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10.瞬間移動

「光喜、泣いてるの?」

「ん、あ、いや、何でも無いさ」


 こっそり涙を拭く。


「そんな事より合体させよう。まだまだ強くなりたいしな」

「そうだね! じゃあこの源石達を三等分して分けよう!」


 〜5分後〜


「出来た! 一人22個合体出来るね!」

「合計66個、結構倒したね」


 数分でこれだけ倒せれば上出来だ。平均がどれ程のもんかは知らんが。


「良し! じゃあ合体させるか!」

「おー!」「おー」


「の、前に、だな」

「?」「まだ何か?」


「名前を付けないか? 合体した石、だと何か変だろう?」


 しかも言いにくいし。ダサいし変だし。


「それもそっか! じゃあ名前は……あっ! 超石なんてのはどう?」

「お! それ良いかも!」


「じゃあ決まりね」

「良し! 今からこの石の名前は超石だ!」


 〜合体後〜


「強くなった実感は湧かないがそれなりに強くなったんだろうな」

「そうだね。じゃあこの調子で神石を取りに……」


「ちょっと待って」

「ん? どうしたアリス?」


 今の俺等なら何も問題無く調査を続けれそうだが。


「このまま続行して調査を続けるのは危険よ。光喜だって疲れているだろうし、絶対帰った方が良いと思うんだけど……」


 そうか、ワープホールが壊れてるんだったな。空でも飛べたら良いのに……

 いや、待て。これは魔法で何とかなるのでは? もしかしたら創る事が出来るかもしれない。無理難題かもしれないがきっと俺ならやれる筈! 良し、やってみよう。


「なあ。例えばの話なんだが、魔法で空を飛ぶなんて事は出来無いのか?」


 夏目がすぐさま反応する。


「光喜頭良い! きっと出来るって!」

「やる価値は十分あるんじゃない?」


「そうか、じゃあ早速やるぞ!」


 〜5分後〜


「全っ然出来ねえ……さっきから意識を集中させても途中で電気みたいなのが走って上手く行かねぇ……もうどうしてだよぉぉぉ!」


「創れない魔法もあるんじゃないの?」

「そんなあ……良い案だと思ったのに……」


「でも、空を飛ぶ事に執着しなくても良いんしゃない?」


 え? それってつまり……


「どういう事?」


「えーと、飛ぶのが駄目ならいっそのこと飛ばずに移動すれば全て解決するんじゃないって事」


「成る程……なの? つまるところアリスが言いたいのは瞬間移動って事?」

「大体そういう事。さあ、光喜、突然で申し訳無いけどやってみて」


「お、おう……」


 俺はそれとなく了承した。女の子の望みとあらば、俺は出来る範囲で何だってやりましょう!

 まあ逆にこれ以外に何も思い付かず、人に頼るしか出来ない自分の惨めさを感じているのが本音だが。


 さあ、そんな事は考えてなくていい! 魔法が先決だ!


 魔法陣展開、魔法構築、瞬間移動。


《ヒント 瞬間移動はスキルです》


 と、今目の前に表示されている。ん?

 スキル、なのか。じゃあ一旦戻ってスキル構築を選択。

 他に魔法強化とスキル強化があるけど今は触れなくても良いだろう。

 瞬間移動はーっと………お、あった。スキル構築開始!


 NOW LOADING……


おし! 100%になった! これで出来たのか?


《新たにスキル「瞬間移動」を獲得しました。所持スキルに獲得スキルを追加します》


 お、またアナウンスだ。て言うか何でここに来てから大分後になってアナウンスが? 見てみると何かもう既にあったスキルあるし。

 ん? スキル? そう言えば気になってはいなかったがスキルって何だ?

 魔法とは少し違うのかな。そこらへんどうなってんだ?


《その質問、お答えしまょう》


 え? あ? 誰だ誰だ? 急に誰かが俺の頭の中で喋りだしたぞ!?


《こんにちは! 光喜さん! この度神より派遣されたアナウンスの精霊です!》


 アナウンスの精霊? そんで何で俺の名前知ってんだ?

