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私はテイマーではありません~ナゼか周りにもふもふがいっぱいな件~  作者: 沖宮途良
第3章

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第448話

遅くなりましたー。


ミギィさん視点パート2



「んーでさ、なーんか新しいことねぇかなー」


「んだがら、専門外過ぎてわがらねっで。」


「んーー、やっぱダメかーー。」


「だなー。」


本人達も奇跡があれば、すがった藁が金に化けるかもしれないという程度にミギィに聞いていただけなのでとくに悲壮感なようなものは無い。


「そういや全然話変わるけどさ、ミギィ、アンタの旦那さん見かけたって聞いたけど、ホント?」


「えっ」


「なになに、なんの話?」


アヘッドがどこからか聞きつけた話を私に聞く。辺りは急に空気が変わったとミギィに集中し始めたのが嫌でも分かる。


そう。この手の話題はしてほしくなかった。


唇を少し噛みたくなったのを抑えてすっとぼけ顔で対応することにした。


「あー、なんていうか、お金の無心に来た感じだったかんね。レフティに追い返してもらっだよ。」


「えーー。そういうやつだったの?」


「なになに、ギャンブラー?」


本当は何気にふらっと来ただけでお金の無心などしていないけれど、こんなの可愛い言い訳だ。


この地域の騎士団の副長という地位のユークリッドを未発見のダンジョンとやらで殺しかけた。それと、今回のネズミ騒動の主犯の1人として見られている。


騎士団としては“謎の組織”が結成されるいる可能性がある。との認識らしい。


「追い返したらすーぐに逃げ帰っちまって、それ以来見てないべ。」


元旦那だからと人心ついて手を貸していたら、知らないうちに、なにかの片棒を担がされていたかもしれない。


ゾッとする。


そんなの、料理どころではなくなる。


「もう帰ったのかー。ちょっとみてみたかったなー。」


元旦那など見て何が楽しいのか。


「見ても『ふうん』で終わる程度だろー。見てどうすんだよ」


デニエール、正論。


「え?まあそうかな?でも見てみたいじゃない?」


「なんでだよ」


「ミギィって“料理一辺倒”って感じだから、そのミギィの旦那もミギィに似てたのかなって気になった、のかも?」


「なるほど?」


言いたいことは何となく分かった。


ミギィにとって料理とは自分の日常のひとコマなのだ。


朝起きて自分と誰かのための料理をする。


次に食堂での大衆に向けて料理をする。


今日のおろされた野菜の出来や種類、現在の天気を考慮して、前日の夜に考えていたメニューから完全に全く違うメニューに切り替えたりも時々する。


昼も夜も料理する。


夜もふけてキッチンから離れて自室の机に日記を綴る。


内容はほとんど料理のことだ。


客がこういう料理が食べてみたいと言ったなら、それもメモして余裕があれば客と共に研究する。あーでもないこーでもない。そういう日常もメモ代わりに日記にしたためる。


そして料理に関して煮詰まった時に日記を見返したりすると、案外ヒントが眠っていたりする。


寝る前に書き込み、たまには読み直し、そして明日の料理に思いを馳せて眠りにつく。


ミギィにとって、料理は日常のひとコマなのだ。


しかし、元旦那は、ナエは、レフティの兄は・・・


「まあ、料理は嫌いじゃなかったけんど、人生自体を博打打ちしとる感じかんなぁ。料理もそれにミックスして、私と離婚してまで、王都に店を構えた、はずだったはずだべ」


「金の無心に来たってことは、ダメだったってこと?でも、離婚したのってすごく前じゃなかった?」


ナナメが聞いてくるから答えた。


「20年は経っとるべ」


「「んっだそれ!!今更すぎねぇ!?」」


