プロローグ
この学校には二つの図書室がある。片方の図書室は難しい本が多くて体育館の上にずっと昔からあり、もう一つの図書室は、最近できたばかりで、児童書がとにかく多い。
私は体育館の上にある図書室の方が好きで、図書委員として働いている。
私はルミリ。この学校の生徒でこの図書室と本が大好きな小学五年生。
「コツコツ」私は軽やかな足取りでろうかを歩いていた。今は昼休みで、運動場からは楽しそうな声が聞こえてくる。私は一つの扉の前で立ち止まった。[ギギィ]と重々しい音を立てながら開けると、中にはたくさんの本が詰まっている。ここは体育館上の図書館。円状に広がる本棚は一階と二階に分かれていて、一階から二階に上がれるようにはしごがかかっている。一階の真ん中には丸い形の読書席があり、その周りに一人用の読書席などが配置されている。
「今日は二階の本を読もうかなぁ。」私は慣れた手つきではしごを動かして二階の囲いの無いところで止めて固定すると、図書バックを近くの椅子に置いて、登っていった。
そして、本棚の本を手でどんどん触りながら題名を読んでいっていると、[バタン!]と引いてもいないのに棚から本が落ちてしまった。「あれ?触れていってただけなのに。」私は頭にはてなを浮かべながら落ちてしまった一冊の本を手に取ると、棚に戻した。
そしてまた歩いて行こうと思った時、[バタン!]とまたさっきの本が落ちてしまった。(え?何で?今、なおしたのに。もしかして、なんか壊れたりしてるの?)私は念のため、その本といつも借りている本を持って下に降りた。
「まずこの本を借りてから修理しよう。」私はいつも借りていて、お気に入りの「ありがとう」という題名の本の借りる手続きをした。そして、何度も落ちてきた本に視線を向けた。「どこが壊れてるのかな?」私は試しに適当にページを開いてみた。すると、そのページから竜巻のような風が出てきて、図書室内の本を巻き込んで、室内をぐるぐるとまわり始めた。「え!?えぇ〜!?何これ!?ちょっとまってぇ!」私は反射的にギュッと目をつぶった。すると一瞬浮くような感覚がした。だが、すぐにそれは無くなり、周りを取り囲んでいた風は消え、あたりは先ほどと変わらない図書室の風景にもどっていた。
こんにちは!月夜です!
本好きルミリの大冒険〜ひっそり図書室の図書委員は秘密の魔女〜を読んでくださって、ありがとうございます!これから不定期ですが、更新していくので、よろしくお願いします☆★♪




