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第51話

「gyァウン!?」


猿が手を出してきた所にテンクウちゃんが特攻をかけた。ようにみえた。というか、今の、早すぎて、え??


「ガァルルルルルルルルル」


猿が少なくとも5匹。キィキィいいながら私達を囲んでる。いや、いたはず。テンクウちゃんが怒りをあらわにして・・・特攻かけて・・まるで復讐の鬼。まさか?でも?


「怪我・・・をした原因は・・・猿たち?」


「ワンッ!!!」


「うす。あの足は、殺されかけた、のかもしれない」


治ってるよ。治したもん。だからほら、今私達を助けてくれてる。


「とうちゃ・・・怖いよ。わんちゃん、こわい。」


「大丈夫だ。お父ちゃんはここにいる。だろ?」


「うん」


「だから、今すぐここから逃げるぞ」


「「え?」」


「テンクウちゃんをおいて?」


状況を見ていたハジーさんとトウシャくんのお父さんが合図した。その目配せは、海外ドラマとかでよくみるやつ。わかる。でも今の私は5歳に戻ってる。頭では1番良い選択だとわかってる。でも。


「私はいけない」


「モナ!」


「私はいかない!」


()()()()()()()()()。目つきがとっても悪いボロボロになった犬が脳裏に甦ってきた。あれは、あれは?()()()()()。でも知らない。


「やだぁ!!はなしてぇ!アンドレ!見てないで助けてよーーー」


「・・・っ。すまない。しかし。」


「モニャいやがってる」


「いや、これでいい。一旦逃げるんだ」


(オデ)、こんなに子供にダダをこねられたのは初めてだ。」


「いやだーーーーー!!!!」


抵抗も虚しく戦ってるテンクウちゃんの元から引き離された。私は5歳。ハジーさんはまるで山男。力では敵わないくらいわかってる。わかってるけど抵抗しつづけた。





一台の馬車が2人の男を中に乗せて中央公園へと向かっていた。


「度々聞いてきたことなのですが」


「ああ、わかっている」


「領主様」


「この現状が改善しないと、ここはもう。」


「街ではなくなるのですよね。」


「カメーリャ」


「私はこの街の騎士団長ですよ。この街をいつも見ています。3年前に冒険者ギルドが撤退したのもこの街から人がどんどん減っているのも」


「言うな。」


「この街のテイマー達がモンスター達を」


「一大産業だったんだぞ。私だって前の領主様に苦言をしていたんだ。だから私が、苦言を言っていた私が、後任として適任だと。しかし私はダメだ。」


「領主様」


「新しい一大産業なんてそうそう思い付く訳がない。私は足踏みしかできないのだ。カメーリャ、いっそのこと君が領主になるかい」


「それは出来ませんが・・・っととと!?」


「どうした!?なにかぶつけたのか」


馬車が急ブレーキをかけた。馬のいななきが聞こえ馬車は変な動きを見せた。小窓から御者に話しかけると思ってもみない答えが返ってきた。


「猫と猿が!戦っています・・・!!」


「「は!?」」


馬車の窓から外を覗くと公園の入口から吹っ飛ぶ猿が数匹見えた。そしてその攻撃をしていたのは猫だった。その猫は音を立てて砂のように崩れ、消えたと思えば馬車の前にまた砂の城を立てる時のように下から上へと猫が作られていった。


「うわぁっ」


御者が猿と猫の攻撃の一端を受けてしまったようだった。


「君!領主様!1度公園から離れましょう」


「カメーリャ」


「うわぁぁぁあ!」


「あっ逃げたっ。馬車を移動して欲しかったのだがまさか馬車を放棄して逃げられるとは」


「「ぐあっ!!」」


御者が逃げた後も猫と猿の戦いの余波が馬車に襲いかかってきて馬車が大いに揺れた。


「かなり揺れた。これは不味い。馬車は盾代わりにして捨てましょう領主様」


「わかった」








騎士団が沢山いる方へとハジー達は逃げた。先程の区画からは少し離れた場所についた。まだミギィ、ユーグリッド、チェルキョ、ディオ、クリストファー、騎士団の人、小熊の親たちは戦ってる。


「あなた!」


「スミコット」


「モナちゃんはどうしたの?」


「暴れるもんで、つい、力が入って・・・」


「気絶、してるわねぇ〜あらあら。女の子を手荒に扱ったらダメよぉ~スカートまでめくれちゃってる。全く男は気が利かないんだから~~」


「す、すまない。」


「こっちには猿が少ないのだな。・・・・・・・・」


「どうした?アンドレ様」


「さっきの、猿なのだが・・・・言葉を喋っていなかったか」


「!」


「あの猿も獣人か?」


「知らん。俺は猿に恨みはあるが獣人かまでは」


「とうちゃん?」


「ヨコシャル殿。嘘をついてもらっては困る」


「そうですねぇ。あの猿たちは小熊だけを狙っているわぁ。こんなのは変ですよぉ〜?」


スミコットさんがヨコシャルに黒い笑顔を向けていた。ハジーはもちろん近くに居たアンドレは青ざめた。スミコットが怖かったのだ。


「ヨコシャル!」


「話が違うじゃないか!!」


そう声を上げたのは最初に小熊を奪われたと叫んだ母親の熊獣人の親子と、もう1組の獣人親子だった。


「助かったのだな。よかった。」


アンドレは安堵した。


「ミギィさんが助けたのと〜、あなたのお兄様が逃してくれた、らしいですよぅ」


スミコットさんがこっそりアンドレに耳打ちした。


「私の子供が狙われるなんて聞いてない!」


「あんた言ったじゃないか、俺たちが仕掛けるから安心しろって。なのにこれは何だ!」


「戦争に賛成はしたわ。だからこそ警戒態勢を取ってたんじゃなかったの!?」


「とっていた、しかし」


「戦争!?」


「何の話をしている」


「あいつらから猿がこんなに近づいてるだなんて連絡は来てなかった。知らなかったんだ」


「作戦に穴があったってことだろ」


「知らなかったじゃ済まないわ!大体なんなのよ、その子が来てからよね!?」


「え?」


「何の話だ」


「そうだ。その子を拾って来てからだ。猿のチョッカイが増えたのは。」


「捨てるか、猿に渡してしまえ!」


「この子は俺の子だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」


周りにビリビリと痛みが走った。叫んだだけだったが、空気が震え、そこに怒りが乗って肌に痛みを感じさせたのだ。


「とうちゃん、ぎゅーもねお耳もね・・イタイ。」


「一体何の話をしているんだと聞いている!!!」


アンドレは人間の大人より幾分か大きい熊獣人達を目の前にして毅然とした態度で声を上げたのだった。


お読み頂きありがとうございます!もしよろしければブックマークや☆やいいね!を押していただけると嬉しいです。


不定期更新が多い作者なのでブクマしておくと便利ですよ~~。


そして、なんとまあ、ブクマ150件越えたようです。早くない!?想定より早すぎるよ。ありがとう。どうもありがとう。


モナ達が元気っ子のお陰ですね。


モナ「えっへん!(`・∀・´)」


テンクウ「えっへん!(`・∀・´)」


アンドレ「えっへん?( ・ω・)」


ディオ「楽しそうだね。では私も。えっへん。( ´∀`)」


セイリュー「キューン?( ・ω・)」





モナ「今回さ、スミコットさんがスカートめくれてるって言ってたけど、私気絶してるときパンツ丸見えだったってことかなアンドレ?」


アンドレ「・・・・」(顔真っ赤)


モナ「マジか。」



感謝SS作成中です。

次回更新は10日予定です。

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