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私はテイマーではありません~ナゼか周りにもふもふがいっぱいな件~  作者: 沖宮途良
第3章

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第444話

「おっ。出たべ出たべ」


歌う人がいま何組目なのかハッキリしないくらいに、結構時間が経った頃、レフティさんがはりきりだした。


「知り合いがコレから歌うがら、最前列で見て上げようど思っでな。なあミギィ?一緒に行くべ?」


「いやぁ、結構ぉ耳にくるべ?コエキの辺りまでがギリギリがなぁ?」


「んだっけ、ノリ悪いなぁ〜。モナちゃんはどうすっべ?」


私の考える暇もなく・・・


「スズ行く〜!」

「モナママ、行こ〜!」


「ふはっ!うんそうだね」


フテゥーロちゃんとスズちゃんに押し切られた感じになって私の周りもほのぼのな苦笑気味だった。


「ぼ、ボクは遠慮しとくぅ〜」


「うっせぇから、俺様も」


「おやびん!つれなーーい!一緒に行きましょうよー!前に前にー!」


コエキちゃんも前に一緒に行くみたいだけど、テンクウちゃん達は行かない宣言。少しさみしいけど、こういうのは好みの問題だからね。


「って歌もう始まるべ!」


「あわわ!」


「「いってらっしゃーい」」


「楽しんでくるねー」


レフティさんについて行ってステージ前に行くと、見覚えのあるおじさん達が立っていた。な、な、なーー!!?


フレディ・マーキュ●ーに似た人と!(ババーーン)

でん●ゃらすじーさんに似た人と!(ドカーーン)

お●じっちに似た人がーー!(ズドバッカーン)


楽器持って歌い始めてるーー!わぁぁぁあ!


・・・そういえば、お祭りの準備の時にレフティさん設営の手伝いに行ってたね。忘れてた。


せっかく設営手伝ったのにネズミ騒動で歌えなかったうちの1グループってことなんだろうな。


というか。


おじさん達楽器上手い。プロ顔負けでは?


え?趣味だよね?ね?


もうとっくに曲が始まってしまっていたけど、序盤のうちに最前列に入り込めた。


レフティさんの顔パスみたいでなんか少しだけモーゼ気分を味わったよ。


それにしても。


楽器系は使ったことがあまりないのでよくわからない勢だけれど、なんかこう。音とか指の流し方というのか。3人ともスゴイんじゃない?これ?


ギターみたいなのを華麗な指さばきしてるのは、おや●っちさんが。


ハーモニカみたいなのと腕にくくりつけたカスタネットのようなもので軽快に、で●じゃらすじーさんが。


マリンバだかなんだかわからないけど立て型の太鼓が並んでるのをフレ●ィマーキュリーさんが。


(注・モナが楽器詳しくなさすぎて名称を完全に間違えてるパターン。コンガとかジャンベが正解。)


え・・・かっこいいのでは?


見た目はどっちかって言うと、おもちゃ箱ひっくり返したようなビックリ箱セットというか、いやそんなに濃い顔ばっかり集めてどうしたかったんだと、神様に疑問を投げかけたくなるくらい濃いなぁと思ってたんだけどもさ。


そんなの払拭しちゃうよね。


歌詞がいまいちわかんないけど、雰囲気だよね。こういうのはさ!


ケルト音楽っぽいようなでも、ノリノリで軽快でパンクとかロックとかそっち方面な、大音量でも聞いてたくなるような激しいのに柔らかくて、滑らかなのにノリが良い。


あーーー!楽しい!


音楽はこうでなくっちゃっていう、心から楽しめる瞬間を私は今感じてる気がする。


知らない曲のはずなのに心に染みちゃって知ってた気がしちゃう。


「あいつら上手いべーーー!?」


レフティさんが大声で感想を聞いてくる。


「上手いでーーーす!!」


返事も大声で。というかさっきまでの歌と違って音量がすごいのはなにか魔法でも使ってるのかな。


歌のノリが良いからか、その前の歌い手さんの時は手拍子してただけだった人達も、急に踊り始めちゃったりしてる。わあ!


コエキちゃんが、ちゅ、宙に浮いてる!?


ギョッと見つめちゃったけど、レフティさんはそれ見て爆笑するだけ。ワンピース笑いっぽい大爆笑だよレフティさん。


浮いてしまっているからか黒い石は全く生成してなさそうで良かったけど、コエキちゃんが浮いてるからってフテゥーロちゃんもスズちゃんも一緒に横一列になって一緒に踊ってる。


ぐうかわでは?ぐうっ・・・可愛すぎて身悶える。のぐうかわでは?


