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18.アンチクレスト

「おーい光喜ー。聞いてるのだ?」


 当然俺は体が痺れてマトモに話が出来る状態ではなかった。


「おい光喜! まだ闘いは終わってないのだ! ニャーを退屈させるな! 約束したのだ!」


 何度聞いても俺は答えない。……答えたくても答えられなかった。


「全く闘っている途中で居眠りとは……本当に地球人は頭のネジが飛んでて困るのだ……」


 アイツが俺の所へ来てゆさゆさしてこう言う。


「おーきーるーのーだー! おーきーるーのーだー!」


 そ、そんな事言われたって俺は動けないんだ。目も開かない。……あぁ、考えるのは許されるみたいだ。口の中が血の生臭い匂いで充満して吐き気がする……


「動けない? 目が開かない? 何でなのだ?」


 分からない……


「む? 何なのだこの紋章は………?」


 奴隷紋に気付いたみたいだ。声の方向からして俺の頭の後ろに奴隷紋があるらしい。そりゃあ見えない訳だ。まぁ、人の首って普通は見えないからどこにあっても同じだがな……


「多分この紋章のせいで光喜が起きないのだ! いや、多分じゃないのだ! 絶対なのだ!」


 じゃあ、つまりこれが奴隷紋の效果なのか? まぁ多分って言ってるしまだ分からないけど……ちょ、ちょっとアナウンスさん!?


《は、はい! 奴隷紋の效果として、2時間以内に神石をトロッコに入れないと全身が麻痺し、倒れて、そのまま意識を保ちながら30分をかけて死に至り、ま、す……!?》


 え!?今死に至るって言った!?


《あ、え、えっと……その……何と言うか……》


 何と言うか?


《す、すいませんでした!!! 以後気を付けて注告するようにします!!!》


 以後って言っても後俺の寿命は30分だ。もう諦めて死を待とう。母さんには申し訳ないが、俺はここまでのようだ。まあ、俺がここまで来れた事自体が凄い事だったんだ。すぐに死ななかった事だけは髪に感謝しよう。


《うぅ……今度こそ本当にご愁傷様です……グスンッ》


 だな……


「死に至るだと!? ならばアレを使うしか……ええい仕方ないのだ! 元々ニャーが吹っ掛けた事アンチクレスト!!!」


 アンチクレスト? 何だそれ?

 そう思っていると奴隷紋があるであろう場所に焼けるような痛みが俺を襲った。本当に焼けてんじゃないのか!?


「アァァァァ!!!」


 あれ? 声が出る。目も……見える。そして立てる。アイツには感謝だな。


「ありがとう、敵なのにのんだか情けな__」


 動かしていた口が完全に停止する。その代わりに脳をフル回転させて情報整理を行う。


 超絶美少女……!?


 何でこんな所に少女が!? しかも服がダンジョンに入る格好じゃない。めっちゃ薄着で「見た目なんて気にしてない」の象徴みたいじゃねぇか。

 まあ人が来なさすぎて承認欲求が薄れてしまったんだろう。知らんけど。

 ……良く見たら尻尾あるじゃん!? 何で付いてんだ!? てかアイツの野郎どこ行った!?

 身長は低くなく高くもない、俺と同じ位の普通と言ったところ。何がとは言わんが、アレも普通と言った所。特に見どころなのが透き通るほど透明感のある白色の髪。例えるなら一枚一枚は透明なポリ袋を何枚も重ねて白くなるようなそんな感じだ。

 アリスは金髪だったが色々な髪の人がいるんだな。目は右目が青で左目が黄色のこれまた美しい瞳をしている。どこかしらアイツを彷彿とさせる。そして、もっともっと見どころなのが……

 猫 耳 DAAAAAAAA!!!

この世の全ての男を虜にするその見た目と言ったらなんと言う事DAAAAAAAA!!! 俺の目を破壊しに来ているぞォォォォ!!! 

 だ、駄目だ。正気を保てそうにない。多分この子は猫耳を除けば清楚系と言われる類に分類される。

 既に俺の目は破壊寸前だが、もしここで猫耳を動かしたり髪をバサァァァってやれば俺の目は失明してしまう。それは避けなければっ!

 いや待て、待つんだ俺。冷静に考えて猫耳だと? それに、白髪(はくはつ)に青と黄色の瞳。この美女はもしかして……いや、お前は……


「お前、重度のヘンタイなのだ? だが、やっぱりあの紋章が原因だったのだ! ニャーの勘は百発百中なのだ!

ワーハッハ!」と、特徴的な語尾と高らかに笑うこの声は……


「お前、アイツなのか!?」

「そうだが、それがどうしたのだ?この見た目が変なのだ?」


 やっぱりアイツだったか。


「いや、えーと。取り敢えずさっきのは忘れてくれ。失敬だったな。それと、敵にも関わらず、俺を助けてくれて有難う」


 俺は率直に思った事を伝えるとこんな返答をされた。


「お前に死なれては退屈凌ぎにならなかっただけなのだ。感謝など必要無いのだ!」


「そうか。じゃあ、質問をしよう。どうやって俺を助けたんだ?」


 俺が一番疑問だった事を訊いてみると、その答えはすぐに帰って来た


「アンチクレストなのだ! アンチクレストは、紋章の效果を打ち消すスグレモノなのだ! まさかここまで来て知らないのだ? この魔法は超上級の魔法で、10年鍛錬しないと獲得できない、なんて言われているかなり有名な魔法なのだ。もしかして地球にはこの情報は行ってないのだ?」


 魔法ってそんな日常的なもんじゃ無いだろ。地球以外の星だったら普通かもしれないが……


「そのアンチクレストとやらの情報も、魔法の情報すらない。まあ、皆それが常識だと考えているし、そこまで不便ではない」

「全く地球の人間は何を考えているのやら……」


 地球では古代文明とかの謎が解明されていない部分が多い。多すぎる。

 もし太古の昔、魔法が地球でも使えてたとすれば、色々な現象にも説明が付くだろう。例えばピラミッドの建築方法とかな。

 いやいや、それより俺には今質問しなければならない重要事項があるだろ! 呑気に考察なんて今するべきではない!


「そういえばさ、アイツは何でそんな美少女、じゃなくてそんな姿になったんだ?」


「その事か? 簡単なのだ! これがニャーの本当の姿だからなのだ! 分かるか?」


 この言葉を聞いて完全に理解した


「おう! 元の姿がめっちゃ可愛いのは分かった!」

「全然分かってないのだ……」


 多分見た目から判断すれば10代後半か20代前半……それでいて化け物染みた強さ。色々兼ね備え過ぎだろ!


「まぁまぁ、ね?」

「ね? じゃないのだ! さっさと闘いを再開するのだ!」

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