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第82話

ほぼお食事回。宝石箱や~。的な。食レポ?回。

「コイツはトリアンゴロ。俺のところの新しいシェフだ。」


「本日はお勉強させてもらいにキマーシタ!」


アンドレが説明してくれた。うーん。テンション高男(たかお)だ。顔はおジャ魔女のオヤジーデやパイレーツのジャックスパロウに似てる。体型やせ形のタレ目のヒゲのおじさんだ。


「そんなことより、ほら、冷める前に食べとくれ」


ミギィさんが私とアンドレにお子さまランチへと向き直らせた。アンドレのお腹も小さくクゥっと鳴ったようだ。


「では頂くとしよう」


「うん!いただきまーす!」


「召し上がれ」


てりてりツヤツヤの黄色い卵から現れたのは、じっくり炒められた黄金色の玉ねぎと赤く染め上げられたライスとごろっと主張を逃さないチキン。卵の甘さとチキンライスのしょっぱみと上にかかった追加のケチャップの甘味が合わさって、う、うまぁぁぁ。


「こ、これは、肉団子とは違うのだな!?なんと!?」


アンドレが舌鼓(したつづみ)をうったのはハンバーグだね。もっきゅ、もっきゅ噛み締めてる。アンドレがリスのようだ。私も食べよ。


ハンバーグをわると肉汁がジュンジュワァァ・・・ってお子さまランチの域を越えたクオリティー!ぬわぁ!よだれが止まらなくなる匂い。やばたにえんですよ。


よく炒められた玉ねぎはハンバーグと合わさって存在が見えづらくなっている。しかしハンバーグを噛み締めると現れるその存在感。ちゃんと炒められているのにシャキシャキとした新鮮さ。


そしてこのハンバーグの決めてはソース。茶色いドミグラスソースに入っているのはキノコ。何種類か混ぜたキノコは独特の風合いを醸し出してソースをさらに旨味の高みへと昇華させている。


木苺のソーダ水は口の中をサッパリとリセットしてくれる。そしてまたオムライス、ソーダ水、ハンバーグ、ソーダ水。あぁ、これだけでずっとイケル。


「これに入っているのはまさか、ピーマンというやつではないか?」


ナポリタンをうろんな目で見つめてはいけないよアンドレくん。


「アンドレ、ピーマン食べれないの?」


「えっ・・・も、モナは食べれるのか!?」


「よーく火の通ったピーマンってね、美味しーんだよー」


子供の頃から好き嫌いがあまりなかった。親の調理の仕方とかが良かったのではないかな?ピーマン嫌いだった記憶があまりない。親がスーパーでピーマンが安いのかー、と困っている様子だったときも『青椒肉絲(チンジャオロース)!お母さん!青椒肉絲!』とねだった気がする。


とか思い出しながらハグッとナポリタンを食した。入っているのはピーマン、マッシュルーム、玉ねぎ、ベーコン。・・・・玉ねぎほぼ全部の料理に使ってるね。油っぽい料理には血液サラサラ効果の玉ねぎちゃんは欠かせない。それだけだ。うむ。


「うまぁぁ!こんなナポリタン食べたことない」


パスタ部分の旨味が違う。田舎のスパゲッティじゃあないぞこれ!?


「隠し味がハイッテマース!」


「な!なんだと!?」


アンドレがピーマンのことなどお構いなしにナポリタンを口にした。隠し味がよっぽど気になったのだろう。


「う、うまい!ピーマンも全然苦くない!トリアンゴロ!これまた作ってくれ。これなら俺もピーマン食べれるぞ!」


「隠し味わかった?」


「全然わからん。」


隠し味を吟味しながら食べてみるもお皿からナポリタンが消えてもわからないままだった。


エビフライの代わりのモロコシのコロッケはエビフライ風に縦長なコロッケで食べやすかった。これ、商店街の持ち歩きおやつにぴったりなのではと思うくらいの良いサイズ。私は最後のほうにコロッケを食べたけどアンドレは一番最初に食べていたようだ。私もハンバーグと一緒に食べれば良かった~。ハンバーグと絶対相性抜群だよこれ~!


トマトとブロッコリーとポテトフライもちゃーんと食べたらプリンを食べていいとのことだったのでアンドレと競うようにお皿を(カラ)にしていった。


「デザート!」


「プリン!」


なーんてなめらか~、なーんてなめらか~。な、プリンだ。凄い。気泡がほぼない。この辺りでプリンは販売してなくもないけど、こんなにプルプルプリン売ってなかったハズだ。


「こちらのプリンはミギィさんの手作りデ~ス」


「やっぱり!ミギィさんは食の神様!」


「しょ!?食のカミサマでーシタか!?」


「単なる食堂の料理人だべ。」


トリアンゴロさんが驚きおののいているも少し納得していた。ミギィさん凄いもん。なんでも作れちゃう。


「モナ!このプリン!最高に美味しいぞ!」


「あっアンドレもう食べてる!ズルい!」


スプーンでプリッと1口分をすくう。のっているカラメルソースがテラテラと輝いて黄色くツヤツヤツルツルプリプリのプリンにトロリと色をまとわせる。


ああ、ここは天国か。うんんまっ。


おっと一瞬で半分のプリンが消えてしまった。おかしい。さっき口にいれたのは1口サイズの気がしたのに。いつの間に半分も。


ぷりん、ぷるん。すーばらしきーこーのせかいー、まーだまーだマロ~は帰らない~~~。(by、おじゃ●丸)


「うまかった!」


「ごちそうさまでした!」


「お粗末様だべ。」


「わふっわふっ」


「うにゃおん」


ビャッコくんは気付いたらまたいなくなっていた。後でミギィさん達に首輪のことまた話さなきゃな~。大人しくしているなぁと思っていたテンクウちゃんとコエキちゃんはリネアさんから動物用の食事をもらっていたようで、口の周りをベロリとなめとっていた。テンクウちゃん達もちょうど食べ終わった頃合いだったのだろう。


トリアンゴロさんはミギィさんから色々教わるらしくお子さまランチのお皿達を下げるのを手伝いにミギィさんと共に食堂に戻っていった。


「なんか濃い人だね~」


「腕は一流だ。お兄様も大層褒めていらした。」


「ん?ディオさん昨日はアンドレの屋敷に来たの?」


「ああ、視察としての領主の館に泊まるのは終わったんだ。これで一緒の時間が過ごせる。」


すんごい、幸せそーに語ってるアンドレ。


でも、うーん?視察って街の現状把握が主だよね。こないだサルの騒ぎがあった後始末とかの対応とかも見ておかなくていいのかな。街が、町や市や区とかの分割になるって話、アンドレは知らないのかな?


プントさんもアンドレに微笑みながらも思案顔が隠せてないよ。


「ディオさんってカッコいいよね、アンドレが好きだって言うのもディオさん見て納得したよ」


「お兄様が素敵なのは見た目じゃない!中身だ。見た目しか見えていないならお兄様と婚約破棄した馬鹿女どもと同じと受け取るぞ!」


「ええっ」


「お坊ちゃま・・・!」


「モナが馬鹿女でないとは思っている。けど、知っておいてくれ。俺はお兄様が幸せになって欲しいから女をみる目は厳しくしているつもりだ。」


「う、うん。」


8歳が5歳に話す内容だろうかコレ。


本気(マジ)の風邪ひいて寝込んでました。更新遅くなってすみません。喉いたいし鼻水とまらんし熱でるし。数年振りの風邪で死ぬかと思った。まだ完治してないので頑張って仕事しつつ治す。(ちょくちょく仕事挟むから長引いてる)


トリアンゴロ:意味:三角。



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