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0-12.絶望

「結衣!そんな事したら死んでしまうぞ!?」

「いいの。だって、お兄ちゃんを頼れば、いつも大丈夫だったから。私は今、安心してる」 


 私はそう告げると、ストロングの方を睨みながら攻撃を受ける事に集中した。


「結衣……」

「ここでアンタを倒して、お兄ちゃんを安心させる!!!」


『そうか』


「……言っちゃあ悪いが、俺様はまだ本気を出していない。精々10%だ」

「10%……」


「何!? 10%だと……!?」


 奴がまだ本気を出していないと言う事は分かっていた。でも10%なんて予想を遥かに超えている。

 お兄ちゃんの驚きようからして、私と同じような予想だったんだろうな。

 多分これはお遊び。本気を出されれば確実に殺られる。さっきは散々調子こいて自分一人で出来ますよアピールしてたけど、もうそんな事する必要ない……よね?

 お兄ちゃんを安心させたかったんだけどなぁ……


「アンタ、さっき誠意を持って私達に挑むとか、言ってたけど、本気を、出さずして何が誠意よ!さっさと私を、殺せばいいのに……」

「それはお前の誠意の価値観だろ?俺様とお前を一緒にすんじゃねぇよ。俺様にとっちゃあ、相手としっかり闘ってやるのが誠意だ」


「そう、ならもうとっくにしっかり闘ったでしょ……早く、殺しなさい……」

「そうか、ならそうさせてもらうぜ!」


◇◇◇◇


 俺は手から血が滴り落ちる程に拳に力が入り、歯がギシギシ言う程に噛み締め、今にも沸騰する程に心が怒りで燃え上がり、その場に立ち尽くしていた。


「これで、満足か?」


 結衣は口から血を吐きながら苦しそうに答える。


「そう……それ、で……いい……の……」

「結衣……!!!」


 信じられない。そして信じたくない。結衣の腹に刀が刺さっているなんて。

 助けた方が良かった? 助けなければいけなかった? それとも、はなから助ける事は出来た?


 違う、怖くて近づけなかったんだ。


「何だ? お兄さん。そんな怖い顔すんなよ」


 何れにせよ結果は変わらない。俺は、俺は……


「お前を許せない」


 憎しみが恐怖を打ち破るのに時間はそう掛かりはしなかった。


「お、来るか? なら、次はお前等の誠意に則って最初から全力で闘ってやるよ」


 ストロングは結衣から刀を引き抜く


「ゔっ!!!」


 また拳に力が入る


「叫ぶ声も出せない程に痛めつけてぶっ潰してやる!!!」


 スキル 身体能力強化 作製。


 《作製に成功しました》


 体に痺れが走る。スキル 索敵 洞察 魔力感知 予知 作製 。


 《作製に成功しました》


「うっ!!」今度は声が出た。


「お兄ちゃん……」


 スキル 迅速 高速治癒 強靭 作製。


 《作製に成功しました》


 何度も痺れたからか、今回は少し耐えれるようになった。


 結衣はまだ、死んではいけない。俺は結衣がいないと多分死ぬ。だから、俺は結衣を守る。

 だが、既に守ってやれていないのも事実だ。俺如きの力で結衣の傷を治してやれるのだろうか……


 アンデッドウェーブ終了迄残り5分です。


「勝手に苦しんでるようだが、本当に俺様と闘うつもりはあるのか?」

『あるに決まっている。さあ、5分間の死闘と行こうぜ』


◇◇◇◇


 俺は飛び出すようにストロングに向かって剣を振るう。


「お前如きが俺様に傷を付けられるとでも?」


 ストロングは刀で受けようとする


「それはどうかな!」


 俺は思いっ切り剣を振り下ろし、ストロングの刀を切断した。


「な、何だと!?」

「これで、お前の本当の本気とやらが見れるか?」


 俺は少し後ろに引く。


「ふっ、いいだろう。所詮、この刀は業物。俺様の本当の相棒を見せてやる」


 ストロングは謎の空間からさっきの刀と見分けが付かない刀を取り出す。結局さっきまで本気じゃなかったのかよ……!


「これは、さっきの刀と見た目は同じだが、切れ味、素材、美しさが全てあの刀の上位互換の刀。その名も超大業物 蛇針(だしん)。蛇のように素早く、針のように鋭いという意味だ」


「俺はそんな脅し混じりの説明で怖じたりしない!!!」

「脅しじゃねぇ。殺害予告だ」、そう言葉を発した瞬間、消えて姿が見えなくなった。


 結衣の辛そうな息だけが聞こえる。だが、スキル 予知、索敵が自動的に発動してくれた。


「真後ろよりも少し左」


 相手に隙を与えない程に素早く振り返って剣を振った。


「本当にそれは俺様か?」


 何?


「つまり、それは残像だ! という奴だ」


 グサッ、という音が耳を貫いた。


 《アンデッドウェーブ終了迄残り4分です》

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