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第7話

テンクウちゃんの足について粗方説明した後ふと気づいた。


「あれ?ユーグリッドさん達はどうしてここ来たの?」


「お嬢ちゃん戻って来ねぇし、話聞いたら休憩室で犬の世話してるって言うから、犬の包帯と餌を持たされたよ」


「ははは」


「あぁなるほど。手元の一体全体何かと思いました」


ヒトが食べるにしてはグチャッとした物を持ってると思ったらワンちゃん用の食事だったようだ。


「それにしても可愛い服に着替えたもんだな。よかったな。ボロボロだったもんなぁ」


「とても似合ってますよ」


「ありがとう」


騎士の人、女慣れしてそうなくらいさらっと褒めたな。


「でも、包帯かぁ」


せっかく持ってきてくれたけどベロベロと舐めてしまったテンクウちゃんの足には巻くのをためらわれる。巻くのであればもう一度清潔にしてから・・がいいなぁ。


「あー、しょうがねぇよ。薬とかムズムズすんだよなぁ。俺もホラ、獣人だからよーくわかる。」


「えっクマじゃないんですか」


「クマの獣人な。えっただのクマが喋って2足歩行してたと思ってたのかお嬢ちゃん」


「えっ」


「えぇ・・そりゃ知らなかったら驚くよなぁクマー!って・・・ちゃあんと服着てんのに」


「ぶふっ」


騎士の人!笑い堪えきれてないよーー!だって異世界だからって言われても獣人とか知らないよー。獣人なんて初めて見たもん。ていうか獣人ってこんなにザ動物ゥ!って感じなの!?人間ポイ身体に耳とか尻尾とか付いてるのが獣人じゃないの!?


クマって言うとパディ●トンも服、というかダッフルコート着てたよね。ああいう実写化作品とか見慣れてたから獣人とか言われなきゃピンと来ないよぉ・・


「まぁこの辺りの街や村は獣人少ないですから仕方ないですよ」


「この辺人間族ばっかだもんなぁ」


「昔はココも色んな種族がいたらしいですけどね」


ほえー。見てみたかったなぁ。色んな種族が住んでたこの街。


「ところでどーすっかな、その足。多分もう一回薬草付けても取っちまうと思うぞ」


「そんなぁ・・」


「んー・・お嬢ちゃんが良けりゃあ、いい薬売ってやってもイイゼぇ?」


「私お金持ってない」


「んなもん、後で返してくれりゃーいいよ。ココで働く気なんだろ?」


「なるほど」


「ポーションっつってな手持ちで3種類ある。」


「ユーグリッドさん!」


「大丈夫、支給品じゃなくて自前の手持ちのヤツだから。」


「それならまぁ・・・」


騎士の支給品を人に売ったら問題だもんね。そんなことしてたら誰でも止めるよ。騎士さんも焦るよね。


「安いから効果はちょっと薄いヤツで時間は少しかかるが怪我は一応治る低級ポーション。次がちょっと高いが効果は抜群。中級ポーション。もうひとつ次が金額がかなり高いが真ん中の抜群の効果がたった一滴で出せるヤツ。高級ポーション。」


3つの瓶を出してきた。低級は緑色。中級は赤色。高級はラメを散らしたような透明だった。


「全部1瓶の量は同じで金額だけ違う。低級ポーションは銅貨5枚。中級は銀貨2枚。高級は金貨1枚だ。」


「お金の価値が全然わからないから高いとか安いとか今言われてもピンと来ない」


「あー、そりゃそうかー。」


そう言うと貨幣も見せてくれた。3種類共全部日本の1円玉のサイズだ。


「計算が分かりやすいサイズの貨幣だけ今回見せるからな」


まだ種類があるらしい。今見せられても全部覚えられないから配慮に感謝。


「銅貨2枚だとジュースとか買えて、5枚だと串肉1本買える感じ。銅貨1000枚で銀貨1枚。俺らの騎士の給料が毎月銀貨2枚と銅貨300枚位な。銀貨1000枚で金貨1枚ってとこかな」


え、じゃあ、もし銅貨が100円だったとしたら、銀貨って10万円!?金貨ってえーとえーとえーと、い、1億円!?えっ1億のポーション今持ってるのこのクマ!?しかも自前だと!?


「どれでも売るぞ」


「そんなお金一生返せない」


「最初から高級ポーション買う気満々か」


「一滴で怪我が治るなら持ち歩くのも楽だしとか考えたら、良いものは一応でも持っておくべきかなって。それに今すぐに使うなら効果が高いもので確実なものを助けたい人とかに使いたい」


「「・・・・」」


2人が固まったまま見つめてくる。ん?どういう感情で見つめてくるの??あっまたやらかしちゃったかな。うぅん。失敗失敗。テンクウちゃんもさっきから私のことを見つめっぱなし。寝てるフリはもう止めたのかな。


「なぁに?私変なこと言っちゃった?」


「あ、すみません。うちの騎士団長と同じような事をおっしゃるものですから、感心してしまいました。」


「へー。あ、ねぇ、高級ポーション1瓶丸々だと金貨1枚なんでしょ?小瓶あったらちょっとだけ売ってくれるってこと出来ないの?」


「おっ!さすがお嬢ちゃん、頭いいなー良くわかってんじゃねーか。俺もそれを今から提案しようと思ってた所よ。」


「ほんと!?それだといくら位に変わる!?」


「小分けに出来る小瓶のサイズが大体ポーション瓶の4分の1位だから、大体銀貨250枚ってとこかな~」


「それでも結構する・・・」


銅貨が日本円で100円なら銀貨250枚は2500万円。高い、高すぎるよ。安いお家買えちゃうよ。


「それ以下の量ってなると水分が蒸発しやすかったりゴミが入って効能が落ちたりするから買っても中級より品質悪くなる時あるから、俺としちゃオススメはしねぇなぁ。中級にしとくか?一番安い低級でも怪我は治るぞ」


「むむむむむむ」


テンクウちゃんを見る。今一番ポーションを使ってあげたい相手だ。


「わかりました、買います」


この日私は異世界にて5歳にして銀貨250枚の借金を背負うことになったのだった。


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作者が嬉しさに舞い上がって更新頻度が増えるかもしれませんよ

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