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第78話

「そうだなー。と、り、あ、え、ず」


どっこいしょーっとベッドから降りる。セイリューちゃんは寝たままだ。


「なにするの~?」


「文字の練習かな~やる気のあるうちが覚える近道」


「いつも夜ご飯のあとにやってるやつ?今やるの~?ボクと遊ぼうよ~~」


「後でね」


「むー。」


テンクウちゃんがほっぺたを膨らませている。が、本気で不満たらたらと言うわけではないらしく、機嫌はすぐに戻った。洋服ダンスの所に置いていたノートとペンを持って一階に降りた。セイリューちゃん用の月見用に設置したテーブル以外に私の部屋にはテーブルはない。


なのでいつも一階の食卓用のテーブルで書き物をしている。テンクウちゃんもそれがわかっているので特に何も言わずに着いてくる。もう慣れたものだ。


「アンドレ来たらお外で遊べるかな~」


「アンドレ来てもお見舞いに来るだけだから外には行けないよー?今日私、外出禁止されちゃったし、お散歩はミギィさんかナカバさんが行ってくれると思うよ」


椅子に腰掛けながら言う。


「昨日はハジーさんとお散歩行ったよ~今日はモナちゃんと行きたかったな~」


「ふふ、また明日ね」


行きたかったなと言われたら嬉しい。つい笑みがこぼれた。出来れば私も外に出たかった。でも当たり前の心配をされているからこそ明日の自分のためになることを、とどのつまり、本日は休日!を徹底せねばなのだ。


「えーと・・・」


ノートをペラペラとめくった。


「あっテンクウちゃん、そこの取って。取り忘れた。」


「どれ?」


「ちっちゃい黒板セット」


「もが・・・ふぁい、どーぞ」


「ありがと!」


紙がもったいないので反復練習には黒板である。黒板の下にチョークを仕舞っておける単3乾電池入れみたいな長ほそーい箱がくっついていて、パコリと開けてチョークを取り出した。


ノートを広げる。ノートにはミギィさんとレフティさんが書いてくれた文字や数字が並んでいる。


日本のチョークよりも固くて書きにくい。代わりに消しやすいし粉が舞わない。周りに見せる分には白が薄いけど、どうせ練習用で自分しかみないので関係ない。


字の勉強を始めるとチョークのカツカツという音が部屋に響く。テンクウちゃんは私が書き始めると最初は文字を見ようとしていたけれど、たいして面白くもないのですぐに飽きて近くで丸まって目をつむってしまった。


「あ、間違えた。」


黒板消し代わりの古い布切れで黒板を消す。よく画板に固くなったパン、は定番だけれど画板ではなく黒板なので傷が付きやすい。なので布で充分。洗って干せばまた使える。エコだ。


「うーん。この文字はこんなもんでいいかなー?」


ある程度練習したらノートの別のページをパラパラめくる。そのページには私が書いた文字が並んでいる。清書がわりのページだ。最終確認。もう一度見本に戻って、清書ページ見直して。


「しまった、点が抜けてた。注意、注意。えっとー、点の書き忘れ注意。」


清書の方に自分で赤ペンをする。私いつも抜けたりするから、こうしないと忘れっぽくて。チャレンジ1年生なう。夜ご飯の後だったら自分でチェックではなく、ミギィさんかレフティさんにチェックしてもらう。今は自主勉強なので自分でやる。


日々勉強。大人になっても子供だったとしても、ボーッとしている間に出来ることって色々ある。


「明日もし必要じゃなくなっても、一週間後にまた必要になることだってあるし、何事もコツコツ!コツコツ!」


ふんす!


「気合い?」


「あ、うるさくしてごめんね!」


社会人になってすぐに色々失敗多かったから後輩が多くなってしまった今でも、新人の時にやっていたことを繰り返ししている。今みたいに繰り返し繰り返し、忘れないように。今は子供の姿だけど、だからこそ、失敗が増えないように。


「モナちゃんは真面目だねぇ」


「そっかなー。フツーだよー?」


「これがフツーなのかぁ。人間ってスゴいんだねー。ボクは出来ないやー。」


「テンクウちゃんは、ゴールデンブレッド、ドッグ・・?だっけ、そういうモンスターなんでしょ?人間には出来ないことって結構出来るんじゃないの?」


「足早いよ!ビューンって!」


「あと魔法も使えたよね。私・・・あっそうだ。全然見てなかった!」


「ん?」


「ステータスオープン!」


ブォン。





帝麻萌那(テイマモナ)ステータス▼




▼年齢:5歳(?)


▼性別:女


▼体力:8


▼魔力:5


▼知力:10


▼運:幸運2・悪運3・天運2


▼魔法:空間的範囲結界遊戯型魔法[現在使用不可]・創造魔法[魔力不足]・土魔法・水魔法・生命魔法


▼スキル:大童(おおわらわ)[現在使用不可]・笑転(しょうてん)童子(どうじ)[魔力不足]・(あい)似移動(にーど)(ゆー)[魔力不足]・動物音楽団(ブレーメンバンド)[魔力不足]


▼その他:言葉遊び・歌遊び・土遊び・水遊び・ヒトカケラ-20+2


▼職:異世界人(退化)・動物に好かれる者・食堂のアルバイター『ともだち食堂』


▼借金:なし


▼後見人:ミギィ・レフティ


▼守護霊:スズ


▼友好関係:ミギィ・レフティ・アンドレ・ディオ・ユーグリッド・スミコット・ハジー・ナカバ・リネア・チェルキョ・プント・クリストファー・リーリー・マリー・ミリー・ユリウス・ゲイリー・ヨコシャル・デボラ・カメーリャ・ウエ・小熊・小熊・小熊・小熊・熊獣人・熊獣人


▼友好関係:テンクウ・セイリュー・キジン・ポンポコ丸・ぽん吉・トウシャ・ビャッコ・タタラ・コエキ・スバル・アメフリ・トロキ・スズ


▼敵対関係:ジパニーモンクモンキー





って・・・小熊と熊獣人がいっぱい・・・・。あ、名前知らないからか?心当たりがあったりなかったりラジバンダリ。である。というかツッコミどころがいっぱい過ぎてどう反応するべきなのこれ。


「オープンは無かったことに・・・」


ブォン。見なかったことに。んーーーー・・・・・。


テンクウちゃんはきょとんとこちらを見ていた。私が急に困惑しだしたものだから、不思議がっている。


「迷子の迷子の子猫ちゃん~あなたのおうちはどこですか~おうち~を聞いてもわからない、なまえ~を聞いてもわからない~~~」


なんとなく私は歌い始めた。テンクウちゃんは余計に混乱したようだ!はっはっはー。うーん。やっぱりステータスもう一回ちゃんと確認しようっと。


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