第65話
★モナが寝ているので出てないよ★
「アンドレ様!ディオ様!」
「リネア!無事だったか!救援を呼びに言ったのだろう?助かった」
「いいえ、わたくしなどまだまだですわ。お怪我は無いと聞き及びましたが本当に、どこも、怪我はないですか!?」
「ああ、私もアンドレも怪我はなかった。予想だがこの子のお陰だろうね」
「隣、そちら、モナちゃんですよね?」
「ああ。テンクウが離さないんだ。モナがポーション飲ませてくれたんだろう?」
「ワフッワフッ!」
「いい返事。とても賢いワンちゃんだね?アンドレ」
「はい!お兄様。モナの飼い犬だそうです」
「わんっ」
「ああ本当だ。綺麗な首輪を買ってもらったんだね」
「ワンッ」
「・・・・」
ディオはテンクウをじっ・・・と見つめた。
「・・・クゥン?」
「・・・」
「・・・お兄様?」
「・・・」
「クゥン?」
「ふふっなんでもないよ。」
「あんれ、アンドレ様。ウヂのモナちゃんこっちって聞いたんだけんども、あぁ、おったおった!」
「ミギィさん!無事でしたか、モナはここに。ですがテンクウが・・・」
ミギィさんが現れるとあっさりテンクウはモナから少しだけ離れた。
「寝とるねぇ。よっこいせ」
「テンクウ、おま・・・くっ」
「わふん」
ふふん!とでも言うようにテンクウは顔をあげていた。モナはミギィさんに抱っこされた。
「ぬぬぬぬぬぬ・・・」
「見といてぐれてありがとうございました。アタシらはまたお昼の炊き出しせにゃならんのですが、お二人はこの後は?」
「領主様がこの公園に来ていると騎士団の方から伝言を受けとりましたので、今からそちらに行くところでした。アンドレがモナちゃんと居たいと言ったので少しだけと、ここに居たのです。さて、待たせているはずだ。行こうか、アンドレ。」
「わかりました。・・・テンクウ今度覚えてろよ」
少しだけむくれている。
「わふっ」
「フフフフフ・・本当に賢いね。モナちゃんと共に、私の弟を今後ともよろしく頼むよ。」
「わふっわふっ」
やぶさかではない。とでも言っているように鳴いた。ミギィさんはモナとテンクウを連れて朝に炊き出ししていた方向へと戻っていった。
「私達は公園の入り口に向かうよ。疲れているだろうが少し頑張って欲しい」
「はいっ大丈夫ですお兄様。俺はみんなに守ってもらったのでこのくらいでへこたれては王族として名折れですので。」
2人の後ろにはリネアと騎士団員3名が付き従っていた。
そうして少し進むとアンドレの後ろに付き従っていたリネアが止まる。
「アンドレ様、少し、少々、ほんの一瞬、・・・・離れてもよろしいでしょうか?」
圧がすごい。
「かまわん」
(というか許可しなかったらどうなるんだろう)
「ありがとうございますっ」
シュバッと頭を下げアンドレ達から離れたリネアは一目散に目的の場所に走り出した。
「あっなるほど」
「ん?どうしたんだい」
「リネアが・・・」
「ユーグリッド様ああああぁあああああぁああああ!!!!」
「ウワァァァァ!?!?」
2足歩行の熊こと、ユーグリッドは顔をひきつらせて驚いていた。
「あー、なるほど?リネアは情熱的だったんだねぇ??」
「お兄様が首をかしげてる。珍しい!リネアのお陰だな!」
少しだけリネアを観察した後はアンドレとディオは気にすることなく、リネアを置いて領主の元へ歩を進めたのだった。
「好きDEATH!」
「なんだか発音が不穏なんだが!?」
「そんなことないですわ!死が2人を分かち合いそうになったとしても瞬間接着魔道具を用いて、ピッタンコ!とさせて頂きますわ!もしユーグリッド様が黄泉の淵に足を突っ込んでしまったならば、魂を吊り上げて見せますわ!」
「不可能を可能にする意志を貫きそうで怖いっ!愛が重い!!」
「そんなに褒めて頂けるだなんて・・・」
感無量といった顔をしている。
「褒めたか!?俺、褒めたのか!?違うよな?俺褒めた記憶がないぞ!?」
「謙虚でいらっしゃいますわぁ!」
「追いかけ回すな!」
「逃げなければ追いかけ回しませんわ!」
ユーグリッドが止まるとリネアも止まった。追いかけはしないが、間合いを詰めていた。じりっ・・・じりっ・・・。
「他人の恋愛は犬も食わない。ね?みなさん、見世物ではないので解散!」
「ちょ、クリストfァァァAaァ!!!」
「ユーグリッドさん頑張って〜」
周りに居た騎士団の人たちは、なんとなく空気を察して本当に解散した。
猫の一行は公園を抜けようとしていた。
「くっっそ、サルを出来れば殲滅したかったにゃ・・・」
「サルがあの場に100ぐらいいたからこのメンバーとテンクウだけじゃ減らせただけでも御の字にゃ」
「おれち、ぼろぼろっす〜」
「だナァ」
「・・・・ん」
「どうしたスバル」
「くるるっぽー」
真っ白なハトが降って湧いた。
「「「!?」」」
『我タイインさん也、貴殿はビャッコどのでよろしいか』
「なんだこれ、声が脳に響く感じにゃあ・・」
「あ?誰にゃ。」
『我タイインさん也、話がしたい。』
「白のダンナぁ」
「・・・・広範囲、念話鳥、意味不。」
「するならここで、だ。1対1では話はしにゃい。」
『うむ。よかろう。貴殿は神に使えし子の伝導者であるか?』
「ハ?」
『聖職者、もしくは、聖女、なる者の波動を感じ取った。ふふ・・・我優秀であるからして。』
「んえ?」
『ああ、愛しき聖なる我が君は何処にっ・・・』
「なんか芝居がかってるハトさんにゃぁ?」
『この白き聖獣ビャッコどのに聞けばなんでも知っているであろうと、聞き及んだので参られた次第。さあ、聖獣であり、伝導者であり、賢者であらせられる貴殿の答えを聞きたいっ!聖なる我が君は何処にっ』
「しらん」
『なんと!?』
くるるっぽーと高鳴った。うるさい。
「知らんもんは知らん」
逃げた。
『あっ待たれよ!待たれよ!賢者どの・・・行ってしまわれた。タイインさんであるからして、我機動力皆無・・・。無念。・・・・ハッ・・・。これはまさか、試練!?なるほどなるほど。つまりはあれですな。ビャッコどのはとても素晴らしい御仁。悪の組織に見張られている可能性が。と、言うことですな!』
タイインさんはきらりん!と目を光らせた。
『待っていてくだされ!我が君!我、タイインさんが探し当てて見せましょうぞ!』
真っ白なハトはバサバサと飛んで行った。
★モナが寝ているので明日も更新します★
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