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第54話


ざっくりあらすじさん


▼▼▼▼▼▼


騒動があってテンクウちゃんと真っ暗な空間で2人きりになっちゃった。今まで普通のワンちゃんよろしくやっていたハズなのに、モナが精神不安定になったところをテンクウちゃんが人語を喋って落ち着かせたよ!さてはてこの空間で一体2人はどうするのかな!?


モナは過呼吸になっていた。そしてそれを止めてくれたのは目の前にいるはずなのに真っ暗闇で姿が見えない声の主。


「テン・・クウ・・・ちゃん?で、いいの?」


驚きすぎて心臓がバクバクしてたのが止まった。完全に止まったら死んじゃいますね。そーですね。じゃなくて。


「・・・うん、僕、テンクウだよ。モナちゃんの目の前にいるよ。見えないけど。」


「見えないのは同じなんだね。ハハッ・・・・。」


えーと?え?テンクウちゃんって犬じゃなかったの?そりゃね?言葉がよく理解できる子だなぁ、凄いなぁとは思ってたけどね。え?????


「今はあの猫のせいで僕とモナちゃんは2人っきりになってる状態なんだ。だから声を大きくあげても誰からの返事もないのは、しょうがないことなんだよ」


「夢?」


「え?夢なんかじゃないよ??僕目の前にいるよ。」


「テンクウちゃんが喋ってる」


ふつうの声量。


「うん?」


「テンクウちゃんが喋ってる・・・」


小声。かーらーの・・・


「テンクウちゃん、さべれたの!?!?!?!?」


大声で噛んだ。痛い・・・・。


「さべれたよ!」


声しか聞こえないけど微笑ましく答えてくれてるのがわかってむしろ噛んだことを恥ずかしくさせるのだが・・・。天然テンクウちゃんめ。クッコロ案件だよ!?


「今まで喋れたけどね、僕、色々あって普通のワンちゃんを演じて生きてきたんだ。モンスターと動物ってね、結構ほとんど変わらないのが多いんだ~」


「テンクウちゃん、モンスターだったの」


「そう、討伐対象!」


「討伐対象!?明るく言うことじゃないよね!?こんなにかわいくてもふもふでワンちゃんでしっかりしてて、可愛くてモフモフでワンちゃんなのに!?」


「褒められるの繰り返すと恥ずかしいよモナちゃん!!」


ちなみに未だにテンクウちゃんを抱き締めたままの会話である。暗闇なので仕方ない。


「ふふっ」


「?」


「今までも意志疎通出来てなかった訳じゃないけどね、テンクウちゃんとお喋りできたらいいなって思ってたんだ。だからとっても嬉しい。」


「嬉しい?」


「とっても!!」


「えへへ」


「ふふふ」


真っ暗闇で相手の顔は見えないけれど、声も聞こえるしふれ合っているので暖かい。


「私を落ち着かせる為に、喋ってくれてありがとう。」


「ワフッワフッ・・・////」


顔が見えないのに照れ隠しだってわかる。テンクウちゃん可愛い。


「あっそうだ!喋れるなら聞きたいことがあったの!」


「なぁに?」


「テンクウちゃんってゴールデンレトリバー!?」


「なぁにそれ?」


違った。


「あ、種類のこと?僕は黄金(ゴールデン)弾丸(ブレッド)(ドッグ)だよ。弾丸犬(だんがんけん)だよ。」


「だんがん・・・えっこの世界って鉄砲あるの??」


「あるよ。魔鉄砲弾とか色々あるよ。この街には騎士団の人達しか持ってないと思うけど、昔、僕を狙ってきた冒険者達は持ってたもん」


冒険者・・・。テンクウちゃんが睨んでいた。モンスターだったから追われたんだろうな。


「モナちゃんのいたところには銃はなかったの?」


「あれ?あ、そっかキジンさんのところで私しゃべったもんね。んーとね、銃刀法っていうのがあって一部の人しか持てないものだったよ。一般人は基本的に武器を持ってなくても過ごしやすい平和な国だったよ」


