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第86話

変な音も消えたので3人とも耳を塞いでいた手を取るが、その浮いている白いフワフワしたものから目を離せない。そしてその白いフワフワしたものが喋りだす


「あれっあれれっうわっ!?」


白いフワフワはミギィとレフティと目が合った。


「ぴぎゃーーーーーーーーん!?」


「ぴぎゃん!?えっ!?」


「おわっ」


「ひえっ」


モナの頭上にいたそれは室内をスーパーバールが跳ねるがごとく縦横無尽に動きまくり最終的に、トイレ前のちょっと影になっている、玄関周辺からは見えづらい、そんな場所で落ちついたようだった。


ばいんばいん!凄かった・・・。とっ散らかっちゃったなぁ。


「静かんなったべ」


「んだな」


そろりそろりと3人で近づいた。


「いる?」


「んだなぁ」


「ちっこいウサギか?」


「飛んでたべ」


「もしかしてケセランパサラン?」


「ケ()ランパサラン?」

ミギィさん、おしい。


「私近づいてもいい?」


「あぶねぇべ?」


3人で話した。私の頭の上から現れたケセランパサランとは興味深い。深すぎる。


「この声は・・・モナ?」


「えっ?呼んだ?」


「モナ!」


隠れていた白いフワフワはモナの頭にバビュンと突っ込んできた。モナの頭にぶつかる前に今まで静かにしていたテンクウちゃんが飛び出して白いフワフワを口にくわえてしまった。


「てててててテンクウちゃーーーん!?」


「食べないでぇぇぇ!!!!」


私も驚いたけどケセランパサラン(仮)ちゃんは大粒の涙をポロポロ溢しながら命ごいに叫んだ。


「わふっ!?」


食べる気は最初からなかったらしく、すぐに口から離してくれた。ポトリと落ちたケセランパサラン(仮)ちゃんは床でウッウッと涙を流した。ビャッコくんがすぐさま近づいて猫の手でボール遊びでもするかのようにケセランパサラン(仮)ちゃんを転がし始めた。


「ちょ!やめたげて!ビャッコくん!」


手を出す間もなくコロコロと変わる状況にミギィさんとレフティさんは全然ついていけていなかった。ビャッコくんも離れてくれたのでその子をフワリと両手ですくいあげるように持ち上げた。


「大丈夫?あなた、私のこと知ってるの?」


「知ってるの。ぼく、わたし。モナのこと知ってるの。」


「喋るんかぁ。」


「こんなん見たことないべ。」


「びぎゃっ」


「「・・・」」


何故かミギィさんとレフティさんが苦手なようだ。手のなかでプルプル震えている。フサフサした毛が小刻みに揺れるから地味にくすぐったい。笑ったらダメだ。私。我慢だ私。


「も・・もなぁ・・・」


「えーーーっとぉ・・・」


「そん子アタイらを怖がってたら話もできやしないだろうから、モナちゃんと2階の部屋で話してきたらどうだい?」


「なるほど。それで良い?」


「うん!」


ミギィさん達は不安そうな顔をしていたが見送ってくれた。2階にテンクウちゃんとコエキちゃんとセイリューちゃんとビャッコくんも一緒に上がった。


「こここここ、この子達も一緒?」


「あっダメだった?」


「・・・・でも、いっか」


「震える割には諦めが早くて切り替えが早いね。“ぼく、わたし”っていう一人称も変だし、二重人格?」


「にじゅうじんかくってなーに?」


「違うっぽいな。」


「わかんないけど、ぼく、わたしなのは、ぼくでもわたしでもあって、ぼくでもわたしでも無いからなんだよ。」


ドアを抜けて部屋に入ってベッドに腰かけた。


「ぼくでもわたしでもあって、無い?・・・あっ無性別ってことかな?男でも女でも無いけど、男でも女でとある。ケセランパサランだからそりゃそうか。」


「ぼく、わたし。ってオカシイ?」


「うーん、ある意味合ってるけど、長すぎないかなって思った、かな?どっちかにしたら?好きなほうは?」


「どっちも好き。だから二つ合わせたの。」


「そうかー。じゃあ変えなくて良いかもね。」


「オカシイ?」


「ちゃんと自分の中に理由があるなら、変って言う人の事は気にせずそれを使って良いと思うよ。おかしくない。私のほうこそごめんね。不躾だったかも。」


「ごめんねしなくていい。モナの話好きだから。モナが好きだから。」


キラキラした目で見つめられる。


「私・・・・あなたの事は覚えてなくって。お名前は?どこで会ったのかな?」


「お名前は、モナがつけてくれるハズだったの。会ったのはね、モナが■□▲▼●(ルーディドルジウス)■●▼□▲(マゥエダュジモ)□□●(ベッセレリモ)・・・・・あれ?なんか言葉が変になっちゃう・・・ごめんね、ぼく、わたし、言えないみたい。」


