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第57話


「ねてる?」


暗くって全く見えないけどテンクウちゃんが近くにいて私の気配を見て声に出していた。


「ハッ・・・!寝てないよ!瞑想、瞑想してただけ!」


「めーそー?」


寝てたかもしれない。意識がちょっとなかった気がする。だって壁があったかかったんだもん!ぬくぬくだったよ!?よだれ・・は出てない。だいじょぶ。


「ってあれ?あったかくない・・・」


ひんやりしている。いつの間に。


「モナちゃん、元気になってる??」


「えっ?元気に?瞑想してただけだよ?そんなことある?」


「でも、あれ、んー?さっきより元気になってるよ」


「温かかったからかも??」


「そうなの?かも?」


不思議現象が起きてたようだ。2人でかもかも言ってたけど、ハッと気づいた。


「テンクウちゃん、脱出方法どうだった?」


「うん、それなんだけどね、僕が手を出す前に他のみんなが動いてるっぽくって、もしかするとね」


ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・・・と、地面がまた揺れ始めた。


「えっえっえっ?」


「もしかしなくてもね、もうココから出れると思うからモナちゃんと一緒に居ようと思ったんだ。」


「え」


「あっっつ、いたいにゃーー!!!」


ぼかーーーん!!という爆発音が響いた。猫!?熱い痛い!?ネコ爆発したの!?うぇ!?大丈夫なの!?大惨事じゃない!?ホワッツ!?つか私達のいる地面割れてっっ外が!光が!まぶしっ


「あぁ!」


目がすぐに慣れた。魔法系統の暗闇だったからなのかわかんないけど、普通より目が慣れるの早かった。


アンドレ達があっちに。おおっ、チェルキョさんの盾魔法がアンドレ達を包んで一番爆発に近い人達の被害がなさそうだ。やっぱり俺俺詐欺なお兄さんじゃないんだなぁ。すごい人。おおー。


「皆さんご無事ですか」


リネアさんだ!ってあっち土塊に埋もれてる人がいっぱい!?それを助けてるリネアさんの声が響いてきた。あ、騎士団の人たちが肉壁になってたみたいで中の人たちに怪我とかなさそう。騎士団の人たちはそこそこボロボロだ。あ、でもポーション支給されてるんだったけ!?大丈夫だよね!ね!?


「待つにゃーーー!!」


「「「「「「ニャニャニャニャニャニャニャニャニャ」」」」」」」


白い猫を先頭にサルを追いかけてこっちに集合してしまった。ちょいちょいちょーーい。猫の団体さんご案内!!??大所帯過ぎて、カオス!カオス!混沌!まじですか!


「んって、うわうわうわーーーーーーーーーーーーーっっ」


さっきまでギリギリ足元にあった床板が無くなってしまった。


「モナが!?」


「空中に!?」


「モナちゃん!!」


「きゃぁぁぁぁぁぁっぁぁぁっぁ!!!」


「わふーーーんん!!!」


私とテンクウちゃんは3階建てか4階建てくらいの高さから落ちていた!!私達猫さんドームの上の方にいたらしい。


シュバアァーーー!!突風が吹いたかと思うとテンクウちゃんの背中に乗った?背負われた?兎にも角にも救出されていた。テンクウちゃんパないですね!!アアアア地面だ。私は立っている。一切地面に打ち付けられずに。テンクウちゃんありがとううううううう。


「はぁぁ、助かってヨカッタわぁ・・・んふふ、モナちゃん髪の毛がすごいことになってるわぁ〜」


「んだ。前衛的だで」


前衛的ってどんな髪型ですか!?鏡!ないですね!見ることなく髪の毛をわしわしして直した。あああ怖かった!あああ怖かった!涙目ですよ!


「わふん」


「テンクウちゃん天使!ありがと!最強に素敵!」


「ワンワン!」


テンクウちゃんはそのままミギィさんたちの方に私を連れて行ってくれた。エスコート?紳士だったのか。テンクウちゃん。


「暗くて怖かったよーー!」


涙がっぼろぼろ出ます。うおん!テンクウちゃんごと私を撫でてくれるミギィさん。おばちゃんの包容力。世界はおばちゃんで回っている。私の精神が助かりすぎる。ミギィさん好きだよーーー!


むぎゅーってした。すっごいホッとする。


「ああっなにしてるだ!」


ホッと束の間ハジーさんが大声をあげた。目線の先には頭から血を流して倒れているヨコシャルさん。頭の近くには瓦礫(ガレキ)。んなっ!?


「とうちゃーーーっ」


更にその先には・・・・トウシャくんを、獣人のお母さんがサルに差し出してしまっていた!?ななななんで!?!?


「オマエラ二、ヨウ、ナクナッタ。」


これはやばい


「シネ」


「ウアアアアアアアアアア」


サルが何かをしたのだろう。サルの手につかまったままのトウシャくんがセイリューちゃんみたいに光始めた。トウシャくんの悲痛な叫びが辺りに響く。あの獣人のお母さん走ってどっか行っちゃったみたい。ちょーーっ。徐々に光がどんどん強くなっていく。目が開けるのしんどくなるくらいになっていく。


「しまったにゃーーー!!」


「ワレラニチカラ」

「ワレラニ」

「チカラヲ」

「ワレ」

「われ」

「チカラ」

「ちから」


サルが集結して呟いてるっぽいけど、サルの数が多くて呪いの音源テープ聞いてる感じになってる。怖いって!!どゆこと!?なんなの!?トウシャくんを助けなきゃ、って私ミギィさんにがっちりホールドされて動けない!!!!あああ、しまった!!


「構え!撃てーーーーー!」


「ユーグリッドさん!?」


サルたちに向けられた攻撃はバリバリと音を立ててトウシャくんの光に跳ね返された。


「ワレラニ チカラヲ」


サルが同じセリフをまたもや繰り返していたら、トウシャくんの目に覇気がなくなったかと思うと、空が曇りはじめた。そして唐突に現れ始めた暗雲から稲妻が落ちてきた。


「青い稲妻!?」


えっ!?SM●Pの曲!?心からだ焼き尽くす!?


「絶滅したと言われていた守護神稲妻熊(ブリッツベアー)!?」


その稲妻をサル達は喜々として浴びていた。稲妻って当たりに行くもんじゃないよ!?自殺!?なにこれ!?


「しまった!!」


「なにあれ!?ミギィさん!!こわいぃい!!」


「魔力がっ」


ミギィさんが教えてくれようとしていたけど、稲妻を浴びたサルたちから魔法の嵐が吹き荒れた。また周りは見えなくなった。私達の辺りがとてつもなくやばいことになってしまったことしか分からなかった。


モナ「さるこわい!」




もう9月終了なのにセミが鳴いてました。ここは山奥かど田舎でしたでしょうか。びっくらこいた。次の日には聞こえなくなっていたので、セミの最後っ屁てきなやつだったのかなぁ。


次回は29日更新予定です。

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