レフティさんに誘われて良かった。こんなに異世界めいた知らなくて楽しい曲を身体で感じられて、ライブ最高!って叫びたくなっちゃったよ。


あーーー、終わっちゃった。もっと聞きたかったぁーーー。


「楽しかったべ?」


「うあー!もっともっと聞きたかったぁー!」


「そりゃ最高の褒め言葉だべ。あいつらに直接言ってやり」


「ちょ、直接!?」


あの顔の濃い3人組に、突撃せよ・・・と??え、難易度高すぎない??


「カカカカ!言いにくかったら、アタイが伝えとくべ、ええか?」


「おおお、お願いします!」


おや●っち似の人には言いやすそうだけど、でんじゃ●すじーさん似の人とフレディ●ーキュリーさん似の人に今の身長差で極限まで近づいたら、この5歳児の身体、泣くかもしれないしね!


いや、逆に大爆笑・・・?人として最低では?


ま、まあ。レフティさんが言いに行ってくれるから気にしたら負けだ。いつか対面することがあったときには、心を決めて出よう。そうしよう。


「まま、コレおいしーねー」


「そうね、あ、ほら。口にいっぱいつけてーもう。」


「えへへー」


ちょうどクールタイムみたいな感じなのか、ステージには司会者の人が出てきてなにやら語っているが、辺りのざわめきのほうが大きく聞こえた。


少し出てる屋台の食べ物を食べている子供の声がやたらと聞き覚えがある気がしてそちらを見るけど、いまいちわからない。


現在のモナよりも小さい子供。3歳くらいだろうか。今がとても楽しいのだろう。とってもニコニコしながら美味しそうに何かを頬張ってる。


「モナちゃん、次も1番前で見るか?」


レフティさんに言われてハッとした。レフティさんは次は興味がないのか、その場から離れようとしていたからだ。


「ううん!あっちの屋台気になる。」


さっきの子供が食べていたものが気になるのも事実。


「ヤマー」


「ん?」


「モナさぁん!」


聞き覚えのある名前に目線を向けて見ようとしたら宙に浮いてるコエキちゃんに顔に飛びつかれてしまった。うぷ。・・・これは良いお腹ですね。ネコ吸いしろということですか?


「変なの出来ちゃって」


変なのって何さ、怖いなぁもう。


「いやいやいや、私じゃなくてビャッコくんに見せてよ。黒い石は私、全然わかんない」


黒い・・・黒・・・黒くないね?その石。さっきのより小ぶりだけど、この暗さで黒くないことくらい分かるよ。


「こんにゃにテンション上がったの久しぶり過ぎて」


そして変なの生み出した・・・と。うん。ビャッコくんに任せよう。わからんぽんたんナウ。


ぱっと見、透明でダイヤ・・・とか脳裏をよぎったけど、違うかもしれないし、黙っとくが吉!


おまけ。〈実はネズミ騒動で助かった人間の中に。という話〉


未来のロッテリーで出会っていた若い子3人組、ヤマーくん、リヴァイくん、シャタニくんのモナの言う所の山川谷トリオ達の親御さん達が、サル騒動ないしネズミ騒動で居なくなってしまうはずでした。


オヤジ3人組は山川谷トリオとは親類関係とかは無いですが、本来のお祭り期間中に普通に曲披露できて「俺たちも年を取ったなぁ」とオヤジバンドは解散してしまって、この“後夜祭の時期”には歌ってはいませんでした。


未来のロッテリーではこの“後夜祭の時期”は“暗雲立ち込めた混沌とした時期”でした。


本来、奇跡の日なのですが、誰もわかりません。未来を知ってる者も、この現在のロッテリーには居ませんし、モナはさらに未来しか詳しくないので、実質知らないのです。結果だけ知ってて途中経過知らないってやつです。


みんなの日常が、後夜祭がそこにあるだけなのでした。




今更かもしれませんが、どっかに書いたかもしれませんが。


私の想像するフレディ●ーキュリーさんはギャグ漫画の「魁!クロマティ高校」のメカ沢の出てるそっちの方の、フレ●ィマーキュリーさんのイメージです。(え?)


昔弟がこの漫画めっちゃ好きだったんだよなぁ。(でんじゃらす●ーさん)もなー。


あ、みなさんは、ちいかわ風のでんじゃらすじーさんは見ましたか?私はチラッとだけですがネットニュースでしりました。漫画ってやっぱすげえな・・・(遠い目と微笑み)


次回は21日か22日予定です

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