手のひらのなかで意気揚々と喋っていた白いフワフワもふもふのケセランパサラン(仮)ちゃんは、言えないことがあるとわかると、毛がシオシオとしょぼしょぼ縮んだ。なんだこの生き物。可愛い。目も垂れていわゆるショボーン顔。可愛い。


「モナちゃん」


「なあにテンクウちゃん」


というか下の階にミギィさん達いるのに喋っていいのかなテンクウちゃん。


「この子多分神の使いじゃないかな」


「神の使い!?」


「なんだテンクウ、そんなのいるって信じてんのか」


おっとビャッコくんも喋りだしたぞ。


「まあ、こんなの見たことないですもんにゃあ。モンスター界隈でこんなの聞いたこともないですにゃ」


コエキちゃんもか。っていうかケセランパサランって存在しないのかな。異世界だしUMA(ユーマ)ぐらいフツーに存在しててもおかしくない気がしちゃってたんだけど、違うのかな。


「きゅんきゅーん?きゅんきゅんきゅん」


「ウサギやタヌキの仲間とは違うよ~飛んでたでしょ?」


「きゅんきゅん!」


そういやそうだね!みたいな反応だ。セイリューちゃんとテンクウちゃんの会話はいつもほのぼの見てしまいがちだ。


「君、テンクウちゃんの言うように神の使い・・・なの?」


「どうだろう。でもツカイっていうのじゃないよ。神様の所から来たかもしれないけど、ぼく、わたしはぼく、わたしが来たかったから来たの。お使い頼まれてないからツカイじゃないよ。」


「私のところに来たかったの?」


「うん!よろしくね!モナ!」


なにもわかっていないけれど、よろしくされてしまった。


「私は構わないけど、テンクウちゃん達はどう思う?」


「悪い気配はないから大丈夫じゃないかな」


テンクウちゃん悪い気配とか読めたんですか。初耳です。初耳学です。


「あの2人のオバチャンに怯えなけりゃいいんじゃにゃーかにゃ」


「にゃははは、おやびん、ムチャ言いますにゃ~。」


「ぴぎゃっ・・・・ぐすん」


「きゅんきゅんきゅん?」


「コエキちゃんもミギィさんとレフティさん苦手なの?」


「あの2人はモンスター界隈じゃ一目置く人達ですにゃ~」


「えっ」


「怪物より怪物だぜ」


「えっ」


となりの怪物くんですか


「ボクもあの2人は人間のなかでは強いって思ってたから怪我したときココに来たんだよ」


「ええええええ」


手のひらのなかでプルプルが高まったのは言うまでもないが手がしっとりしている。涙まで出始めたようだ。ハンカチかタオルぷりーず!そんなケセランパサラン(仮)ちゃんからも衝撃的発言。


「やっぱり魔王の配下は怖いよお」


ま、ま、ま!?マ!?今日からマのつく自由業!?の配下!?!?


前回の捕捉書くの忘れてた。


タオルグルグル~って書いてる辺りは湘南乃風さんの歌です。歌詞間違えてる可能性大。ははっ。


こち亀のエンディングって書いたやつは、たしか、渚の女王様とかいうタイトルの曲だったと思う。これも歌詞間違えてる可能性大。




今回の捕捉。


『~~モナが■□▲▼●(ルーディドルジウス)■●▼□▲(マゥエダュジモ)□□●(ベッセレリモ)・・・・・あれ?なんか言葉が変になっちゃう・・・』


の□▼■▲●の部分の読みですが、テキトウにカタカナ入れてます。何か言葉の意味調べて入れたりとかはしてないです。なんとなくてきとーに音のみで入っておます。います。


ホニャホニャとかブァルァルァ~でも良かったんだけど、なんか入れたくなっちゃったのよさ。



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