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第62話


何分経っただろうか。水風船だけでどうにかできるとは思ってなかったけれど、結構役にたったみたいで調子に乗って投げまくってしまっていた。


フィールドにあった水風船爆弾もモナが投げて破裂したものも多いが、サルたちが慌てて踏んで破裂させたものも多く、フィールド内の水風船は半分ほどになっていた。


「はあ、はあ、はあ、はあ・・・つぎは、ドッチボールにしようかな、鬼ごっこ?それともバトミントン、遊●王的な召喚カードゲームも捨てがたい・・むしろ最初からそれのほうが良かったのでは?・あ・・・あれ??手が・・・すこし?」


さっきより騎士団から履いだ服がぶかぶかになっている。体がまた退化し始めてきていた。気づけば太陽も真上だった。お腹も空いた。お腹が空いたら力も出ない。たすけてーアンパ●マーーン。空腹の時のあんこは格別だ。今は無いけれど。


「ううう、なんか、ふらふらしてきた・・・?」


モナが気を抜いてしまう。フィールドの光輝くオーロラが明滅して、消滅してしまった。


《魔力量が一定数値を割りわわわRITRI込みま∆∞した⊗×》

《“大童(おおわらわ)”使用終了》


「モナちゃん!?」


「ニゲロ」

「イマダ」

「コロサレルマエニ」

「ニゲロ」

「イマダ」

「イキノコレ」


未知の力にサル達は怯えて逃げていった。


「あーあ、やっちゃった・・ごめん」


「全部を倒せなかったけどそれでいい。こんなにサルを倒せたのははじめてにゃぁー」


逃げられてしまったけれどサルの半数以上を戦闘不能にして今回はモナ達の勝利であった。サルたちの目的だった小熊のトウシャくんはこちらにいるのだから。ふらふらしていたのが一時的に止まった。


「退化も止まった・・・?」


小学校高学年だか中学生だかぐらいになっていた。腰のスカートみたいにしてる上着がずり落ちそう。ギリ保ってる。ギリのぎり。


「モナちゃんは大きくなったりが自由自在にできるの?」


「どうなんだろうね、こんなこと初めてだからわからないや」


あー恥ずかしかった。けん玉とブーメランと水風船で戦う私。大人で子供。テンションのなせる技。ははは。調子に乗って乗って、次にいつ大童(おおわらわ)のスキルが発動できるか全くもって不明なのでとことん遊んでみた結果だった。


「魔力がどんどんその子から抜けていってるにゃぁ・・」


「え!?猫さん、ほんと!?」


「トカキは俺様より優秀にゃ。トカキが言うなら間違いないにゃ」


「このままだと倒れるかもしれないにゃ」


灰色の猫はビャッコくんに褒められてご機嫌に私のこの後を予測した。


「何もしなければこのまま?」


「わからない。でも、明日にはもっと小さくなってるというのはわかるにゃ。」


「・・・・」


サルは大体を倒した。その辺に転がってる。だけれどもサルにやられたままのみんなもそこにいる。


「動きまくったら倒れるかもだけど、私このままは嫌なんだ」


履いだ騎士団のポケットにはモナが自分の服のポケットに常備させていた、高級ポーションを避難させてた。


きゅっぽんっ


1番サル達に近づいて戦っていたユーグリッドさんから飲ませた。時間が経過して青ざめているから、少し多めにポーションを口に流してあげた。


「たすかれ、たすかれ」


「モナちゃん!そんなこと僕たちがやるから、大人しく座っててよ」


テンクウちゃんが私を止めに来てくれた。ユーグリッドさんの腰にはポーション専用のケースがあるのでテンクウちゃんは頑張ってケースから引っ張って、その取り出したポーションの蓋をあけ・・・・中身をすべて地面にぶちまけてしまった。


「ああああああ・・・・・」


「気持ちだけは立派だが、飲ませるのは難しいにゃー。」


「モナちゃんごめん・・・・」


「ありがとう。私が飲ませるから、みんなで騎士団の人たちの腰のポーションかき集めてくれると嬉しいな」


「わかった!!ボクやるよ!!」


わふっわふっと鼻息も口息も興奮が見て取れた。それを横目で見てビャッコが少し呆れた顔をしていたが


「乗りかかった船にゃ。この街の奴らにも恩を売れるし、俺様たちもやるぞーー!」


「うー「やったる「「「「うん「にゃーーーー!!」」」」っはぁーー!」」」


バラバラな声が重なりすぎて、気合いが入ってるってことしかわからない猫達の声が響いた。


「わーーい!ありがとーー!っとっと・・目眩が・・」


スキルを使った影響でうつらうつらしている中、騎士団の懐にあるポーションを回収しつつモナの持っていたポーションもそれも全てを持って今倒れている全ての人々に飲ませていった。


「げんきになぁれ・・・げんきになぁれ・・・」


モナは最初の数人で自分の持っていた高級ポーションをすべて使い切り、騎士団の持っていた高級ポーションも使い切り、中級もつい今しがた使い切り、今手元にあるのは低級ポーションだけになってしまっていた。


症状の重い人から使っていったから正当に手当したことになるはずだが、目の前の2人を見ると低級しか無くなってしまって申し訳ない気持ちで押しつぶされそうな気持ちでいっぱいになった。


「ディオさんと、アンドレで最後。げんきになぁれ・・げんきになぁれ・・・」


最後だし・・・と2人にいっぱい口に含ませた。あと、不敬罪になったりしませんように。(真顔)


「わんわん、わわん」


「にゃんにゃん、にゃにゃん」


「なーいてばかりいる、こねこちゃ・・・ん・・・ぐう・・・すーすー・・・・」


モナは倒れるように眠った。ディオの前に来たときにはもう、モナは5歳の姿に戻ってしまっていた。



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