あんまりにも時が経ちすぎて、元旦那の元がほぼ他人だと思える年月だとまでは思っていなかったようで、男共から驚きの声しか上がらない。


軽く、20年と言ったが正確にはほぼ30年だといってもいい。


その間、音沙汰などなかった。お互い年を取ったし年月も経ちすぎたから相手が死んでいようと、家族を作り直していようと、問題なかった。


今回何食わぬ顔でやって来た態度が、昨日まで会っていた相手のように気楽に話しかけて来たことが、本当に不思議だった。


「んで、今更来たのかー?追い返して正解だよ。次来たら俺らにも声かけていいからな。追い返すの手伝うわ。」


「いやいや、そんなことは・・・」


してもらっても困る。と、思った。なぜって、単純にここの常連というだけで、そこまでしてもらう恩義などない。


「ミギィ、ミギィ。休憩交代してええかー?」


レフティが急にやってきた。砂時計の魔道具はまだ時間になってはいない。もう少しだけれど、まだまだだ。


「いや、まだ・・・」


「ミギィ、みーんなアタイらをこの街の一員として心配しでぐれでんだべ。アタイだって常にミギィといるわけじゃなし。みんながやりてえって言ってくれてんだがら、そういう気持ちは受け取っだがないど、もったいないべ。」


・・・・・・なるほど。


レフティはつまりそれを伝えたかったから、まだ時間になってないのにコッチに来た。のだろう。レフティは同じ女なのに、いつも男前だ。


キョトンとしていると思われたのだろう。男共も私の反応を待っている。


「あー・・・もったいない・・・のは感心しねぇべ?んだな。好意だもんな。まあ、なんかあったら助けてもらえたほうがいいのは確かだな。うん。」


「おうおう、頼れ頼れ」


「そうよ。困ったことがあったら相談してくれていいからね。」


「ほら、俺らも今日みたいに相談したろ?お互い様だ。一緒に助け合おうぜ」


「って言ってきっと見返りはミギィの料理の値引き、もしくはタダメシ目当てかもしれんよー?」


「ぎくーっ」


「えっなんだべ、わざとらしい『ぎくーっ』って」


「はっはっは、それもまあ一理なくはない。」


「というと?」


「なあ、天使ちゃん、お手伝いの派遣してくんね?」


「えっ」


「「はあーーー!?なっ!?」なにそれーー!?いいアイディアーー!?」


ミギィもレフティも予想の斜め上を行く答えに本気で、コイツ何言ってんだ??とポカン顔である。


テンションの上がったのは反応が遅れたナナメ以外の2人だ。デニエールとアミーニは、それが叶うのなとさっきまでの目力とはまた違う、キラメキをまとわせている。


正直怖い。ホラーな意味でではなく、人間として面倒くさい物体Xを目の当たりにして、人間の勢いたるやイノシシ並みに切り替わるのかという、不可思議現象に脳がついていかない事が怖いのだ。


それにたいしてレフティが口を開いた。


「別にモナちゃんが行きてぇっつーんなら、別にさ、そういうお礼とか関係なく言ってもらっても構わんけんど」


「まじか!?」


「えっいいの!?聖なる子!?」


「モナちゃんがいいって言ったらな。」


レフティが念を押すが聞いてなさそうだ。


「そんことより、な?レフティ?モナちゃんの前で天使だとか口に出すようなへっぽこ脳な大人の元に預けるのはちょっと・・・・って思わんか?」


「ああ・・・・・・・んだな。今回の話はなかったごとに。」


「「「ええっ」」」

「殺生な!?」


とは言ったものの、モナちゃんはきっと行きたがるだろう。モナちゃんから聞いているが、ユークリッドにポーションの代金を支払うという約束をしているらしく、「絶対踏み倒さず返済する」と意気込んでいたのを知っている。


ユークリッドからしたら、充分助けてもらったりしていてむしろ返せないくらい恩義を感じてるので、気持ちを金額に換算したいと思ってるが、モナちゃんは「それはそれ。これはこれ。」と言っているらしく、取り合わないらしい。


