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第48話

アンドレ達は冒険者の方をみて話を続けていた。


「あれは鹿ですよね、お兄様?とてもいい色です。光が当たるとまるで水に濡れているようにも見えます。不思議です。」


「あぁ、あれはモンスターだよ。名前は確かリバーディア、だったハズ。横にいる人物がテイマーという職種の冒険者なのだろうね。結構な強さだがよくいるモンスターだよ。友好的なため捕まえやすいので有名らしい。」


「そうなのですか?俺も」


“1体欲しいです”アンドレはそう言おうとした。が。


「アンドレ?怒るよ?」


私が遮った。


「モナちゃん?」


「えっ、モナ?」


リネアさんとアンドレとユーグリッドさんとクリストファーさんが私を見て驚いている。あれ?


「あっごめんごめん!冗談だよ!そうだよね、モンスターってかっこいいよね?でも、私、あの、えっと・・・・・」


だめだ。喉に変なものが詰まって出てこない。モヤモヤが消えない。あっテンクウちゃんまで心配した顔でこっち見てくる。困ったな。わからないな。私。どうしたんだろう。


「お嬢ちゃん、スゲェ変な顔んなってんぞ?大丈夫か?どっかで休もうぜ。」


「変な、顔?」


そうだ。このモヤモヤは悲しみのような苛立ちのような。感情がぐるぐるしている。私はなにを、何かをスッカリ忘れて・・・・・。


「うっし!お姫様抱っこだぜ!」


「うひゃあ!?」


「わっ」


「「ええっ」」


手渡された先はディオの両腕の中だった。

うわーーーーーーーー!?!?!?!?!?!?!?!?!?

うわーーーーーーーー!?!?!?!?!?!?!?!?!?


語・彙・力・皆・無!です。デス。DEATH。ちーん。


とりあえずさ、ね?両手で顔を隠すよね。ハハッ。


え、ああ、もう。私顔真っ赤だと思うんだ。見えないけどきっとそう。だってさ推せる人居た~わ~い。とか思ってたらさその当日にさ、お姫様抱っこ体験できるとは思わんよね。思うか普通。思わんよね。


しかも王子だよ王子。5歳だとしてもさ、ね?だめだろ!抱っこなんてさせちゃ!赤ちゃんじゃないからそこそこ重いよ?それをさ、あの熊はさ、ポーンて。ポーンてさ。


うおおおおおおおおおう。はじゅかしい・・・・・。


「お、おろしてください・・・・」


「・・・」


あれ?反応無いな。第6王子さーん?チラッ


「君、えっと、モナちゃん?ですっけ。どこかで私と会ったことありませんか?」


ディオさん、ナンパの常套句いう人だったのか。


「どこかで君に触れたことがあるような」


ないよ!初めて会ったし、なんならこの世界に来て初めてのお姫様だっこ!というか現代社会でお姫様だっこなんぞほぼないから、覚えてる限りは人生初ですけども!?!?覚えてないちっちゃい時は知らんけども!?


「お兄様!モナと会ったことがあるんですか?」


あっ、黙ってたら肯定される流れだ!


「ないよ!初めて会ったよ!おろしてください!!ふあっ!」


おっと最後変な声出た。


「ですよね?」


聞いた人間が疑問のまま肯定文だしてるほうが私には盛大に疑問ですけれども!?ですよね?じゃないよ!?ディオさんんんん!?!?


とりあえずおろしてもらえた。


「モニャー!」


「モニャ、あしょぼ」


テンクウちゃんが小熊をせき止めてくれてる。何て優秀なのテンクウちゃん。泣ける。じゃなくて、ユーグリッドさんに文句のひとつも言わねば!


「あのっ!!!」


私より先にリネアさんがユーグリッドさんに声をかけていた。リネアさんさっきからなんだかクールビューティーに拍車がかかっている気配。なんだなんだ。私の代わりに怒ってくれるのか?


「一目惚れしました!好きです!付き合ってください!」


ん?


「あ?」


「えっ」


「ヒュー」


ディオさんのお付きの人ヒューって口で言ってる。って、このお付きの人、銀さんに似てるな。って今はそっちはどうでもよくて!


「り、リネアさん?」


「お嬢ちゃん、リネアっていうのか?初めまして、だよな?」


「はい!今日、はじめて、ユーグリッドさんに出会いました!!!こんな素敵な方がこの街にいただなんで!わたくし、わたくし、感無量ですわ!」


感無量がおかしい。見た目まんま熊に一目惚れって。ええええ。も一度言わせて。ええええ。そして周りに王子とか私とか色々な人がいるのに告白って凄すぎ無いか。凄すぎるよね。


小熊達もその親御さんらしき獣人さんらも少し離れた所からココ見てるんだけどな。リネアさん、愛が爆発しちゃって周り全く見えてないらしい。


「アンドレ様についてきて良かったです。ものすごくタイプです。男らしい動き、男らしいそのお姿。たくましいその背中。」


「お、おう。ありがとな。男らしい?単にガサツなだけだぜ、俺。」


「しかもチェルキョに聞いたところによると騎士団の副長の1人!素晴らしいですわ!」


「チェルキョって誰だよ」


「俺俺~」


オレオレ詐欺か。俺俺~!じゃないよ。ヒューって口で言った人だったよ。リネアさん!恋は盲目。一旦落ち着け!モチツケ!もちもち。


「こんな出会いもう絶対一生ありませんわ!結婚を前提にお付き合いしてくださいませ!」


「ええっ!?結婚前提なの!?」


思いが重いよ、オモイさん!?(誰)


「ハッ、も、も、も、もしや」


急にズガシャァァッっとorzの格好になったリネアさん。ちょ。なに急に恐い。


「伴侶が、伴侶がいらっしゃるのですね!?」


「え!?あー、え?うーんと、そ、そうだな?」


あっ嘘ついた。ユーグリッドさん、伴侶、妻とか恋人とか居ないってミギィさんとレフティから聞いてるぞコラ。周りもユーグリッドさんの目が泳ぎまくってて嘘ついてるなって分かりやすすぎて逆にツッコメない感じになっちゃってるよ。


「わたくしとしたことが、一目惚れしてしまったからと言って、とてもはしたない事をしてしまいましたわ。」


おおっなんか落ち着いてくれたようだ。結果的にはよかったのかな?嘘も方便・・・。


「ユーグリッドなに嘘ぶいてるべ!?」


ミギィさん!?今はその流れじゃないです~!!!(涙)

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