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4.朝と神石の輝き

 〜城内 個室〜


 目が覚めた。俺いつの間に寝たんだ……? 何か見知らぬ個室にいる。ベッドと窓が一つとクローゼットが付いている、何だか洋風の部屋だ。

 ん? それに、何か布団の中に何か感触があるな。何だこれ?

 と、目を擦りながら寝ぼけている頭をグググ……と横へ動かす。すると、そこには良く見慣れた人が眠っていた。


「zzz……」


 そして夏目がここで寝ている!? え!?


「うわあああ!!!」


 驚いて飛び起きてしまった。もう完全に目が冴えた。


「ん? 光喜? 光喜! やっと起きたんだ! 光喜ー!」


 夏目は俺に抱きついてくる。うっやばい、俺の脚力じゃ立て、ない……


「ちょ、一回離れて一回!」


 ヤバい! この近さだと立てるかとかより可愛さで昇天してしまうかもしれない!


「イーヤーだー! 離したくなーいー!」

 「ちょ苦しっ……やばい……息が……うっ」


「あれ? 光喜? 光喜ー!」


◇◇◇◇


「う、う~ん」


 今日二度目のおはようだ。あれ? 何かさっきの記憶があるような無いような……


「あっ!光喜!大丈夫?」

「ま、まぁなんとか……」


 危うく窒息するところだったな。


「じゃあお腹すいたし朝ごはん食べに行こっか!」

「そ、それもそうだな……」


 〜食堂〜


「あっ!夏目ちゃんおはよう!初対面だけど光喜君もおはよう!」

「えっと、こちらの方は?」


 見た感じは凄くムキムキマッチョだ。逆にそれ以外に何があると言うのか。


「フーカっていうの。この人はね、毎朝私に美味しい料理を無料で作ってくれるの!」

「料理には自信があるぜ!」


 え?ムキムキマッチョが料理?何かギャップがあるなあ……


「そうなんですか。では今日はお任せでお願いします」

 「OK! めっちゃ美味い料理作ってくるから待ってろよ!」


◇◇◇◇


「おまたせ! 俺様特製のできたてギフトだ!」

「これは……オムライス?」


 オムライスは好きだ。でも、色が全体的に黒っぽいと言うか……まあそんな事は気にしなくてもいいだろう。


「違うよ光喜。これはね、見た目も味もすっごくオムライスそっくりなんだけど、ここではギフトっていうんだよ!」


「そうなのか。じゃ、いっただっきまーす!」「私もいただきまーす!」


 取り敢えず大きめに一口。あ、玉子ふわふわ!

鶏肉ジューシー!おおおおおこれは!!!


 「美味しい!!!」「美味しー!!!」


「俺の料理がそんなに美味いか! いや~嬉しい限りだな! じゃんじゃん食べろよ!」


◇◇◇◇


「美味しかったです! また来ます!」


 いやーこんなにも美味しいオムライス……じゃなくてギフトは初めてだったな、って、これ食うの初めてだろって。


「おうよ!」


 〜城内 個室〜


「ねぇ、光喜」

「ん?どうした?」


「今回のスライムの事件と言いこの星に来て分かったこと、知ったことは沢山あってちょっと疲れてるでしょ?」

「ま、まぁそんな感じかもしれないな」


 ここに来てまだマトモな生活してないっけな……


「だから光喜が眠っている間にちょっとまとめてみたの」

「はいはい」


 あ、夏目って意外と真面目なんだな。頼りになりそうだしな……


「まず、この世界には神石という石があって魔法を使えたり、作ったりできること」

「疑問に思ってなかったけど魔法って実在したんだな」


「そうだね。で、この星はそんな神石が足りなくて困っていて、それを解決するために私達はここに連れてこられた。そういうことかな?」

「まぁそうだと思うけど何で地球までこの星の奴らは来たんだろ?」


「地球以外に知能のある生き物がいなかったからじゃない?」


 スライムは使い物にならなそうだし、まあそれが一番可能性はありそうだな。


「そういう事か……まあ、知能だなんて普通に考えて中々無いもんだからな。だって、まだ地球では何一つ他の知的生命体を見つけれていないんだろう?」


「そうだよね。人ってすごいよね〜! あ、そういえば光喜!」

「どうした?」


『私も魔法、使ってみたいの!』


神石について②


創造魔法=魔法


魔法を作るコストを使用しない魔法


属性魔法(火属性魔法や水属性魔法など)

攻撃力上昇バフ(神石に火属性魔法を吹きかける)

防御力上昇バフ(神石に水属性魔法を吹きかける)

回復魔法(骨折まで)

物の創造(一度に50キログラムまで)


 〜城内 庭〜


「うわぁ~庭と思えないよこんな広さ!」


 確かに広い。学校の校庭よりも広いんじゃないか?


