?」


   アナウンスの人は少し黙ってからこう答えた


   《それについてはお答えする事ができません》


「ふーん、まあいいや。さて、一段落ついたし、あの家にでも行ってみようかな?」


私が歩き出すと機械は浮遊して後ろに付いてきた。


   少し歩くとまたスライムがいた


「あ!またスライムがいる!今度は……色が少し違う?黄色?」


《補足。黄色のスライムはスライムの上位種、レモンスライムです》


「そう言えば、魔法が撃てるってさっき聞いたし、魔法、使ってみようかな?」

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