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第67話

「とうちゃあああああ!!!!!」


「うおっ!?トウシャ!?」


「ああ、ようやくお目覚(めざ)だな」


「伝えてきます」


「よっしく~」


とあるテント内に運ばれていたヨコシャルが起きた。寝ていたヨコシャルに覆い被さるように小熊のトウシャが泣き叫び、近くにはディオの護衛であるチェルキョがいた。チェルキョの近くにいた騎士団員は起きたことを誰かに伝えるために出ていったようだった。


「とうちゃあああああ!!!!!しんぢゃやぁぁぁぁ~~~」


「えっ俺死ぬの!?」


「死にません、え?死ぬの?起きるの少し遅かっただけだよ?」


「しにゃにゃい?ひっく、えっく・・・ずびびびびっ」


「トウシャ、俺は無事だ」


「とうちゃあああああ!!!!!」


嬉し泣きでまた崩壊した。モッフモフのほっぺにポロポロと涙の雫が止まらない。


「あーあ。子供泣かせて罪な男だ。ワロス。」


「すまない。すまない。トウシャ。」


「騎士の医師団の見立てだと、あとはもうちゃんと食べてちゃんと寝れば問題ないそうですよー。んで、起きたてで申し訳ないんですけども、事情聴取いーですか?」


「ああ。あの、このままで?」


「とうちゃあああああ~~~」


「大丈夫大丈夫。このままで。」


なんとも情けない事情聴取の姿だった。









・・・数時間後・・・


「ぶえっくしょ・・・」


オオカミがまた今夜もセイリューを待っていたが誰も知るよしもなかった。





日も落ち朝の騒ぎのことなど少し離れた場所にはほどんどなにもわからなかった。被害は公園内だけだった。なのでミギィ達の住んでる家は昨日の夜と同じ夜が訪れていた。ただひとつ違うのはモナだった。


「んむぅ・・・」


なんか身体がアツイ・・・ボーッとする。ここ・・・どこだっけ。いつもと違ってとてもダルい。どうしたんだろう私。さっきまで何してたっけ?むーーんーーー。


頭の冷たいのがズルッと落ちた。


「あんれ、起きたけ?」


「んあ・・・?れ・・ふてぃ・・さん?」


「んだ。今日はおつかれさん。大変だったなぁ」


「うん・・あのね、なんか・・・あっちゅい・・・」


呂律がうまく回らない。うー・・・。自分の体じゃないみたい。


「熱が出たみたいでな。きっと今までの疲れとかも出たんだべ。氷枕どうだべ?固過ぎんか?久々に使(つこ)うたから加減がわからんかった。」


「ん、だいじょ・・ぶ・・」


レフティさんが看病してくれていた。落ちた濡れタオルをまた額にのせてくれた。ヒンヤリ気持ちいい。うあー。頭のしたの氷枕も丁度いい。うう、泣けてきちゃう。嬉しくてホッとしてでもなんだか悲しくて訳がわからなくなりそう。んーあーー。


頭のなかに音楽が流れる。これなんだっけ。・・・今日をのり~こえる~♪。・・・・のりこえるの歌だっけ。


ぐっ・・とおへそに力を込めて今日を~のり~こえる~♪


おへそ?体が熱くて力が入んないや。でも頭に曲が流れてきたから少し涙が引っ込んだ。社会人やってて辛かった時にたまに聞いてた音楽は、心が弱くなったとき思いだしちゃう。


単に熱にうなされてしまってるだけだとしても。


「もう少し寝え。元気になったら色々話してくれな?」


この「寝え」の「え」の音が下に下がる感じ好きだな~。レフティさんもミギィさんもこの歌みたいに力をわかせてくれる人。ん。だいじょぶ。この熱もきっとすぐどっかにいってくれる。はず。