 いや、派遣されたなら知ってて当然か……


《はい! アナウンス専用の精霊です! 最近は人手不足という事もあり、中々精霊の供給が追いついていなく、さっきまでは自動読み上げ音声を使用していました。申し訳ありません。それで、さっきの「スキルって何だ?」という質問の回答としては、スキルと魔法の違いについて話すのが良いでしょう。ではお話します》


 お、おう。そうなんだな。じゃあ、お願いします。

 ていうか、何で俺の考えてる事が分かるんだ……?


《ふふ、それは秘密ですよ? 話しは戻しまして、作製するのに限界があり、自分以外の環境に影響があるのが魔法、それに当てはまらない無限に作製出来るのがスキル、となっています! 後、スキルには創れない物は無いので自由に創れるのもスキルのポイントですね》


 成る程、そういう違いだったのか。また一つ知識が増えたな。

 そしてまさかのアナウンス専用の精霊とは……じゃあ、今後ともアナウンス、宜しく頼む!


《お任せあれ! です!》


「どうしたの?光喜」


「いや、えーと、何でも……ない」


 うん、ぎこちなさ満載だ!

 こういう嘘を隠し通すのは昔から苦手なんだよな……


「そう? なら良いんだけど」


 いや納得するんかーい。今のぎこちなさだよ? 普通疑うよ? まあいいんだけども!

 そんな事よりスキル? だスキル使ってみよう! 折角創ったんだし使わないと勿体ないだろう? なので、使わせて頂きます!


「スキル『瞬間移動』!」


 一瞬だけ、ほんの一瞬だけ視界が真っ暗になった


「うわっ!?」


 瞬間移動、したのか? 身体に風が吹き付ける。ここはどこだ?

 砂漠とは裏腹に静かな美しい月が見える草原だ。月が綺麗……じゃなくて! と、取り敢えず一旦帰るか。でも……


「どうやって帰れば良いんだよぉぉぉ!!!」


 と、叫んでみたら思いついた。念じれば行けるんじゃないか!?

 と思ったら何か息切れがするな……それも……かなり辛い……


移動した分だけ疲れが来るとかなのか……

 つまり移動距離が短ければ短い程疲れにくい、という事なのか。ま、まあそんな事より帰らなければ。

 きっと夏目とアリスも俺が居なくなって心配してる筈……だ。もっかい疲れが来るのは少々気が引けるが仕方無い。

 あの砂漠あの砂漠あの砂漠あの砂漠あの砂漠あの砂漠……


「スキル、瞬間移動!」


 また一瞬だけ視界が真っ暗になる


「うわっ!」と、尻餅をついてしまった。


 う~ん、2回目で言う事では無いがやっぱり慣れない。


「うわぁ! び、びっくりした~」

「光喜、驚かさないで」


「いやいや、そんなこと、言われても初めてだし、いつ帰って、来るかも、分からない、から、仕方、無い、だろ……」


 そうか、やっぱり念じればその場所に行けるみたいだな。

 だ、駄目だ……疲れが……ヤバい……


《スキル「体力強化Ⅱ」が「体力強化Ⅲ」にレベルアップしました。消費体力が軽減されます》


 アナウンス? 「体力強化Ⅲ」? 良くわかんないが疲れを癒やしてくれるみたいだな。

 あれ? 疲れが軽くなっていく……体力強化すげえな。


「光喜、汗だくだよ? 大丈夫?」

「ああ、大丈夫だ。ただ、このスキルを使うと移動した分だけ疲れが一気に来るんだ。だから、余り遠くへは行けないみたいだ」

「それってつまりどういう事?」


「そうだな……例えば地球とかって多分ここから遠いだろ? だから、そこまで行こうとなると命がいくつあっても足りないという事だ。これで分かるか?」

「なるほど!」


 良かった。理解してくれたようだ。


「簡単には地球に帰らせて貰えないみたいね」

「ま、つまりはそうなんだよな……」

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