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第73話

すみません。いつもの時間より遅れた。


やっちまったい。

「熱冷まし、効いたみたいで体が元気・・・な気がするのに、動かない。・・・ぐすん。」


スミコットさんが体を拭いてタオルとシーツを追加で敷いてくれたお陰で気持ち悪さはもうない。本当はシーツを交換したかったのだけれど私の体調も鑑みた結果追加するだけにとどめてくれた。


「あの時魔力を使いすぎたからだね」


テンクウちゃんが喋った・・・


「そうだった!え!?さっきは喋らなかったから夢かと思いかけてたよ」


「人の気配が近かったから抑えてたんだ。あんまり喋れること知られたくはないからね。モンスターってバレると厄介だから」


「そうなの・・・」 


なぜだかわからないけどすごく納得してしまった。前に何かそういうことを目撃した事があっただろうか?覚えていないけど無意識のうちに見たことがあるのかもしれない。この一週間は忙しかったので記憶もまばらだったりする。


忙しくしていたのは自分で忙しくしていたからだった。だって一週間経った今でもまだあっちに帰れるような気がしている。だからその思いを振り切るために考えないように忙しくする。大人としてよくやっている手である。それに昨日私が大人に戻ったのは本当にびっくりした。


希望が見えた気がした。ただいまは本当に体が全く動かなくなっているのでちょっと絶望的な気もするけれど。


「きゅーん」


「あっセイリューちゃんおはよう。」


「きゅんきゅん!きゅーん!きゅきゅん・・・きゅーんきゅーん・・・」


「大丈夫みたいだよ。でも体が動かないみたいだから近くに行ってあげて。やっぱり原因は魔力がなくなっちゃったからなんだって」


テンクウちゃんがセイリューちゃんに説明してあげてるようだ。微笑ましい。ほほえま、ほほえみ、ほほえまん。こういうこともこの言葉でまとめてしまえ、尊いな!!!(グワシッ)


「・・・・・あっ!?そっか!テンクウちゃんが喋れるから、セイリューちゃんの言葉もテンクウちゃんに通訳してもらえばお話し放題!?」


「んぇえ・・!?」


「きゅん!?きゅーーーん!!!」


セイリューちゃんがめちゃくそ嬉しそうなのに対して、テンクウちゃんの面倒くさそうな顔の対比に笑ってしまう。そんな中急に窓から声がかかった。


「たーのしそうですにゃ」


「おわ!?」


「あっコエキ」


「ぶち柄さんだ。」


「きゅん!?」


「どうしたの?他の仲間達と今後の話し合いとかするとかビャッコ言ってたりしたような気がするけど?」


テンクウちゃん、ワンちゃんなのに猫さんたちととっても仲が良いみたい。いろんなことを知っているなぁ。


「モナって子が倒れたって聞いて気になって見に来ましたにゃぁ」


「俺も」


「僕も」


とまあ、窓からぞろぞろと、猫が、いっぱい!!(歓喜!!)


「どうして倒れちゃったにゃー」


「魔力が少なくなっちゃったからだって」


「そうかそうか。そういえばサル達にいろいろ仕掛けていたみたいだからにゃー。」


「僕たちも助かったにゃー」


「せめてものお礼をしたいにゃー」


そういった猫たちはもうすぐのベッドの上にゾロゾロと集まってモナの体にスリスリとすり寄った。


「こうやってくっつけば魔力が回復することがあるんだにゃー」


あれここは天国だろうか。猫ちゃんに囲まれて恍惚とした顔を作ってしまっている私がいた。


「あーずるい!ボクも!」


「きゅんきゅん!」


今いるのは猫ちゃん5匹かな。


「あれビャッコたちはどうしたの」


テンクウちゃんが疑問をぶつける


「もう少ししたら来ると思うにゃー」


猫たちに囲まれてすごくぽかぽかする。このぽかぽかが魔力だろうか。そういえばトウシャくんの青い稲妻も温かかったかも?


熱冷ましを飲んでいて本当に良かった。熱が出たままだったら多分この猫たちはくっついてくれなかっただろう。もふもふでぬくぬくであーなんだこの時間は。そんなこんなで猫ちゃんたちとテンクウちゃんとセイリューちゃんとの時間を過ごしていたら・・・。お?


「体が・・・少し動かせるかも・・・?」


なんということでしょう~あんなに動かせなくて涙まで滲んだモナの体が、少しでも動かせるなんて〜(ビフォーア●ター)


「こんなことでいいなら今日はここで寝てもいい・・・にゃー?」


ぶち柄のコエキはモナの顔を覗きながら言った。何かわくわく?している節が見受けられる。どうした君。悪巧みを考えている子供みたいだ。


(このままここにいれれば人間にナデナデしてもらえるかもしれないにゃー)


モナにはもちろん分からなかったが、仲間の猫モンスターたちも全く気づくこと無く、コエキは最近欲し始めていた人間が恋しいという欲望を叶えようと画策していた。


「ん?」


「お、来たにゃ」


「テンクウすまにゃいが、1階のドア開けてほしいにゃぁ」


「え?なになに!?」


テンクウもセイリューも猫たち全員がなにが来たのかわかっていたが、モナだけはなんにもわからなかった


「んもう。ボクばっかり!なんでみんなボクばっかり!」


「だって体がでかいから」


「器用だし」


「素直だし」


「お前しかできないにゃ」


「・・・・そんなに言うなら・・・。もう。しかたないなぁ。モナちゃん。待っててね。」


「え、あ、うん。」


何が来るんだ???


次回更新は30日予定です

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