「ん。」


返事もままならない。あー、おでこ気持ちい。頭がふわふわする。


モナはまたあっという間に眠りに落ちた。


「さて、と。熱も落ち着いてきたみたいだしな、アタイも少し寝てこようかね。」


「キュンキュン」


「わふっ」


「いいか?モナちゃんの為にも今日は特に大人しくな?」


テンクウはいつも寝ているのでほぼセイリューに対しての注意だったがレフティさんは2匹に注意した。


「ただモナちゃんに異変とか非常自体の時は大きな声で呼ぶんだべ」


「わん」


「キュン」


レフティが1階に降りて行ったのをテンクウは見届けた。


「キュン・・・」


「そんなに近づいたら熱うつっちゃうかもよ?」


テンクウはセイリューを心配して言ってみた。


「キュンキューン」


「ええ?でも」


「キューンキューンキュン」


「まあそうだよね、セイリュー夜行性だもん、元気いっぱいか。」


「キュン!キュンキュンキュン・・・キューンキュン」


「え?さっきの?解熱剤って言ってたよ。飲めない状態だったから仕方ないよ。小さい子はよくやるんだって。」


「キュンキュン?」


「セイリューがもし熱でたらかぁ・・・、んー、どうなんだろう?ボク達もお尻から解熱剤いれるのかな?無理矢理喉から飲ませてむせちゃうと危険だからってやってただけだからなぁ。人間だけじゃないかなぁ?あの女のお医者さんが知ってるよ。」


「キュンキュン。キューンキューンキューン・・・」


「そうだね、早くモナちゃんよくなるといいね。」








「どだったべ」


レフティが静かに自室に入ろうとしているとミギィの部屋のドアが開いた。


「まだ起きとったんか。明日も早いのに。」


廊下なので声が響かないようにと、かなり声を落としてしゃべり始めた。


「んで?」


「マリーとゲイリーのお陰で熱は落ち着いてきたべ」


「あー、よがったぁ。ぐーっすりずーっと寝ててな、こっちさ戻ってきて店ん裏に寝かせてたらナカバが見に行ってくれて、モナちゃんが熱だしてますぅ!ゆーた時はおったまげてしまって・・・ほんとよがったぁ。」


「子供が魔力を使った後の発熱に似てるって言ってたから早けりゃ明日の夜、長けりゃ1週間。絶対に治る症状だっつっとった。子供だから沢山薬飲ますより、ちゃんと食べて寝て、体を作った方がええってさ。」


「スミコットもおんなじこと言うとったな。」


「だで。・・・所で・・・サルとかネコとか出たって本当か?それにみんなぶっ倒れた原因不明の魔法?そんなん・・・」


「ウヂらじゃどうにもなんないべ。カメーリャとユーグリッドが解決してくれんの待つべ。」


「っだっつってよ?テイマーギルドも冒険者ギルドも撤退したこの街にモンスターが・・・・」


「王子も視察に来てたんだしどうにかなっべ」


「そーかなぁ」


「そーだべ」


「そー思うことにすっべ」


「んだ」


まだ話足りないことがあったがまた明日話すことにし、ミギィとレフティはそれぞれの部屋に入った。


今日は色々あった。明日も早い。たっぷりといかないまでも2人はモナのことも心配しつつそれぞれの思いを胸に、目を閉じることにした。


長かった6日目が終了~~~。どこからだ。長くて忘れた。


次回からモナの7日目。だけど初っぱなから神様と神の子なのでまた・・・・。うん!!がんばるんば!!


Σ(p´;Д;`)qふぁいてぃん!



次回更新は、20日予定です。




モナが言っていたのは「のりこえるの歌」真心ブラザーズ 、です。


「うっせぇわ」とかもいいけどこういうしんみりした感じの歌もイイヨ~。


(*´・ω・)(〃´ω`〃)(;ω;`*)




今回モナお尻に座薬入れられるの巻。寝てて気づいてないっていう。


作者はね、子供の頃、熱出しまくってたので結構気づいたら入れられてた。薬はいちゃう時とか。小さいとき毎日よのうに高熱高熱高熱でほんとよく死ななかったなぁって思う。


そのおかげかインフルにかからない肉体を手に入れたけどね。風邪にはかかる。(・´ω`・)ぬーん。

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