0-16.強化
それは魔法縛りでバトルしていたときだった
「お兄ちゃん、私達にもスキルとかってあるの?」
俺はそう質問されてはっとする
「す、すまない!うっかり忘れていた。勿論俺等にもスキルはあるぞ」
結衣はそれを聞くとバトルを中断し、こちらに近づいてキラキラと目を輝かせて俺にこう訊ねる
「え!ホントに!?じゃあどうやってスキルがあるって知ったの?」
「あ、あぁ。簡単に説明するとだな、結衣は魔方陣があるのは知っているか?ちょっと展開してくれ」
「勿論!言語理解を作ったときに開いたよね。開く原理とかは知らないけど……」
結衣はそう言って魔法陣を展開する。青色で複雑な形をしていて魔法構築、スキル構築、魔法強化、スキル強化の4つの選択肢が四角く区切られててとてもシンプルかつ代表的な形だ。
「それで、ここからどうするの?」
「魔法構築かスキル構築を選択してくれるか」
魔法構築をタップすると魔法一覧がズラッと表示される
「こんなのずっと見てたら頭痛くなりそうだよ……」と、スワイプしながら話す
「それで、スキルの見方だが、右上に所持魔法・スキル一覧というのがあるだろ?」
俺はそう言って指をさす
「ホントだ!これを押せば私のスキルが見れるんだよね!?」
「まあそんな慌てなくても大丈夫だって」
「ええい押しちゃえ!ポチッ!!!」
すると、結衣のステータスが表示された
≪下位魔法、スキル≫
≪魔法≫ なし
≪スキル≫ ソウルブレイクⅠ
≪中位魔法、スキル≫
≪魔法≫ なし
≪スキル≫ 属性魔法強化 Ⅳ、攻撃力強化 Ⅳ、防御力強化 Ⅳ
≪上位魔法、スキル≫
≪魔法≫ なし
≪スキル≫ 言語理解
≪超上位魔法、スキル≫
≪魔法≫ なし
≪スキル≫ 王者の立ち振る舞い
≪神聖魔法、スキル≫
≪魔法≫ なし
≪スキル≫ 聖女、聖なる力
「こ、これが私のステータス!!!」
結衣は満足そうな笑みを浮かべる
多分聖なる力というのがあの隼という刀のスキル。
そういえば、刀や剣を持ったらスキルが所持者に付与されるなら、落としたり失くしたりしたらどうなるんだ?
ちょっと試してみるか。
亜禅を床に置こうとすると浮いたまま静止した
「私のステーッタスッ♪ふふーん♪………あれ?お兄ちゃん何してるの?」
「ん?いや、剣を落としたらスキルは消えるのか実験しているんだ」
「結果は?」
ステータスを確認する
≪神聖魔法、スキル≫
≪魔法≫ なし
≪スキル≫ 勇者
「しっかり消えていた。つまり、武器を持っている間だけ効果を共有できる、という訳だ」
「へ〜。じゃあ私この隼は肌見放さず持っておく!」
「いい心構えだな」
そう言うと結衣は満面の笑み(めっちゃ可愛い)を浮かべて嬉しそうにして、数秒経った後に何かを思い出したように話し始めた
「そういえば、魔法強化とかスキル強化とかって何だろう?強化したらどうなるのかな?」
あー確かに!!!てか、今までこんな当たり前な疑問を考えて来なかったの俺!?
「それは俺も気になる!!!」
「だよねだよね!!!じゃあ早速やっちゃう?」
「やっちゃおう!!!」
◇◇◇◇
「取り敢えず魔法強化から見るか、って言っても、結衣は魔法持ってないから意味ないか。じゃあスキル強化、やってみるか」
「お〜ワクワクする!!!」
『スキル強化』をタップすると持っているスキルがズラッと表示された。そして、上の方に 「討伐ポイント 10,680」と表示されていた。
「討伐ポイント?何だろうこれ?」
「まあ、そういうのには今は気にせずに取り敢えずスキル強化してみなよ」
結衣は少し納得がいっていない様子だったが、結局「王者の立ち振舞い」をタップした
そうすると、こんな表示が出た
《王者の立ち振舞い を 覇王の立ち振舞い に強化しますか? 討伐ポイント 10,680 → 9,680》
《覇王の立ち振舞Ⅰ:王者の立ち振舞いの効果と身体能力8倍の効果が付与されます》
「討伐ポイントを使ってスキルを強化する……って事?」
「成る程、討伐ポイントはそういう使い道があったのか」
まあ、大体は予想できたと思うが……
「ねえお兄ちゃん。強化してもいいかな?」
別に俺がそれを断る必要はない
「勿論!思い切りやっちゃってくれ!」
「オッケー!じゃあ、強化開始!」
ポチッと開始ボタンを押すと、「NOW LOADING...」と表示され、ゲージが溜まり始めた。
「10%、20%、30%、40%………100%!!!」
・ ・ ・
結衣の見た目は特に変わっていない。でも、身体能力8倍だ。魔力感知で結衣を見ていたが、さっきよりもオーラの大きさが8倍といっていい程には大きい。その前に、元々聖女と聖なる力でとても大きいオーラを放っていた。でもそれがいきなり8倍って俺もう結衣に勝ち目ないんじゃないのか?
いや、俺だって王者の立ち振舞いは持っている。俺も強化すれば結衣と互角になる筈だ。
「うーん。あんまり変わったっていう体感が無いな〜」
「その内実感する。だから少しの辛抱だ。待て」
「はーい」
さて、俺も強化するか。えーと、魔法陣を開いて、スキル強化を選択。そして、王者の立ち振舞いを選択。
《王者の立ち振舞い を 覇王の立ち振舞い に強化しますか? 討伐ポイント 16,420 → 15,420》
《覇王の立ち振舞Ⅰ:王者の立ち振舞いの効果と身体能力8倍の効果が付与されます》
良し、強化開始!!!
NOW LOADING...
10%、20%、30%、40%………100%。
………。やっぱり体感は何も変わっていないが、まあ相当強くなっているのは確かなのだろう。
丁度あそこに岩がある。ちょっと魔法を撃ってみるか。
「アイス……スピ……ア……!!!!!」
言葉を発しながらスキルのとてつもない威力を身に感じていた。
大きい何よりそれが第一印象だ。そして、魔法陣も大きい。これが放たれたらどうなるのだろうか。
「アイス、スピア!!!」
俺の体の10倍はある巨大な氷の塊が放たれた瞬間目の前から消えてその代わりにとてつもない爆音と風が俺と結衣を襲った
告:光喜がUFOに連れ去られるまで後59日と4時間




