第77話
その夜また発熱してしまった。うーん。子供の体の不便なことよ。よくあるよね、昼間元気なのに夜になると熱がぶり返すアレですアレ。お父さんお母さんが寝れなくなっちゃうやつ。ご迷惑おかけします。
昼寝をした後に体調が良かったので起きてスープとパンを夜ご飯に食べたときは元気だったんだけどなぁ。発熱だけで風邪によくある症状がないのが救いかな。食べ物さんは私の血となり肉となりたまえ。
さっきミギィさんとレフティさんが粉の解熱薬の飲ませてくれた。即効性はないので効果は徐々に。苦かった。なんなん、今回は飴ちゃんなかった。しくしく。2人は今はもう部屋には居ない。なぜって今日は大所帯だから。
テンクウちゃんとセイリューちゃんだけだったはずの部屋に増えたねこねこねこねこ・・・・。2人には驚かれた。あたりまえだのクラッカー。
今まで犬科のテンクウちゃんとセイリューちゃんの所に猫科が増え、ミギィさんが大喜び。猫は家に居着かないのも多いからね。公園内で野良猫たちのことも助けたのはミギィさんも知っていたから懐かれたことは疑ってなかった。
いっそのこと喋って説明してほしかったんだけど
『人間の言葉喋んなよ』
ってビャッコくんが言ってしまったから、他の子ホントにニャーニャーしか言わなかった。レフティさんとミギィさんには私が適当にごまかした。ほんと、疑われなくてよかったーーー。
こう考え事に没頭しているその合間も猫やテンクウちゃんやセイリューちゃんがわたわたしている。みんな小声だけどそこそこ騒がしい。夜ですよ。夜中ですよ。お静かに。
「つるっとドロッと僕はリキッドキャッ・・・・あっチィ!!!!ジュワって言った!ジュワって鳴った!!」
「この子の熱スゴすぎるよ!?」
「私の熱がごめーーん・・・」
がらがら声は治ったけど、熱で疲れて声がそんなに出ないなう。私のためにわたわたしてるみんなが可愛い。
「・・・・あれっ熱と共に、魔力が出ていっちゃってる。えっちょっやばいよ!?やばいよ!?」
「で、がわ?」
「モナちゃん!何!?何か出たの!?デガワって何!?」
いや・・・やばいよ!?やばいよ!?は出川さんでしょう。テレビが恋しい。バラエティー番組とか見たい。土日のバスの番組とか平日夜の旅番組を見るのが好きだったなぁ。私が居ない間も番組は放送してるだろうから帰れたらレコーダー確認しなきゃ。優秀だから勝手に録画してくれているはずだ。ああ、出川さん関係なくなってる。うん。どうにかなれ~熱でふわっふわするぅぅぅ
薬が効いてきたのか眠気が。熱が減少、薬が効いて元気も減少。yo!yo!気分が高揚、ラッパーだyo!らっぱっぱ、ぱっぱらぱー。・・・・・・パラッパラッパーってゲーム昔あったなーー。
「むにゃ・・・落ち着いてきたから、寝るね・・・」
「明日は元気な姿見せてね」
「さっさと寝ろってんだ」
「きゅんきゅーん」
「モナちゃん!復!活!」
ベッドに仁王立ちである。体が動くってさいっこー!いえーい!昨日の寝たきりが嘘のよう。
「おー、おー。元気だねぇ。いいことだー。」
「もう今夜から発熱はないと思います。魔力安定しているみたいだわ」
「んとか。よかったべ」
次の日朝も早からマリーさんとゲイリーさんが診察に来てくれた。そしてレフティさんが今朝は一緒だ。
夜を共に過ごした猫達はマリーさんとゲイリーさんを見ると外に行ってしまった。昨日は楽しかったけど、体調不良を見に来てくれただけだし、猫ちゃんパラダイスは今夜はないかもしれない。
今日の炊き出しはスミコット・ハジー夫妻が先に向かってくれたらしい。他の炊き出しの人達もくるからと、今後についての話し合いもあるそうだ。詳しくは聞いてない。
マリーさんとゲイリーさんが私の体調にオーケー!を出してくれたのでとても気分爽快・・・と、思っていたら。
「でも外は行っちゃダメよーー。今日は特にお家で大人しくしていてね~ふふふふふ」
「エエエー。なんでぇえ~~」
その答えはゲイリーさんが答えてくれた。
「昨晩も発熱したんだろう~?体力消耗回復が先だよ~。今日ぶっ倒れてさらに数日お家に軟禁されちゃいたいなら、お外に出ることをオススメするよ~」
「それは嫌!」
ゲイリーさん、それは脅しですよ。ていうか通常の5歳に軟禁は言われても普通わからんぽんたんですよ。中身が5歳じゃないので聞き分けの言いお子さまですのことよ。
「軟禁することがあったら教えてくださいね。採血したり、健康状態向上のための実け・・じゃなくてお手伝いさせて頂きますからねぇ。ふふふふふ・・・ふふふふふ・・・ハアハアハアハア・・・」
今実験って言おうとした・・・。マリーさん。いろいろスゴいなぁ。美人なのにドン引かせる天才?ハアハアハアハアが恐い。
「大人しくしてるのでその予定はありません」
「んだ。よぐ言ったモナちゃん。ゲイリー。マリーを次は連れてこんでええからな」
「がぁん!」
「ハニー、自業自得さー。」
「レフティさーん?」
一階からレフティさんを呼ぶ声が聞こえる。この声はナカバさんだ。
「ちょっと待っとけ。」
「うん」
私にそういってレフティさんは下の階に行ってしまった。
「僕らはそろそろおいとましようかハニー」
「そうね~。また何かあったら、是非!呼んでねぇ」
是非!に力が入りすぎじゃなかろうか。でもお医者さんだし呼ばないのもおかしな話だし。うーん。
「そ、そんなに悩まなくてもぉ・・・」
「ハニーの愛は僕が受け止めるよぉ~」
がしっ。包容を忘れない男。ゲイリー。ラブラブである。
「モナちゃん」
あっという間にレフティさんが戻ってきた。
「どうしたの?」
「プントが食堂の方に先触れ送ってきたべ。アンドレ様がモナちゃんのお見舞いに後で来るそうだ。」
「先触れ」
って貴族が出すやつだよね。おおお・・・。
「今日はミギィとナカバが食堂にいるから。たまに見に来てくれっからな。食事だけんど・・」
そう説明を受けている横でマリーさんとゲイリーさんが目をまんまるくしていた。貴族がお見舞いにくる少女ですよ。正確には王族だけど。あっはっは。
「採血・・・」
「ハニー。貴族様には専属がいるから街医者は黙って帰ろーねぇ~」
ゲイリーさんの苦労が伺えた。2人は宣言通り帰っていった。そういえば診察代とか薬代とかも騎士団としている子供を保護するやつの補償で当てられているんだろうか?もしなっていなかったら申し訳ないなぁ。
恩はちゃんと返していかねば。
レフティさんもやっていいことダメなことを説明したら避難所に向かってしまった。残ったのは、夜行性だから寝ているセイリューちゃんとテンクウちゃんだ。
うーん。すごく暇だ。何しようかなぁ。
熱でふわっふわ・・・・・の後の文章をほぼ全文間違って消してしまって焦りました。ちょっと変わってしまったけどおおむね覚えて、た・・・多分。保存は定期的に行いましょう。(南無三!)←使い方オカシイ。