第5話
親が鼻炎だったかアレルギーだったか?なんだったか忘れたけど、飼えないって言うんでウチでは毛の無い奴の飼育はしてた。もふもふは憧れたけど。無理なら仕方ないかなって。
金魚とザリガニを飼ってた。ザリガニはあっという間に死んでしまったけど、金魚めちゃ長生きした。って言っても縁日の金魚では。って所だけどね。でっかく育ったので家族で、その金魚の事を「ボス」って呼んでたっけ。なつい。おっと、懐かしい
ええ、現実逃避ですとも。
猫ちゃんたちには逃げられました・・・・。様子を伺われてるけどさっき近づいた途端にササーッと蜘蛛の子を散らすようにお猫様達は散会してしまった。
くっ・・・なんだか上の方を見て伺っている。上の方?あっ
「ユーグリッドさんも騎士さんも私からちょっと離れてっ」
シッシッとあっち行けな手振り身振りをする。2人共首かしげてないでマジで離れて。猫が警戒してるのきっと主にユーグリッドさんっていうか、クマぁ!のせいな気がするから。
「いいからっはなれてっ」
シャーッと私まで猫みたいにユーグリッドさんに威嚇。おずおずと少しだけ離れてくれた。ごめんよ。せっかく猫がいっぱいいるのにそんなことでお預けはツラタン。
(おお?おお!神よ私は間違っていなかった!!)
全部は戻って来ないけど2匹!2匹が戻って来てくれた!わぁい!白と縞の2匹。可愛いぃ。まだ警戒してるけど私を品定めしてるけどお目めくりっくりさせて私を見つめてる。
「ンナァァァァゴ」
「ニャァァ」
白は警戒態勢まだまだだけど、縞模様のは警戒すぐ解いちゃうのか足元に来てくれた~。よし、今度こそ触るぞ!ドキドキ!
「オォ~イ、娘ッコォ~メシ出来たぞ~~」
「あ"っ」
「「あっ」」
「あ?」
ちくしょうううう(滝涙)逃げられましたっ
「美味しい」
ハジーさんがものすんごく申し訳なさそうにしている。シチューみたいなドロッとしたスープにキヌアみたいな米とは違うプチプチとしたものが入ってる料理を食べていた。
「俺がもうちょっと凝ったのを作ってればネコに触れられただろうと思うと、申し訳ない」
「だからもういいってばぁ」
「うす。でもなぁ」
「お腹空いてるからって急いで作ってくれたのに、感謝したとしてもずっと怒るような人間じゃないよ私。」
ハジーさんが目を見開いて私を見る。なにか変な事言ったかな?
「おめ、しっかりしとんなぁ。エライエライ。」
頭をなでくり回された。なんでか褒められたぞ?ってあぁっ私5歳だった。・・・んー、もういいや。褒められるのは嬉しい。またやらかした感あるけど、どうにでもなれ~~~。
「騎士さんも食べる?」
ユーグリッドさんと騎士さんが私と同じテーブルについているけどもどちらも私が食べてるのを見てるだけで食事をしていない。そろそろお昼の時間だからただただじっと見られてるのもヘン。2人とも食べればいいのに。
「いえ、私は職場に帰ればあるので。」
「ユーグリッドさんは?いる?」
「俺も家に帰れば食べるもんあるから要らん。」
「美味しいのに。」
そんなことを話している間にも食堂が昼からの部がオープンしたようだった。ハジーさんがもう厨房に戻っておる。いつの間に。
食堂の仕様は、朝早くから食堂がオープンする朝の部と、早い昼休憩&弁当の配達の時間を挟んで、お昼の時間から夕方までオープンする昼の部の1日2回に分けて食堂はオープンしているらしい。
猫とか犬、鳥、ウサギなどなどの動物はこの食堂で飼っている訳ではなく街の人達に親しまれている主に野良の動物ということだ。たまにどこかのおうちのペットが紛れている。もふもふカフェじゃなかった。残念無念また来年。
食堂はいつも人気があるのだろうか、オープンしたと同時に席がほぼ埋まってしまったようだ。注文が飛び交っている。色んなメニューがあるんだなぁ。ってなんだか大変そうだけど、5歳の体で手伝えることってあるのかなコレ。
「今日は混んでるなぁ」
なんだたまたま混んでるだけか。そう思って食堂を眺めていたらスミコットさんが食堂の裏手からこっそり~と言うように声をかけてきた。
「モナちゃん、見てもらいたい物があるのよぉ」
私がスミコットさんと移動しようとしたらユーグリッドさん達もなんだなんだと付いてきた、が、スミコットさんが
「男子禁制ですよぉ、そちらで待ってて下さいね」
とニッコリしながら男性を近づけないオーラを放ってとどまらせた。食堂の裏の休憩室にスミコットさんと2人きりになった。えっ何が待ってるの?スミコットさんの見せたいものって??と恐怖に震えそうになったけど、怖がることなんて一切なかった。
「服だ。」
「その服ボロでしょお?私の娘達のお古なんだけんどぉまだ着れるからってとっといてたのよぉ。是非着てみてぇ」
話を聞くと、レフティさんがスミコットさんと消えたと思っていたらスミコットさんにに頼んで私の服を貰いに行ってくれてたらしい。スミコットさんの娘さんの昔の服を取っておいたものがタンスにあったから捨てるくらいなら誰かに着てもらったほうがと、人にあげた残りなのだそう。残りとか言うけどかなり立派な服ですけども。
「ちょっと服大きいけど、詰めれば長く着れそうねぇ。ん、こっちの服はピッタリそうねぇ」
「可愛い」
「女の子はオシャレさんしとかんと勿体ないよぉ?」
「スミコットさんありがとう大事に着るね」
「ええんよ~古着も浮かばれるわ。あ、ボロになってしもたん服はどうする?」
「捨てていいよ」
私こんな服着た覚えも持ってた覚えも無いし。
「うちで雑巾にしてしまってもいいかしらぁ」
「うん、好きにしていいよ」
お着替えしていたらドアからノックの音がなった。レフティさんだ。
「着替え済んどる?ちょっと休憩室にな入れたいもんがあるんだけどもドア開けて欲しいべよ。手がほどんど塞がっちまってな、開けてくんろ」
がちゃりと開けるとそこにはレフティさんに抱えられたゴールデンレトリバーのような犬が足を怪我して大人しくしていたのだった。
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漢字ミス発見したので直しました(5・26)