「神様のいる天国かなにかなの?」


「あははっちがうちがう!フツーの国だよ。昔は戦争もあったから、みんな戦いに疲れちゃったんだ。」


「ふーん、じゃあそのうちこの国とかもモナちゃんの所みたいにジュートーホーっていうのが出来たら平和になるのかな。冒険者とか本当に居なくなって欲しいなぁ」


「・・・・・・あの怪我した足は冒険者にやられたの?昔追われたって、さっき・・・」


「あー、違う。あのね、あれは猿にやられたんだ。僕が油断しちゃったんだ。冒険者に追われたのはうーんとうーんと昔。30回ぐらい春を越えたからそのくらい前」


テンクウちゃん何歳なんだ。普通の犬からしたらエルフ並みの長寿では?ロード・オブ・ザ・●ングのエルフキレイだよね。ああいうのこの世界にもいるんだろうか。ホビ●トもいる?もし居たらあの気持ち悪い敵の奴らもいることに。それはヤダな。だって臭そうだし、見てるだけで恐いもん。恐いもん!目の前にいたらきっと大泣きすること間違いなしだよ。


「あのねこの町は昔テイマーズギルドが溢れてて、冒険者がそれはもうたーーーくさんいたんだ。テイマーの街ロッテリーと言われてたんだよ!人もいーっぱい!食べ物やさんだってね!獣人だってね!凄かったんだから!」


「そうなんだ~見てみたかったなぁ」


「僕も昔はテイマーと一緒に色んな街に行ったり戦ったりしたこともあるんだ。・・・・・僕もね、モナちゃんに1度ちゃんと聞いてみたかったことがあるんだけど、こんな機会なかなかないから、聞いてもいいかな」


「なぁに?」


「モナちゃんって、テイマーって知ってる、よね。」


「うん?詳しくは知らないよ?なんとなーく、ふんわりと知ってる程度だよ」


「もし。もしだよ?」


「?」


「僕の為にテイマーになってって言われたらテイマーになる?」


「え?うーん・・・・テンクウちゃんがなって欲しいって言ったら?か」


「うん」


少しの間モナはうんうんと唸った。その間、時間としては2~3分程度だったが、テンクウは緊張した面持ちでモナの返事を待った。


「テンクウちゃん」


「はい」


「ごめんね、私、テイマーにはならない。」


「・・・ほんとに?」


「まあ、今テイマーにはなれないらしいから、気楽にならないって言っちゃってるんだけどね~」


「どゆこと??」


私のステータス画面の話をした。テンクウちゃんなら話しちゃっても全然OK牧場!


「職業3つまで・・・人間ってそんなのあるんだ。へ~」


「私のしか見れてないから、全員そうなのかは分からないよ?」


「でもそっか、なれないし、ならないんだね。」


「ごめんね?」


「ううん!ほんとーの本当に、その答えを待ってたんだ!!」


「・・・えっ???」


「僕はもうテイマーなんてこりごりなんだ。だからね、僕の為だからってもしモナちゃんがテイマーになるって言ってたら僕はこの首輪を思い出に、モナちゃんの前から消えようと思ってたんだ」


えっえっマジか~~。わ~わ~。ちょっ。良かった。正しい選択をしていたみたいで良かった。テンクウちゃん、消えちゃうの。ちょ、こんなに懐いてくれてるってわかってる状態で急に消えられたらビックリし過ぎてやばばばばだよ!


喧嘩したりとか、意見の食い違いとか、なにか分かりやすい予兆があったらこう、仕方ないなって別れられるけど、テイマーになるって宣言で消えるだなんてだれも想像だにしませんのことよ???


「安心して!テイマーにはなれって言われてもならないよ。なんかね、こう、よく分からないけど、テイマーも冒険者もモヤモヤっとするからあまりかかわり合いたくないかな」


「ならないでって頼んでる僕が言うのも変だけど、モナちゃんはテイマーの素質は充分高いと思うよ」


「えっ・・・うーん、高いのかぁ。要らないなぁ」


「モナちゃんって何か変だよね」


「褒め言葉かな」


「それもある。けど、直感的な変な感じを感じる。」


「え?呪い?」


「違う」


「違った。残念。でもそうだね、私、本能的な何かにテイマーにはならないほうがいいぞーって言われてる気がする。」


「やっぱり呪いかも??」


「まさかの!?」


「そっかじゃああの時テンクウちゃんがうなってたのって・・・」


「もなちゃんも怖い顔してたしね。僕たちなにか運命の糸でくっいてるのかもね!」


「かもね!」


2人きりにしたら、延々とラブラブだった。お喋りが止まらん。


次回は20日の更新予定です。


モナ「真っ暗なまま次回!?外に出たいんだけど!」


次回、出れる。はず。



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