第45話
6日目スタートです。
いつもよりゆっくりめの朝の支度を終えて商人のウエさんと昨日言っていたメンバーと共に中央公園に向かっていた。
「んでな、ケンカおっぱじめよってよ。ハラハラしたんだわ~」
「ほえ~大変だったね」
「そったら、俺も戸惑いそうだ」
「んだろ?なのに回りはいつもんことだっつっで取り合ってくんねぇのよぉ?」
「んだで、いつものことだで。」
「あらあら」
「ワフッ」
ウエさんの世間話をみんなで聞いていたらあっという間に公園に到着した。ミギィさんが騎士団の人に来たことを伝えに言って昨日使われていた炊き出しの場所までみんなで移動。ウエさんの持ってきてくれた荷物(主に野菜)を降ろして、ウエさんとはお別れだ。
「モナちゃんがココ手伝うってのに俺、帰りたくなくなってきたべ。」
「ウエ、ええ加減にし。奥さんに言いつけっぞ。」
「ひええええ」
「あはははは」
「さてと。」
「スミコットさんとハジーさんは何をするのか聞いてるんだよね?」
「あら?そうよぉ。モナちゃんお家で留守番していたんだっけ?流れは聞かされたんでしょ?」
今日のここでの流れを再確認と言う名の話をしながら炊き出しは進んでいった。ウエさんが運んで来てくれたものと騎士団からの配給物資を組み合わせて炊き出しは完成するのさ!
やっている最中にいい匂いになってきて、熊が避難用のテントから出てきているのが見えた。っていうか、本物の熊だ!2足歩行してない!サーカスのテントみたいな所から続々と熊が・・・って待って?本物の熊も炊き出し食べるの???
「腹へった。炊き出しはそろそろ配られるのか?」
「もう少しです。そのまま並んでお待ちください」
スミコットさんが対応した。目の前の人は・・・あっ人間ポイけど耳が頭の上だ!熊の獣人だ!毛深い。そしてやっぱり目付き少し怖い。
「子供が炊き出し手伝ってるのか?」
「ウヂの従業員の1人です。」
ミギィさん目付きの悪い獣人にも特に態度の変化とか無い。接客業の鏡です。
「ふぅん。」
なんかジロジロ見られてる。えっ品定め?私は無害ですよー。ただの子供ですよ~?あんまり見つめられたらまた泣きそうになりそうですよよよよよ・・・。プルプル・・・。ユーグリッドさんやハジーさんで慣れたつもりだったけど、やっぱり人相怖い人は苦手だよ!
「あらあら、モナちゃん大変だわぁ。木皿足りてないみたい。ミギィさん、私達取りに行ってきますね。」
「よっしくなぁ」
救いの女神、スミコットさんんんん!!パチッと放たれたウインクが眩しいっ。
「ワフッ」
「すぐに戻って来るからミギィさんと一緒にいてね」
「ワフッワフッ」
大した変化ではないけれど、テンクウちゃんが首輪付けてから背筋が少し伸びた気がする。気のせいかもしれないけど。
スミコットさんと騎士団の物資保管のテントに向かった。ちょうどこちらに追加の木皿やスプーンなどを運んでくれようとしていたようだった。ありがたやありがたや。
って私達の仕事がなくなったな。炊き出し場所に戻るしかない。
「あっあなたは!」
「ん?あ!」
「あら、お友達?」
「うん、知り合い!ちょっと待ってて」
彼も大荷物持ってるけど聞きたいことあったからささっとお話してすぐに別れた。めちゃくちゃありがとうって言われた。うんうん。渡して正解だったんだよ。リネアさんには怒られたけど。ふふん。
「ばいばーい」
「はい!また会いましょう!」
「あっ名前聞き忘れたな。ま、いっか。またどこかで会えそうな気がするし。」
「あれ?モナじゃないか?」
「え?」
「あらぁ」
声をかけてきたのはアンドレだった。後ろにリネアさんが控えている。手をフリフリ。やっほ。
「なんでいるの?」
「それはこっちの台詞だ。俺は貴族だからな。視察も勉強のうち。」
「偉いわぁ」
スミコットさんが褒めたら少し赤くなっている。貴族というか王族だからきっと義務に近いんだろうな。大変だ。まだ8歳なのに。
「うん、偉い。頑張ってね」
「まてまてまてまて、だからなんでお前がいるんだ」
立ち去ろうとしたら捕まった。あっはっは。まだ顔少し白っぽいけど、8歳は回復が早そうだ。捕まえた力が結構強いんだが。
「もちろんお手伝いだよ。炊き出しとか。」
このあと小熊の子守をするらしいけど。お口チャック。私の仕事は渡さないよ!(謎の対抗心)
「わかった。後で見に行く!」
「えっいいよ来なくて。」
「炊き出しはメニューは?」
「リネア・・・さっき沢山食べてから来ただろう・・・・」
「あらぁ、朝は避難者とここに常駐の騎士団の分しかないから食べれませんよぉ?」
「な、ん、で、すっ、て・・・」
アンドレの後ろにいたリネアさんはいつも通りリネアさんだった。食い意地張りすぎです。あっお腹鳴ってる・・・(苦笑)昼は食べれるから。ね?ってそれまでは居ないのか。
「またプントさんは館に残ってるの?」
「追加の掃除が見つかってな。ホコリを出している。」
本当の掃除じゃないってわかってるからこそ、唾を飲み込んだ。人間って恐い。ヒエッ。
「ところでな、あのな、その」
「どうしたの?」
「さっきの少年は一体誰なのだ?」
「ああ、こないだ遊んでいたときに話したでしょ?|毒消しポーションあげた子だよ!店長さんあの毒消しで元気になって、昨日も炊き出しの中心として活躍したんだって。よくわかんないけど騎士の人達が味方になってくれてるとかなんとか。」
「顔が俺からは見えなかったが、そうか。あの少年がその少年だったのか!店長が元気になっ・・・・・・死んでないんだな?」
「殺さないでよ。私が助けたのに。」
「騎士が味方に。なるほど。つまり、陰謀の匂いがするのだな!?」
「あっそういうこと!?味方にってえっ店長さん狙われてたのか!」
「モナちゃん?陰謀ってなぁに?」
ハッそうだまだスミコットさんが近くに居たんだった。静かに見守ってくれてるのはいいけど存在忘れてた。さっきのホコリ云々とかも色々やばくない?
えーとえーとえーと。
「スミコットさん!ダメだよ!子供だけの大事な話なの!悪の組織とね、対決するんだから。内緒なの!」
「ふふふふ、そういうことね。ごめんなさい。私が野暮だったみたいだわぁ」
ふ。ふぅ~~~~~~~。5歳パゥワァ~~。これぞ!陰謀暴きヒーローごっこ遊びしてますよ作戦!なう!なり!けり!シャキーーン。
その後アンドレとはすぐに別れてミギィさん達の元へ戻った。来なくていいって言ったのに、来るらしい。まああれだ。視察って言ってたからすぐに帰るだろう。たぶん。今更だけどアンドレになぜ気に入られたのかわからないんだよね。やっぱりドM確定?
モナ「6日目だよ!っていつもの○日目だよ!の、私の語り口なくない!?」
ミギィ「文字数がなぁ」
モナ「途中もバッツんバッツんだよね?」
ミギィ「作者が納めたかった部分までちゃんと収まったのは褒めていいと思うべ。」
テンクウ「でも僕の出番も少ないよぉ。モナちゃんしゃべりすぎだよぉ」
モナ「私主人公だからなぁ・・・」
頑張ります。次回は、24日更新予定です。