私のともだち食堂で毎日“あるばいたー”をして稼いではいるけれど、私の食堂の稼ぎなんてどんなに稼いでも微々たるものでしかない。


「俺たち、モナちゃんのことはちゃんとモナちゃんと呼びます!だから、モナちゃんをお手伝いにどうかどうかー!」


「わ、私もーー!」


「同意!!」


「ずるい!私も!」


なんやかんやガチャガチャしていたら、食事しに来た客が新しく2名来たようだ。


「あ、なんかお取り込み中?」


客に気を使わせてしまったが、私の休憩は終わりを迎える。ナカバが気を使ってさっそうと向かった。


「いいえ、こちらの席空いてますよ。ドウゾドウゾ〜。」


話を切り上げられてしまったことで、さっきまでの面々は諦めモードに移行した。


「長居しちまったからな、今日は帰るなー」


「ミギィこれ、代金なー。」


手渡しでジャラジャラとお金が握らされる。


「落ち込まなぐってええかんな。モナちゃんにはちゃんと聞いとくかんな。」


にこりとしながら、意向を言うとアヘッドから「おお・・・まじかー」感嘆とも言えるような言葉が口を出ている。


・・・やっぱり不安が(まさ)る。はやったか。


「んじゃまた来るなー!期待しとく」


「ごっそさん。俺も俺も」


「ごちそうさまぁ。私も私も」


「じゃあねー。大丈夫。期待じゃなくて、信じてる。」


言うだけ言って4人は店から出ていった。


手には稼いだお金が少し温かい。


レフティが言う。


「ほんれ、ミギィ、出番だべ」


料理はミギィにとってただの日常のひとコマなのだ。


「わあっとる。」


レフティがいい笑顔を向けてくる。うっとうしい思い後々(のちのち)もバカらしくなってきた。忘れよう。


「腕がなるべ」


カーンと音が鳴り響いた。


さあ仕事だ。


また料理に戻るミギィは、休憩前より心が軽かったのは本人しかわからない。

「日本はギャンブル大国ですか?」ってグーグルさんのAIの質問語録みたいなボタンがあったので、ポチッとしてみたら、「はい、日本はパチンコ大国です」って出てきてなんかこう「ああ。」って声でそうになりました。


パチンコとか競輪、競馬、ボートレースとか色々ありますが、券を買うのは成人になってからですよ、みなさん。




私は子供の頃ゲームセンターでなけなしのお小遣いを溶かして悲しくなってから、そういうものはあんまり夢を見ないで、お金は堅実に「長持ちして絶対手放さないと思えるもの」をなるべく購入しようと心に誓いました。


子供の頃の二千円前後って大金だったんですよね。お菓子とかだってどこでも色々買えるし、100キンだったら結構なんでも買えちゃうじゃないですか。


当たれば楽しいですが、消えて、虚しくなって手元になにもなくって惨めに思えました。ゲームセンターで溶けたんだぜ。時間として1時間も経たずに消えたんだぜ。もうほんと、今でも思い出せる。


(悲´・ω・`)ショボーン




ナエというキャラクターはそういう惨めさを「今は運がないだけで俺のせいじゃない!」と言い切るキャラクターです。


悪い人間では、ないはずなんです。ただ、周りから見て、本当にそれでいいの?と言いたくなるような、“生粋のギャンブラー”とも違う、どっちかっていうと“ギャンブル中毒”の思考の方に近い不安定さが滲み出る男、なんです。


若い頃はそれもただの“若気の至り”的な魅力に見えていたこともあったはずです。


ミギィはそういう所も嫌いではなかったはずなんです。


今はもう、“周りに被害を出す男”という認識に今回の騒動で切り替わってしまってとても嫌悪感を抱いている。


というわけです。



その辺りの話を説明とかせず放置・・・してたなぁ、と今更ながら思って今回のミギィ視点にしてみましたとさ。


いや、一応“ミギィさんがなんか急に料理しまくってる”的な1文は入れてたと思うんですけどね。


もうほんと、ミギィさんのストレス発散方法だったんだよー。ってことなんですよ。うん。分かりづらくてすみません。



次回は11日ぐらいでしょうかねー。

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