表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
81/463

第76話

テンクウちゃんとじゃれ合ったのが落ち着いたと言える頃、ビャッコが言った。


「それにしてもその体でさっさとあの小熊を帰すとはな。」


「え?」


「え?」


「・・・え?」


「あん?まさか・・・そうか、すまない。」


「・・・え???・・・・あっ!!!」


モナはトウシャの稲妻の能力のことをすっかり忘れていた。他の猫達はぽかんとしていた。完全にビャッコくんの独断の行動だったのだろう。


「今思い出したか。」


「他の子に伝言なり、その場で耳打ちくらいして欲しかった。・・・はぁ。でももういい。どうせそのうちなおるもの。でしょ?」


「まあな」


「なになに?どういうこと??」


「きゅんきゅん??」


「あの青い稲妻はね・・・」


空中に魂が浮いちゃった所の説明もはさみつつトウシャくんの能力と思われる一端(いったん)を話した。あのサルと一緒に戦ったから今更私について口をつぐんだとしても、この猫達には不信感を植え付けるだけだろう。ふふふ・・・べらべらと喋る私にあんぐりしてる。


「というわけなんだよ。テンクウちゃん。」


「なるほどー。トウシャくんの力があればベッドから起き上がれたかも、かー。ボクもっかい呼んでこようか!?」


しっぽがブンブンふりふりしている。


「大丈夫!きっと明日には治す!」


「きゅんきゅん!」


「そっか!!!じゃあボクも見守ってるね!!」


「なあああああ???!!」


「どうしたのさビャッコ?」


「どうしたのビャッコくん??」


「きゅんきゅん?」


私とテンクウちゃんとセイリューちゃんが、叫んだビャッコくんに目線を向けた。なんでプルプルしてるんだ?


「変なやつだとは思ってたが!一体全体どういうコッタ!?!?!?」


混乱している。


「えーー?ビャッコ情報ツウでしょ?そんなに叫ぶくらいだったらもっとここに来るとかすれば良かったんだよー」


テンクウちゃんが言っている意味がわからない。とか考えてたら、2匹でベッドから死角になってる場所に移動してしまった。内緒話らしい。うーん。仲いいな。


「あの、あのー」


「ん?」


「昨日はすみませんでした〜おっきい怪我とかなかったですかにゃー?」


「あ、ドロドロした猫ちゃんか!」


茶色の猫だ。


「はい!オレ液体(リキッド)(キャット)のアメフリです!にゃっふー!」


にこにこだ。おお、かわいいぞ。


「あ、ずるい!私!私はコエキ!仲間のふつーの野良猫助けてくれてありがとにゃー!」


ぶち柄の子だ。元気だな。


「・・・オレ。も、挨拶。・・・タタラ。」


毛量が少ない子だ。シュッとした猫ちゃん、かっこいい。ロシアンブルーだっけ?そういうのに似てる。


「よろしくー」


「お?挨拶したほうがいいかー?俺はトロキってんだー。ヨロシクナァー」


今度は対局的に毛量が多い子だ。ナァの部分におっさん臭さを感じてしまう。ペルシャネコっぽい。


「俺、真っ暗にしてごめん。でも、やらなきゃいけなかったんだ。あ、俺、スバル!」


「あ!(シャドウ)(キャット)って言ってた子か!暗闇すごかったねー」


「へへへ」


タタラもスバルも黒っぽいが、スバルはもう断然真っ黒!な黒だった。カラスみたい。闇に紛れる黒。さすがシャドウ。


「土がもりもりもりーってなったのも凄かった」


「あれは俺とトカキのあわせ技なんだにゃ〜」


「トカキ?」


「トカキとカラスキは今ここにはいない仲間にゃー」


「なるほど」


「きゅんきゅん!きゅーん!きゅんきゅん!」


大人しかったセイリューちゃんが急に鳴き出した。


「どうしたの?セイリューちゃん」


「俺たちに挨拶してくれようとしてくれてるにゃ」


おお!?セイリューちゃんがどやぁな顔で自身よりも大きい体の猫に囲まれても(ひる)むこと無く自己紹介してるらしい。基本きゅんきゅんしか言ってるようにしか聞こえないけど、かわいい。


「うん。セイリューよろしくナァー」


「「にゃー」」


「よっしくー」


「・・・よろしく」


終わったらしい。くぁぁぁ・・・。なんか眠くなってきたかも。


「きゅんきゅん、きゅーーーん?」


「ん???」


「散歩に行きたいってさー」


コエキちゃんが教えてくれた。


「今動けないからなー」


「かしらぁがアレだから、俺たちが見とこうか?」


「ドア鍵まだ空いてたよナァ。戸締まり俺ならできるから、モナがいいならやるぞー?」


「いいの?セイリューちゃんがいいなら。私はいけないけどどうする?セイリューちゃん。」


「きゅーん・・・・きゅん!きゅぅぅぅん!!」


悩んだ後、よろしくおねがいしまーす!って言ってるような鳴き声が響いた。テンクウちゃんとビャッコくんはまだ内緒話に夢中ぽい。そっちはほっといて、セイリューちゃんはトロキさん(毛量が多い)のとスバル(シャドウの子)が一緒に行動してくれるらしい。


「私、ちょっと寝るね。」


2〜3時間しか起きていなかったが睡魔が襲ってきたので寝ることにした。眠いときは寝るべきである。


コエキと部屋に残った猫はモナに寄り添って一緒に寝ることにした。魔力が早く回復するようにという配慮からだ。


「あったかい・・・・むにゃ・・・」


モナはアンパンマンとバイキンマンが口喧嘩してる夢をみた。テンクウとビャッコの関係とかビャッコの声がちょっとだけバイキンマンに似ていたからとかだとおもうが、モナは久しぶりにテレビとかスマホが少し恋しくなった。


「おと、さん・・・おか、さ・・・・」


寝ながらモナは無意識にホームシックになっていたのだが、それに気づいたのは一番近くに居たモナとは出会って日の浅いコエキだった。


「姉さんってよぼうかにゃ・・・」

次回は8日ナァ~

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