16.一体化
そろそろ打撃の格闘には飽きてきたな。魔法とか使って闘うとかもしてみたいよなぁ。
打撃で魔物が倒せることに驚きだがな。
所持魔法
物体念動 Ⅲ
高速移動 Ⅰ
破滅の魔眼 Ⅱ
土を喰らう者 Ⅳ
隠密 Ⅱ
あれ、魔法が増えてないぞ? この世界はバグがあるのか?
《えっと……スキルが増えたんじゃないですか?》
スキルかぁ〜。ちょっと見てみるか。
所持スキル
一体化
防御力強化 Ⅲ
攻撃力強化 Ⅲ
体力強化 Ⅱ
俊敏
言語理解
装備強化 剣豪
装備強化 鋭利
強靭
透明化
索敵
瞬間移動
未来視 Ⅰ
分身
飛行 中
精霊の加護
そんな増えてないな。でも、増えた事には変わりないからな。
それと前から気になってたんだけど、一体化っていうスキルがイマイチ分からないんだけど……
《それはですね、スキル 一体化は、スキル所持者が触れている物に潜り込めるスキルで、意識がある一点を攻撃しないとダメージが通りません。入った物は体の一部の様になり、何処からでも出入りする事が出来ます。また、景色の見え方ですが、入った物が透明になって、全てが筒抜けになっている様に見えます。使い方によっては強くなりますよ!》
説明有難う。聞いた感じだと何か最強スキルみたいなんだけどそんな事ない?
《そんな事なくないです! 所謂最強スキルですよ!》
ですよね〜。でも、復讐には持って来いだな。そう。復讐には持って来いだ。何かめちゃめちゃ優遇されてる気がするけど気のせいなのかな。じゃあ使う練習しとく?
《ですね!》
◇◇◇◇
何か良く分かんないけど緊張するな……
発動方法がイマイチ分からないので「一体化!」と、言ったその瞬間足元の土が溶けて俺が沈み始めた。いや、土は溶けてないな。どうなってんだ? 原理が全くもって良く分からん!
「うわぁ! 何だこれ!」
足が上がらない。底なし沼のような感じがする
《落ち着いて下さい光喜さん! 死にませんからぁー!》
「そんな事言われても落ち着ける訳無いじゃん!」
どんどん沈み込んでもう腰の位置まで来ている。もう、覚悟を決めるしかないか
そうこうしている内に既に首まで沈んでいる。もう何があっても知らん!
目を瞑って事が済むのを待ってみる。地面に足がつく感覚がビリビリと脳へ駆けた。
ゆっくりと目を開けてみる
「な、何だこれは!?」
見渡す限り見たことのない空間が広がっており、下を見ると床がガラス張りのような開放的な景色になっている。また上を見ると発掘所の人々が見えた。
今俺は、地中にいるんだな。
《そうです! 私もこのスキルで景色を見るのは初めてなのでかなり驚いています!》
ここから上に行って出る事も出来そうだがそれじゃあ復讐が出来無い。出るのはよしとしよう。
そういやこれどうやって移動すんの?
《普通に歩けば良いですよ! 上に上がりたかったら階段のようにして上がれば上に行けるし下がりたかったら足を下に出せば下がれますよ! 変な感覚ですがすぐ慣れますよ!》
へぇ~。じゃあそろそろ二層に行こうかな?
《良いんじゃないですか?光喜さんも強くなってきましたからね》
そうだな。確か下に足を出せば下に行けるんだよな。
足を下に……
そろりそろりと足を下に出すとさっきまで立っていた地面が無くなった様に足が下へスルスル~と降りた。
おうおうおう! 何か変な感じだぁ。良し! このまま下へ降りるぞ!
な~んて思った矢先、とんでもない事が起きてしまった
こんな時はツルッなんて效果音が鳴るんだろう。
足を滑らせてしまったのである
また落ちるのかよ! 今度は死ぬなぁ〜、これ。
「うわぁぁぁ!!!」《光喜さーん!!!》
◇◇◇◇
えー現在落下中、落下中。
止まる気配、なし
えーアナウンスさんアナウンスさん。これは一体どうすれば止まるのでしょうか……
《私にもこれはどうしようもないです……光喜さん、ご愁傷様です……グスンッ》
いやまだ死んでねぇよ! どうせ死ぬんだろうけどまだ希望はある……スキル 強靭がある!
《強靭……本当にそれで落下のダメージを防げるんですか?》
分からない……でもそれに頼るしか
《思い出しました!!!》
うわぁぁぁ! いきなりデカい声出すなよ! ビックリするじゃないか!
《す、すいません! 助かる方法を思いついたのでつい……》
助かる方法?
《はい! 今、光喜さんはスキル 一体化を使っているでしょう?》
それは当たり前だがそれがどうしたんだ?
《チッチッチ! またまた甘いですね光喜さん! このスキル 一体化は発動したら何処からでも出入りが出来る事をお忘れですよね?》
アナウンスさんも今思い出した癖に……
《事は良いんです! それより、このスキル 一体化のスキルを使って無限に落下し続ける現象を止められるんじゃないかって》
成る程ぉぉぉ!!!
《うるさいです!》
アハハ、すまないすまない。じゃ、やっていいんだな。
《はい》
今度は「一体化解除!」と言うと、毎度お馴染みフレーズである「その瞬間」、薄暗い場所に移動させられ、脱力していた体が地面に何の躊躇もなく叩きつけられた。
「ぐへぇ! 骨折は……していないか」
《こ、光喜さん……》
あいててて……何だ、アナウンスさん。何か凄い怯えているが?
《階層数を見て……下さい……!》
階層数?
そう言われて周りをキョロキョロしていると階層数が書いてあるであろう石碑を見つけた。
1825階層……
《そうなんですぅ……》
で、でも、もっかい一体化使って戻れば
《それが、駄目なんです……!》
何で?
《いや、あの技は一週間に一回しか使えな》
ぬぅあぁぁにやってんのぉぉぉ!!!
《ヒッ!!!》
これじゃあ死ぬしかないだろぉぉぉ!
《で、でも、また一体化を使って上に行けば……》
それが出来ないんだ。さっきから他のスキルならどうにかなるかと試しているが阻害されて発動出来ない。1825階層なんだ、それぐらい当然だろう。
《なら瞬間移動は?》
それも今試しているがやはり駄目みたいだ。
特定の魔法やスキルを無効化する結界のような物が張ってあるのかもな。
《つまりここの魔物を倒さなければならない、という事ですか……》
だな。確か5層毎にボスがいるだよな。
《はい、そうですが……まさか!?》
そう。ここは1825階層。つまりボスがいるらしい。
《成る程。あ、光喜さん……噂をすれば、ですよ……》
な!?
前を見ればそこにはいた。
白い毛に覆われ、青と黄色の二つの色の瞳を持ち、尻尾がゆらゆらと魅力的に揺れており、刀を咥えてこちらを威嚇している、可愛らしい猫が。




