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第53話


▼ざっくりあらすじ。▼

モナは5歳に退化して異世界に転移したみたいだよ!

そんなこんな暮らしていたら熊達が公園に避難しに来たからお手伝いに向かったけど、ひと騒動起きたよ!

狙われてるのは小熊だよ!モナはこの後どうするのかな!?





闇に包まれ辺り一面急に夜になってしまったような様相だ。目が慣れてきたら周りにいる人が見える程度には闇はそこまで深くなかった。


目の前には、私が抱きついて離したくない、離してなんかやらないぜ!状態のテンクウちゃんがいて、閉ざされてしまった天をあおいで口をパッカーンと開けている。テンクウちゃん、驚き過ぎ。かわいいけど。私より驚いてる。


広範囲で闇に包まれてしまったので近くにいた騎士団もソレはもう沢山居た。流石に目が慣れて人が沢山居ると安心出来る要素が少しでもあったら、人と言うのは口がパクパクと動くもので。


「なんだなんだ」


「見たか、猫が・・・」


「喋ったぞ」


「膨れた。そして我々を包み込んでしまった」


「夜のように真っ暗だ」


「これはまさしく、噂に聞く」


「猫のモンスター」


猫のモンスター?え?え?さっきの黒い猫さんは、え?モンスター?アンドレが目を輝かせて見ていたあの鹿と同じモンスター?


「お兄様に聞いた鹿と違って普通の猫にしか見えなかったぞ」


「アンドレ様と同意ですね。呪術師とか魔法使いとかに操られた猫って可能性もありますよ」


「今の若い子達は図鑑とか見ないのかい」


「ミギィさんはアレを知っているんですか」


「えっとなんだっけかね、坊やは。」


「23歳独身!ディオ様専属護衛1号!チェルキョです☆はじめまして、ミギィさんのことは噂で色々聞いてます」


「カメーリャか」


「ノーコメでお願いしまっす」


「あぁ、その反応じゃあカメーリャじゃなくてアイツだね。」


「ノーコメでっす」


「?」


暗がりでもチェルキョさんが明るすぎて、少しホッとしてしまった。ミギィさんの噂を言う人がいるのかぁ。どういう話だろう。聞いてみたい気もする。ソワソワ。


「クゥン?」


「うわ、これ壁になってる」


騎士団の人達が一定感覚で離れながら、端を調べていたようだ。一番近い騎士団の人から出た声にみんなが反応する。


「モンスターっていうなら攻撃してしまえば引っ込むのでは?」


うん。アンドレの言う通りだと私も思った。そう思っていたらさっきの話途中だった続きをミギィさんが話始めた。周りにいる人に聞こえるように少し声を大きく、を意識して。


「あれは(シャドウ)(キャット)。攻撃は騎士団が今拡がってくれているだろうからそのままの位置から全員一斉に攻撃したほうがいいで。今は暗い空間に閉じ込められているだけで済んでるけっども、油断して単独攻撃なんてしてたら闇に引きずりこまれて帰ってこれなくなるべ。」


なにそれ。コワ。帰ってこれなくなるの!?年若い騎士団の面々は私と同じでざわついた。(シャドウ)(キャット)なんて見たことない、聞いたこともない、と言う面々だ。少し年のいってる騎士団の人達は心当たりがあるのか少しおとなしい気もする。


「他には?」


少し離れた場所にいたユーグリッドさんが声をあげた。


「他は」


ミギィさんが言おうとした時、あの黒猫モンスターさんだろうね。天井らしき部分から声が響いた。


「攻撃にゃんてさせないにゃあ」


ズドッという土に何かが打ち込まれたような重い音がしたかと思ったら、地面が地震のようにゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・・と揺れた。驚く暇などなく揺れと同じくして、目が暗がりに慣れて前が見えていたはずなのに、それよりも更に闇が濃くなり本当の本当のほんとうに、何も見えない状態になってしまった。


手元はテンクウちゃんを抱きしめていたため温かい感触が伝わる。なのに目の前にいるはずのテンクウちゃんまでもが見えない。こんなことがあるだろうか。くっついている相手までも見えない。目と鼻の先とは?状態だ。


「て、テンクウちゃん?」


見えない相手に声をかける。


「ワフッ」


「見えないけどいる。そ・・それじゃぁ・・ミギィさーーん!!スミコットさーーん!!ハジーさーーーん!アンドレーー!ディオさーーん!ユーグリッドさーーん!」


・・・・・あれ?


「ミギィさーーん!!スミコットさーーん!!ハジーさーーーん!アンドレーー!ディオさーーん!ユーグリッドさーーん!だれかーー?騎士団の人いますかーー???」


「ワンッ」


「・・・だーーーれーーーかーーー!?」


声は闇に吸い込まれてしまっているように聞こえる。テンクウちゃん以外からの反応は一切ない。まるでどこにも誰もいないようだ。


「すぐ近くにいたはずなのに」


「クゥン?」


鳴き声を聞かせてくれるテンクウちゃんの姿も見えないし。


「だれか・・・」


「クゥンクゥン・・・」


「見えない」


怖い


「こわい・・・」


まるで夢の中にいるみたいに真っ暗だ。


「はあっはあっ・・・」


あれ?


「はっはっはっはっはっ・・・・・」


心臓がバクバクして、息が、息が・・・・苦しいっ・・・


「落ち着いて、モナちゃん」


えっ?誰?


「ゆっくり吸って~、吐いて~。大丈夫だよ、モナちゃん。大きく吸って~、吐いて~。ほら僕がいるからね。大丈夫、大丈夫。ね?」


この声は・・・


「テン・・クウ・・ちゃ・・???」


暗闇の中に投げ掛けるしかなかった。

のほほん回が戻ってこない件。


(;・ω・)


次回は閑話更新予定で16日。本編は17日。の連続投下予定です。


コムキッコムキッ!

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