0-10.死期
【祝 2/12 1000PV達成】
「お兄ちゃん………」
「ああ、分かってる」
実際俺は心の中でめちゃめちゃに焦っていた
半分!?半分ってゑ!?水爆であの雑魚が半分も削れないなんて可笑しい!絶対可笑しいって!
こんな時は何をすれば良いんだ……?もう一発水爆 圧縮型ボール撃つか?それが良いか。そうだ、そうしよう。
そう思って結衣に話し掛ける
「結衣。もう一度水爆の奴をぶっ放すから、爆風に備えてくれ」
「OK!今度は一匹も残しちゃ駄目だよ!」
「そのつもりだ」
……とは言った物の、本当に倒し切れるのか?……いやいや!倒せる!きっと大丈夫な筈だ!
最大出力、木っ端微塵にしてやらぁ!!!
「水爆以下略!!!」
なーんて、そんな甘い考えじゃアイツ等は倒せないみたいだ。
スパァァァン
「え?」
「ゑ?」
ボール、切れちゃった
待て待て、水爆のボール切れたらヤバくね?
「対魔法バリア!!!」
本当に、結衣には感謝してもし切れないな
耳に爆発音が劈く
「ど、どうしていきなり、水爆、以下略が………」
あれ?息切れがする。別に魔法を撃った以外に何もしていない筈………
もしかして、MPが本当にあったりするのか?それならあまり魔法は連発しない方が良さそうだな………
爆発が収まり、目の前の光景に驚いて油断していると今度は結衣の声が俺の耳に入ってきた
『お兄ちゃん後ろ!!!』
え?
振り返ろうとしたがもう遅かった
ここで俺は死ぬみたいだ。勇者失格だな
「お兄ちゃんに、何をするの」
それは、本当に一瞬の刹那の出来事だった
『一刀流奥義 疾風』
瞬きをしたら、もう既に首は飛んでいた
ガイコツの、な
結衣は溜息を付いて落ち着いた顔で刀を鞘に納める
「い、今何が………!?」
俺は死にかけた恐怖感と焦りで声が震えていたが、自分では気付くことは出来なかった
「お兄ちゃん。怪我、してない?」
「し、し、していないが………」
「声!震えてるよ!」
「い、いや、結衣がいきなり何かそう………凄かったから………」
「そうだね〜」
「いやいや、何でそんな普通にしていられるんだ!?今までただの高校生だったお前がこんな凄い事して冷静でいられるなんて………」
「う〜ん、分かんない!」
「えぇ………」
絶対に何かある筈だ。不思議でならない。普通の高校生にこれが出来てしかも驚きもせず冷静にいてられるのだろうか。
いいや無理だ。無理無理。俺にだって出来る気がしない。
多分、何かが結衣に作用したんだろう。作用?最近結衣に変化をもたらしたのは………
刀だ
刀が結衣に作用したのか?ならどんな風に?
スキルとか呪いとか魔法が刀にかかっているとかそう言うのは結構テンプレだが………
「あぁぁぁ!!!!!」
「ん!?何だ!?」
結衣の声に反応して辺りを見回す
「な、何が起こって………」
「ガイコツが、いなくなってる!」
「んだと!?」
水爆以下略に耐えた奴等を見失ってしまったのか!?
それはつまり………非常にヤバい事態だ。俺は奴等を見下していたが、もうそれは思いっきり前言撤回だ。
恐らく、一回目の水爆以下略で俺に隙がある事を確認し、ニ回目に一体を俺に向かわせ、殺そうとしつつ、俺の視界を奪ってそこら中に散った。
今も何処からかこちらを見つめて攻撃するタイミングを見計らっているのだろう。
正に四面楚歌いや、結衣がいるから三面楚歌、いやいやそんなのどうでも良くて………
アンデッドウェーブ終了迄残り15分です
アナウンスか。後15分………。耐えれるのか?
「お兄ちゃん、来るよ」
「お、おう………」
そんな事も、分かるんだ………。
◇◇◇◇
そいつは、ゆっくりと、安心し切ったように茂みから出てきた
「俺様と闘う覚悟があるか?お前達」
少しボロボロの服に、紫の柄が特徴の刀を持ってその場に仁王立ちしている
「もう準備は出来てるよ」
え、何で普通にガイコツと喋ってんですか、結衣さん。
そんな事はさておき、こいつは他の奴等よりも手強いのが目に見えて分かる。
「俺等には負けられない理由がある」
「そりゃあ大したもん背負ってんだな。良し、お前達の殺る気は感じられた。なら俺様も誠意を持ってしてお前達に挑むとしよう。俺様はストロング。名前でも覚えてくれりゃあ幸いだ」
「嫌でも覚えてしまいそうだがな」
「お兄ちゃん、縁起のない事言わないの………」
「魂よ集え!今こそ真の力を解き放つ時!」
周りの草むらから魂と思しき白い球体が舞い上がり、敵の上に集まる
「これ位集れば良いだろう」
「その魂は何処から……」
「これか?それはさっきのガイコツ達の魂だ。アイツ等、上屍は俺様と同等に強いが、吸収すれば指数関数的に俺様は強くなるのさ」
指数関数的。つまり、強さと強さで足し算して強さを増大させるのではなく、掛け算で強さを増大させるという事。これはヤバいな。
「お前、何故他の奴等より強いんだ?水爆を受け切るなんてさっき闘った奴等とは強さが桁違いだ」
「見た目はあの雑魚とそこまで変わらないが、俺様はあの雑魚である屍の最上位種。屍ノ王だからな!因みに、屍ノ王は俺様唯一人。魂を吸収したらどうなっちまうかなぁ!」
「魂達よ!俺様に力を託し、そして敵を葬り去れ!」
敵の体に魂が吸収されていく
「あぁ、力が漲ってウズウズするなぁ!さっきの俺様とは格が違うのがハッキリと体を通じてヒリヒリ伝わって来るぜぇ!」
コイツの言っている事は多分正しい。こんな俺にでもコイツの凄さが分かる。オーラを放っているかのようなあの佇まい。俺は今からアレと闘うのか………
「さぁ、俺様も準備は整った。始めようじゃねぇか」
「お兄ちゃん!」
「結衣、魔法は撃ちすぎるなよ」
『さて、何分生き残れるか見ものだぜ?』




