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0-23.禁忌

豆知識:ハーシャーダーツァイトとは、2秒だけ過去に時間を戻せる魔法。ループ対象と発動者のみループ間の記憶が残り、それ以外の生物は時間が飛んだように感じる。又、何回でも使用が可能な為、いくらでも時間を飛ばすことが出来る。

「君には後もう一つ、謝らなければいけない事があるんだぁ」


その言葉を聞いた時、俺はビックリして「うわっ!?」と、声を出してしまった。それもその筈、何故なら、疲れに疲れて眠りにつく所だったからだ。

 最後に話してから、物の数十秒で寝てしまったかもしれない。


「おや?起こしてしまったかい?なら、それも、謝らないとねぇ……」


「いや、別にいいですよ。俺はそんな事で怒ったりはしませんから」


「そうかい……?じゃあ、話を戻して、謝らなければいけない事何だけど……」


   「何でも話して下さい」


そう言うとセストさんは笑みを浮かべて話し始めた


「もし、君があれ程の実力ではなかったら、ティトをそのままにして、君を」



       『殺すつもりだったんだ』



   「ゑ!?」


   突然の事実に俺は驚きを全く隠せずにいた


「こ、殺すつもりだったって、え!?じゃあ、何でそんなにニッコリ笑ってるんですかぁぁぁ!?」


怖 す ぎ る!!!!!やっぱこの人ヤバい人なんじゃないのかぁぁあ!?

 どうしよう、かと言って逃げれる可能性はほぼ0に等しいし、もうこんなの聞いてねぇよ!!!


「あ、やっぱりビックリしちゃった、かなぁ?流石にこれは君でも怒っちゃったみたいだねぇ………。で、でも、今ちゃんと生きてるし、許してはくれやしないかなぁ………?」


「そんな許せる訳ないじゃないですか!?もうこれ立派な殺人未遂ですよぉ!?」


「ゴメンねぇ………。じゃあ、ティトが謝ってくれるなら許してくれる?」


この質問に対し俺はもうどうでも良くなっていた。それより一刻も早くこの地獄の様な場所から逃げたかったのである。


   「もう、それでいいですよ………」


「有り難う!!!じゃあ早速………おい、ティト」


[は、ハイ!!!!!]


ティトは姿を完全に現して、体は白色で、顔がない人型の魔物である事が始めて分かった。だが、足はやっぱり無かった。


そして、俺はセストさんの声にビビった。

 名前を呼ぶ前までは、まるで教育番組に出てくるお兄さんの様な優しい声だったのに、名前を呼ぶ声は一変。

 その人からは想像も付かない程怒りの籠った冷たい口調で呼び、その高低差に俺はビビったのだ。

 そりゃあティトもあんな返事になるよ。


「謝れ」


[ハイッ!!!!!]


ティトは躊躇う様子を一切見せずに地面に頭を打ち付け、所謂、土下座をした。


「何度もループして、酷い目に遭ったが、今回はこれで許してやるよ。セストさんにも悪いし」


[ありガとウ御座いマス]


「ん?ティト、お前、まさかハーシャーダーツァイトを使ったのかい?」


[あ、シマッた]


「へえ~道理でお腹が空いたと思ったよ。それで、何回やっちゃったのかなぁ?」


[10000回程………]


「………殺してもいいかい?ティト?」


[ヒッ!!!!]


何だ何だ?もしかしてあのループ技って禁忌だったのか?

 そうだとすればとんでもない事しでかしてるぞ、コイツ。


「君の為に説明しておくとハーシャーダーツァイトはこの世の時間さえも歪めてしまう正しく禁忌の二文字が相応しい魔法。それを3時間分使うとは………呆れたよ。多分、この世界に相当な被害が出てるだろうねぇ」


[ウゥゥ………]


「それじゃあ、君には少し待っていてくれないかな。僕はティトと少し用が出来た。そう言えば君、名前……何て言うんだい?」


   俺には答える以外の選択肢は消え失せていた


「霧谷……貴也です……」


「貴也君だねぇ。良く覚えたよぉ。じゃあ、また後で、ね」


俺は少しずつ遠ざかっていくティトの背中が絶望色に染まっているように見えた。


ああ、もう絶対に解放なんてされる気がしねぇよ………

結衣ぃ…………助けてくれ………

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