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第55話

「楽しい話はまた家に帰ってから話そう」


そうだね。なんとかはディナーの後で。っていうもんね。


一通り話した私たちは落ち着いてこの状況を考えた


「外はどうなってるんだろう。なんとなく想像はできるけど、そうであってほしくないよね。」


「・・・・」


「ここから出るにはどうしたらいいだろう」


2人で魔法は何が使えるだとかを確認しながら出れそうな方法を模索した。私?使えないよ。なんでだろうね。泣・・・・。


「僕が何とかしてくるよ。モナちゃんはここで待ってて」


「行くの?」


真っ暗闇の中、テンクウちゃんの顔は見えない。今どんな顔をしてるんだろう。顔は見えないけれども私が止めたところで無駄そうな雰囲気は伝わってきた。


「わかった。いってらっしゃい」


今まで暖かかったそこにはもうなにもない。


「真っ暗だから行ったことすらも見えないけど。って・・・」


動かないように言われたけど動いたところでテンクウちゃんにもわからなそうだなぁ。


「うしっ」


行動あるのみ!暗いけど!怖いけど!どこに向かったらいいかもわからないけど!!といやーーー!なんとかなるなる!はっはっはっはっはーーー!!!


勇気の鈴がりりんりーーーん!不思議な冒険るるんるーーーーん!


「あれっ、モナちゃん動いてる??」


テンクウは足が早く、嗅覚も優れていて、さらに空間把握が得意だった。誰に自慢などしたこともないが、自身の中では自慢できると思っているぐらい得意なことだった。自慢をしたりしないのは自慢できる相手が居ないわけではなく、テンクウの性格がもたらしたものだったのだが、今回は言っておけば良かったと後悔していた


「使える魔法の話しかしなかったからなぁ。動かないでって言ったのにな。モナちゃん本当に中身は大人なのかなぁ?落ち着きがなさすぎる気が・・・。でもキジンさんはともかく僕にも同じ嘘を付き続ける理由なんてないし・・・。んーー、とにかくやれることやってモナちゃんのとこさっさと戻ろう。そうしよう。」


目が全く使い物にならないまっ暗闇でも空間把握能力によってモナの位置もわかるし、目的地まで一直線だ。










「なんですかこれは」


「でかい、黒い・・・半円?」


「公園の一部を覆っているぞ」


「この辺りには騎士団のテントがいくつも設置されていたはず」


「つまり、この周辺に居た者はすべてこの中に・・・?」


「そんなはず・・・」


「正解ニャァァァァ、お前らは誰にゃぁ〜??」


「わたくしはリネア!猿が蔓延したこの場の鎮圧のため、ユーグリッド様から援軍を呼ぶように言いつかって、舞い戻りましたわ!ってどこから声が??」


「リネアさん、あのテッペン!猫の顔が!」


「お前らも、かしらの邪魔にならないように静かにさせるにゃぁぁ」


「やってみなさい。駄猫風情が。」


「俺たちは何を見ているんだろう。リネアさんってメイドだよな??ツワモノのオーラが凄いんだが」


「メイド服着てるんだからメイドだろ。メイドさんが強そうに見えたとしても下がらせろ、女性で一市民だ。守られるべき対象だ。」


リネアがユーグリッドに言われ砦から騎士団の援軍を呼んできた。援軍の騎士団はこれよりいくつかの班に分かれる手筈だ。周囲を確認するもの、目の前のなにかを対処するもの、消えたユーグリッド副長とカメーリャ団長を探すもの、避難指示を出している騎士たちに追加合流するもの。


「いいか!計画通りに!」


「させないにゃあ」


黒い半円の方を気にしすぎてしまい他の近寄って来る気配を少しおろそかにしてしまった、とはいえ・・・


「なっ!?気配が!?」


それを目の前にしてもな見た目よりも無さすぎる存在感に騎士団の面々は嫌な汗をかかずにはいられなかった。


「茶色の猫、いつのまに背後に!?」


「にゃっふー!俺の技でずぶっずぶになって足止めだにゃー!」


存在感のカケラも無かった猫が声を上げ存在感を戻したかと思うと同時に、猫は宣言通り技を放った。


「うわぁぁぁぁぁぁっぁぁぁ!!!!?????」


「沈む!!??」


「オレはアメフリ!リキッド(液体)キャット()!みぃんなを地面にズブズブにゃーーーー!!」


身体能力が高い者や危機察知能力が高い者はアメフリの攻撃範囲から颯爽と逃れていた。しかし全てのものが同じ土俵を得意としているわけではないため、案外あっさりとアメフリのわかりやすい攻撃にとっつかまってトロケた土の中に下半身が沈み込んでしまった。


「うぁぁぁ沼に落ちた感触がするぅぅぅぅ」


「沈むの止まった。ほっ・・・っってう、動けねぇぇぇぇぇ!だれかーーー!!」


「あっ土が土の戻って・・・固まって・・・ちょ、固まる前に!誰か棒とかで引っ張り上げ!あっもう固まった(絶望)」


「情けないですわ・・・」


もちろんリネアは逃れて高みの見物、もとい、対策検討中である。


「結構いっぱい残っちゃったにゃーー。相性悪いのいっぱい?いや、でも、あにきの為ならえんやこら!やるだけやるにゃーーー、お次はお得意!みんなの後ろもとれちゃうよ!ドロドロさんになりますにゃーーん!気をつけても気をつけなくてもいいにゃー!」


「アメフリってばお喋りだにゃ・・・」


黒猫でシャドウ()キャット()のスバルは上から呆れていた。元々茶色い猫のアメフリは、人懐っこくお喋りでお節介で世話焼きの性質な猫だった。


「今その性格はただの難儀なものになってるって気づかないと」


「スバルーー!なんか言ったにゃーー??」


「人間に捕まるなよーーー!?」


「あーーーい!!」


2匹とも人間のことは舐めていた。


「猫のモンスターか・・・」


「♪ドロドロドーロドロ、オレはアメフリ、ドーロドロ。どっぷん、でっぷん、もぐもぐり。リキッドキャットはどこいった!?♪」


アメフリが歌い終わったと同時に、その名の通り水のように液体になって地面に染み渡るように消えたのだった。


「消えたっ」


「警戒しろ、どこから来るかわからんぞ」


「うぁぁぁぁぁっぁぁぁ!!!」


騎士団の一人がくるぶしまで足が埋まった。その後もズボ!ズル!ツルり!と音を立てては、1人1人やられている。


「猫におちょくられているっっ!!しっかりせんか!」


騎士団の中でも歳がいってる者がみんなの指揮を取り持つようだ。


「土魔法を使えるものは、前へ!!」


バラバラになりかけていた者たちの目に闘志が滾っていた。


「土を操り仲間を掘り出せ、土を操り猫をえぐり出せーーー!!」


「「「「うおおおおおおおおおおお!!!!」」」」


「おおっとぉ、こりゃぁちょっと♪ヤバーーい?かもね!にゃっにゃっにゃっ〜〜♪」




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プリキュアの最新映画の予告で3匹の擬人化変身シーンに悶えてます。可愛すぎる!可愛すぎる!可愛すぎるー(吐血)





次回は23日更新予定です。

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