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第8話

「ま、無利子だし、生活が安定して貯まってからで構わねぇからな。」


「うん、頑張って返すね! ここの食堂でいっぱい働く!」


利子!この世界にもあるんかい!利子付ける鬼畜クマだったら本当に一生返せないんですけど。


「ははは、期待してないで待ってるよ 」


「期待されてもまだお金、いっ銭も持ってないですけどね。」




モナが小瓶に移し変えた高級ポーションを持ってテンクウちゃんに対峙していた。後方ではこそこそとユーグリッド達がとても小さな声で話をしていた。


「ユーグリッドさん、ほとんどタダであげるつもりで話切り出しましたよね?」


「いやー、なんつーか純粋な心意気を見た気がしてなー、なんかこう・・・してあげたくなっちまったんだよ。ははははは。」


「まったく貴方って人は・・・」


「それにお嬢ちゃんのココで働く理由が出来たから他の選択肢とか用意しなくて良くなったし、報告書すぐに作成終了に出来てお前は砦に仕事をしに帰れるし俺もようやく家で寝れる」


「まさかそれが狙いでしたか?」


「さー、どーだかなー?ガハハハハ」






「テンクウちゃん、今、足の怪我治すからね!」


後方にはユーグリッドさん達がいて私を見守ってくれているので一応は安心。しかしポーションなるものは初めて触るので無駄にドキドキする。


ユーグリッドさんが詐欺師とかの可能性も。いや、それはないか。そんなことしたらオバチャン達が黙っていない。オバチャン達は周りの人間が悪いことしてるの見かけたら地の果てまで追いかけそうなイメージがある。どうしてかわからないけど、やりそうな感じが。だから多分ユーグリッドさんのこのポーションは詐欺の一環じゃなくて純粋な本物!ね!多分!


「テンクウちゃぁぁん・・・逃げないでねぇぇぇ・・・・」


テンクウちゃんがオロオロしている。怖いのかもしれない。高級ポーションなんて犬には基本的に使わないよね?あっこの小瓶の蓋変わった作りしててスポイトみたいになってる。これなら一滴ずつ垂らしてつかえる。


「テンクウって犬こう、抑えよーか?」


「大丈夫!テンクウちゃんは逃げないもん」


根拠などなかったが自信満々に答えた。私の気合いの入った目に気圧されたのかテンクウちゃんも諦めたようにオロオロするのをやめた。


ポタッ・・・


高級ポーションの当たった所から淡い光が傷を包み込んでいった。光はテンクウちゃんの足の中まで落ちていきそのままグンっと消えそうになっていった。本能的にこれはマズイと思い、咄嗟にモナは2滴目を垂らした。


「あっこらあんまり沢山使うんじゃ・・!」


ユーグリッドさんから声が上がったが2滴目はまた傷口に付き、消えかけていた光を取り戻しテンクウの骨の辺りを光らせた。


「あ?もしかして神経部分ダメになりかけてたか?」


「怪我の傷口からしてそこまで悪化しているようには見えませんでしたけど、もしそうなら2滴目は正解ですね。傷口は治っても足が棒のようになってしまいますから」


光の消え方が先ほどとは違いホタルのヒカリのようにじんわりと消えていくのを見届けた。これならもう一滴垂らさなくても大丈夫だろうと本能的に悟った。


なんで悟ってるのかわからないけど。わからないけどわかるのさ(真理)俺の目が疼くぜ!的に悟ったと言えばいいのか。遊☆●☆王の遊●にもう一人の僕が要るのを感じたときのように悟ったといえばいいのか。わからないけどわかるのさ(二度目)


「キレイだったね。テンクウちゃん、足はどうかな?」


またもや「え!?」って言いたそうな顔でこちらを見てくる。テンクウちゃんよ、最初の猫のようなしたたかさが完全に消えているよ。怪我をおっていた足元の匂いを嗅いでいる。そういえばポーションてどんな匂いなんだ?


小瓶をあけて鼻を近づけてみた。高級だからかほぼ無臭だった。なんだ。残念。薬っぽい匂いとかで鼻を抑える心配は無用だったようだ。溢しても嫌なのでサッサと仕舞った。


「足動かしてみて。治ってるハズだよ」


獣医師さんとかテレビで見たことあるヤツだと犬猫の怪我とかレントゲンとか、手で毛を掻き分けて確認とかしてたと思うけど、まあ、レントゲンなんか無さそうだし、触るにしても、無闇にテンクウちゃんの身体に触れて驚かせたりとかしたくないし、野良なんだし自然にテンクウちゃん自身に確認させるほうがいいよね。


テンクウちゃんは恐る恐ると言ったような感じでその場に立ち上がった。立ち上がるとその場をぐるぐるとウロツキ周り、そして止まった。うん、大丈夫そうだね。


「わふっ!キャンキャン!ワフッワフッ」


今まで(かたく)なに鳴き声すら上げなかったテンクウちゃんは元気に鳴いた。シッポがブンブンしている。ゴールデンレトリバーらしく口を大きくあけて笑顔みたいな顔で元気に鳴いている。


「よかったねぇぇ・・よかったぁ~~~」


安心したらまた涙が溢れてきた。私の涙腺マジでヤバタニエンですね。もうどうにでもなれ~~~~!






お読み頂きありがとうございます!もしよろしければブックマークや☆を押していただけると嬉しいです。


作者が嬉しさに舞い上がって更新頻度が増えるかもしれませんよ




*オマケ*


テンクウ「わふっわふっわふっわふっ」


モナ「テンクウちゃんが評価どのくらいなのか気になるって言ってる(気がする)!!」


レフティ「言ってないかも知れんベ」


ミギィ「そん前に、もうくれてるひど達に感謝感謝だべ」


モナ「感謝・感激・雨アラレ~!」

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