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私はテイマーではありません~ナゼか周りにもふもふがいっぱいな件~  作者: 沖宮途良
第3章

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第445話

具合が悪くて何も考えられませんでした。遅くなってすみません。

「ふぁぁ・・・」


お祭りが楽しいのにこの身体はそろそろおネムになってしまっている。ううん。ヤヴァい。起きてないと。まだやることがあるのにー。


「モナちゃんモナちゃん、そろそろ出番だって」


テンクウちゃんがワッフワッフと、私を呼ぶ。


「んあ!?(鼻提灯、ぱっちん)」


あっぶなーーー!寝ちゃうところだったよ!


「すまんなぁ、これが終わったらすんぐ寝てええかんな?家までレフティに抱っこさせっからな。ベッドまで一直線だべ」


「んだな。まかせとけ!もちっとだけ頑張ってぐれ?今回の祭りのシメだかんな。」


そう。この後夜祭のシメの歌を私が歌うのだ。だいぶ悩んだけど、せっかく相談して決めた歌だ。歌わなかったら悩んだ時間なんだったん?ってなるところだった。


でも5歳児だからなぁ。自由にやり過ぎてる感ある。今更覚えてないけど、子供の時こんなにはっちゃけてただろうか。眠いのも楽しんじゃってるからしかたないよね。


「うん。歌ってくるね。」


でもちょっと肌寒くなってきたから、さみしいな。ステージに向かおうとしたけど、足取りが重い。


もっふりと横から何かが当たる。


「あたちもいくのよ」


タイモちゃんだ。彼女のめはとっても優しい。だからか私のさみしさをすぐに気付いて行動してくれたのだ。


「えーじゃあボクもボクもー」


テンクウちゃんがついてきた。


「だって本当はさ、最初のやつも一緒に行きたかったのに、ちっちゃいクマちゃん達はいいのにボクはダメってミギィさんに言われてボク寂しかったんだよー?一緒が大丈夫なら一緒がいいもーーん」


テンクウちゃんが最初の歌の時に一緒にいたら、コグマーズがテンクウちゃんの楽しそうなのに釣られてダンスおかしくなっちゃうかもっていうことで、残念ながら一緒には叶わなかったのだ。


テンクウちゃんの楽しくできる心は長所だけど、練習時間とか少ないコグマーズには悪魔の誘惑に近いものだったんだよ。と、本当のことを言ってしまったら本気でしょげるだろう。


「ビャッコはー?」


テンクウちゃんはビャッコくんを誘おうとするけど、見つめた先は忙しそうだ。


「こら、コエキは留守番にゃーー!」


「お、おやびーーん!殺生なーー!?」


無理そうですね。ほっとこう。


「キュンキュン」


お?


「セイリューちゃん?!」


「セイリューも一緒に行くって」


テンクウちゃんがそう言うと


「きゅーん!」


ドヤァ!!な胸張りセイリューちゃん。しかももう夜だから体がうっすらと光っている。さすがナイトフォックス。綺麗。


「フテちゃんとスズもいるからね!」


「モナママー!」


「ほらほら、あんまし増えすぎてもごちゃごちゃするし、司会者の人がコッチ見て待っとるべ。はよいかんと。」


あるぇ!?待たせてた!?やばばばばば!!


「ご、ごめんなさーーい!いま行きまーーす」


私がそう言うと、クスクスと微笑ましい笑いと共に軽く放たれる拍手が広がった。こういうのを“歓迎される”という状態なのだろう。


日本でもこういう雰囲気を味わうってなかなかない。というかさそんなん、こんな場面そうそう出会わないから、今更ながら注目浴びてることに対して照れてしまう。


むひゃあぁ・・・。


モフモフに挟まれて司会者の人が音頭をとる。


「では本日最後の歌になります。ではモナさん、どうぞ。」


どうぞと言われてまず、おなじみのスキルを発動させた。


発動させたかは実のところ、今は何も変化ないからきっと誰もわからない。


みんなが静かになった。激しい歌じゃないのはさっき司会者の人が説明していたんだろう。


すうっと息を吸う。


短い歌だ。これまたゆっくり歌う。だって、シメだしね。


「見ーーー上ぁーーーげーてーーーごらんーーーーーー♪」


最初に歌ったアスタリスクよりも先にこっちを歌うのを思いついたの。


「夜のーーーーほぉーーしをーーーーーーー♪」


だから絶対歌いたかったんだ。もふっとした仲間の温かさが横に触れている。


「小さーーーな星のーーーーー♪」


あったかいな。


「小さーーーな光がーーーーー♪」


辺りを徐々に暗くしていく。セイリューちゃんがいることで私の所はぼんやりと光をまとっている。


「ささーやーーかなーーー幸せーーをーーー、 うーーたーーーってるーーーーーー♪」


夜空の星の光を人々に強く見せる。瞬いてる。この一瞬を胸に刻んでいい夢を見てほしい。


どこからともなく私と声が重なる。簡単な歌だ。私が練習してたのを見てた人はいる。


「「「見ーーーー上ーーげてーーーごらんーーーーー♪」」」


レフティさんとミギィさん、私と一緒にいるモンスターの子達。


「「「夜のほーーーしをーーーーーー♪」」」


気づけばとても静かな静かな合唱になる。誰かの魔法かスキルだろうか。私のスキルに重ねるるように音が響く。


「「「「「 僕らーーーのよーうにーーーー名もなーーい星がーーーー♪」」」」」


なぜかわからないけれど、涙が出そうだ。


「 ささやーーかーなーーーー幸せをーーーー」





「祈ーーってるーーーーーーー♪」







徐々に空の星以外を暗くして終わりだ。


辺りに拍手が鳴り響いた。誰かの魔法かスキルで増長されたままだったから、まるでどこかのホールで合唱を歌った後の大喝采でも受けたかのように、拍手が辺りにかなり鳴り響いた。


スゴイ歌手になった気分。


私はテンクウちゃんやセイリューちゃんとペコリとお辞儀してステージを退場しつつ、スキルを解除した。


“星祭り”にならって、私は星の歌で始まり、星の歌でシメたのだった。


短くてすみません。



坂本九さんの曲はすごいなぁと思います。


シンプルで耳に残る。日本以外でも日本の曲で知ってる曲はありますか?という質問をバラエティ番組でしていて、アニソンとかアイドル系のが最近は多いですが、一昔前は“坂本九!”“上を向いて歩こう!”って感じだったらしいですね。


世代じゃないけど、“見上げてごらん夜の星を”大好きです。


次回は27日ぐらいかなー。

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