「ここなら魔法を撃っても問題なさそうだな」

「じゃあ光喜! 神石かーして!」


 俺は夏目に神石を『手渡し』する。


「どうぞ。好きに使っていいからな」

「はーい!」


 この右手の感覚。一生の宝だな。


「とりあえず基本の水属性魔法からやってみようか」


 もう俺が教える立場とは、時の流れは早い物だ。


「良しやってみせる!」

「撃ち方を説明するぞ。まずは神石に意識を集中させる」


これで伝わるか……? 夏目が感覚派だといいが……


「集中、集中……」


「そうしたら頭の中で創造したい物のを考える」

「水、水、水……」


「そして意識を解放する」


 こんな感じだっけ、うろ覚えだから合ってるか分からない……


「解放!」


 夏目の魔方陣からは、なぜか蛇口を少しだけ緩めたようなしょぼい水が出る


「何か、あんまり威力なくない?」

「う~ん。もしかしたら属性の得意不得意があるかもしれないな。じゃあ次は火属性魔法ををやってみようか。やり方はさっきと同じだからな」


「分かった!集中、火、開放!」


 今度は火炎放射器でも使ったかのように勢い良く炎が出た。夏目はやはり感覚派か。コツを掴むのが早い。


「今度は威力強すぎ! やっぱり人によって得意不得意があるみたいだね」

「じゃあ私は火属性が得意なんだ~。後すっこく疲れた……」


 光喜を守れるように回復魔法とかが良かったな……


「うん。とりあえず一旦休憩しようか。俺は神石を持ってくるからここで待ってて」

「はーい!」


「ふぅ、よし! もっと魔法練習するぞ! っとその前に休憩休憩! ってあれ? もう疲れてない? よし、練習開始だー!」


   〜ニ分後〜


「ふー疲れた。休憩休憩っと!」


   〜一分後〜


「やっぱり疲れがなくなるのが早い! これならもっと練習できる! それに段々と撃てる回数も増えてきてるからこの調子で頑張るぞ!」


   〜十分後〜


「おまたせ〜。いや~陛下に許可は貰えたはいい物のしまってある場所を探すのに苦労しt」

「ファイアー!」


 出て来た光喜に気付かず、光喜に炎が直撃してしまった


「熱っ熱っ熱っ熱っ熱っ!!!」

「大丈夫!? 今水かけるから!」


 水をかけて、鎮火する。危機一髪だった。あともうちょっとで光喜を燃やす所だった……


「な、何とか……大丈夫」


 うっ、火傷して所々ヒリヒリして痛い……


「ごめん! 今治してあげる!」

「えっ!? 治す!?」


 そうか、攻撃魔法以外にも魔法の種類はあるのか。


「うん! 光喜がいない間に回復魔法があるかなーって予想して木を燃やしたあとに使えるか試したら元に戻ったの! だから大丈夫、安心して!」、とは言われた物の少し怖いな……


「あ、あぁ」

「治癒魔法、ヒール!」


 あれ? どんどん痛みが引いて……火傷の傷も全部癒えて行く……

 終わった頃には、怪我をする前と何ら変わりなくなっていた。治癒ってすげえな!!!


「良し! これで完璧!」

「ありがとう、夏目」


「どういたしまして!」


◇◇◇◇


 手に持っている神石をポケットに仕舞おうとした時、それに気付いた


「あれ? 神石が何か赤く光ってる……?」

「え? もしかして神石に私何かしちゃった? 爆発するとか……ない……よね?」


 ・  ・  ・


「取り敢えず色が変わっただけで特に何も起こらなさそうだな……」

「一回魔法を撃ってみたら?」


危険を顧みていない気もするが、この世の全てはやってみなくちゃ分からない。

 それに、いざとなれば夏目がヒールで何とかしてくれるさ……


「そうだな、行くぞ……ウォーター!」


 俺がそう言うとまだ陛下の顔に少し掛かるだけだった水魔法が高圧洗浄機みたいにドバドバ出た

 だがそのせいで夏目の服を濡らしてしまった。何と言う失態だ。これこそ斬首じゃないか?


「光喜やりすぎだよ! おかげで服がびちょびちょになっちゃったじゃん! これお気に入りなのに……」

「いや、わざとじゃないって!何か軽くやっただけなのに凄く威力が高かった……」


 何とか弁解しようとするも、駄目だ嫌われる未来しか見えない。


「わざとじゃないの?じゃあ……あっ! この神石が赤くなった事と関係してるんじゃない? うぅ寒っ!」


 夏目……君はなんて優しいんだ……こんな俺にでもこんなに優しくしてくれるなんて本当に女神じゃないか!


「この神石が関係しているんだとしたら攻撃力上昇か……

 つまり神石に火属性魔法を当てると攻撃力上昇のバフがつく、という事かな?」


「じゃあ他の魔法を当てれば他のバフも付くんじゃ……へ、ヘックシュン!!」

「風邪引いちゃいそうだな。一回城に戻るか」

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