第439話
遅くなりました。更新でーす。
ステージからみんなで降りる。降りて見えなくなるまで拍手が鳴りやまなかった。そんなそんな、みんな優しいんだからぁ。ありがとう、ありがとう、そしてありがとう〜。
鳴り止みそうなタイミングで司会の人が「さてお次の出演者は〜」なんて声が少し聞こえる。
「楽しかったねー」
「ねー!」
「ずんば!ずんば!」
「んば!んば!」
「もぐら、可愛かったー」
もぐら可愛かったかー。そっかそっかー。・・可愛いっていうより、ワイルドだろぅ?系のもぐらだと私は思っていたんだけど、可愛い、のかな?
どっちかって言うと“どう森”のリセットさんみたいなオッチャンテイストな勝ち気負けん気しゃかりき元気!なモグラだと思ってたんだけどなあ。
あ、そうだ。歌は終わってるから実証は消えているけれど、スキル自体は消してないから消さないと。うっかりこのまままた気分良くなって歌ったり遊びたくなったら、モノが実体化しちゃうからね。
今ステージやってる人の邪魔になっちゃうよね。消し消し。きっえーろーぅ。
「おや、消しちゃったのかい。」
「「「「お「ばーーちゃーーーん」んっ」」」」
みんなのおばあちゃんこと、熊寄りの熊獣人のデボラさん。
「面白かったよ。やるねぇ。お前たち、最高だ」
「「「「「いえーい」」」」」
「ありがとうございます」
「いやいや、年甲斐もなく笑ったよ。うちの若いのも踊ってたからね。飾らないモノはいい。気兼ねなく、ってバカになれるからねぇ。クックックッ・・」
思い出し笑いを噛み殺しそうにしながら笑っている。ちょっと怖い。こんな笑いする人だったっけ。
「すまないすまない。笑いすぎてさすがに腹がよじれそうなのに、思い出すと笑っちまうから止めようとするんだけれど、でも笑っちゃうんだよねぇ。あー、年寄りになるもんじゃないよ。腹が痛くて笑えないなんて、まったく。」
なるほど。まさかのデボラお婆ちゃん、ポンポンペインだよぉ。
「んで、あの魔法?は消しちゃったのかい?」
「はい。」
「面白いねえ。モナちゃんの前にやってた団体のショーがあったからこそ、みんなすんなり見ていただけで済んでいたけど、何かを見せるためだけに創り出すだけの魔法をするなんてね。ああ、体に負担とかは無いのかい?」
ああ、心配してくれてるのか。
「大丈夫です!」
「おねーちゃん、またズンバやりたーい」
「また今度ね」
「そだよー、今日はもうズンバいっぱいしたじゃん」
「ちえー、あ!ママー!」
小熊くん達の親がお迎えに来たようだ。
「父ちゃ!」
「おう!」
ヨコシャルさんだ〜。って、笑ってらっしゃる?
「知ってはいたけど面白かったぜ!モナちゃん」
「うちのコ達も、あっちで楽しく踊ったわーありがとう」
ヨコシャルさんを筆頭にわいのわいのとその後も楽しかったなどの感想の波がドバアと来た。楽しかったなら何よりですわ。感想パクパクですわ。
「モナさまぁーーーー!」
ドウッって胸に弾丸が飛び込んできた、気がした。モフッ?弾丸イコールテンクウちゃんなのだけど、小さいし、声も高かった・・・見たことある。というか、見覚えあるネコ弾丸。
「けほ、コエキちゃん??」
「ハイですにゃっっ」
コエキちゃんだったー。5歳児に特攻かますと普通大泣きするからね?痛かったよ?わかって?
「ハイですじゃないんだよネェ痛かったんだよねぇ(ゴゴゴゴゴ)」
苛立ち抑えられなかったんだよねぇ。だって痛かったんだもんんん。周りの大人が私の怒りにアッてなってるけど気にしない。痛かったんだもん。ぷりぷり。
「あわわわわ、ごめんなさいですにゃぁぁぁ・・・・」
首根っこプラーンのショボーン。腕がめっちゃ疲れるから一旦降りてもろて。ついでにその場でしゃがんでおく。コエキちゃんショボーンしすぎで今度は姿勢が低すぎるんだよねぇ。
「で、突撃してきてどうしたの?」
「感銘を受けました!さっきの踊りサイコーでした!んにゃっ」
「お、おうふ?」
澄んだ眼差しをこちらに向けてくる。あの星空みたいにキラッキラッと。お、おうん?
戸惑う。
いやだってさぁ、ついさっきまでアレだよ?面白かったー、笑ったー、っていう子供のお遊技の感想みたいな感じだったんだよ?
コレ違うよね?感銘?なんぞ?これは、なんというか、ファンになりましたァァァっていうそういう、目。
目。
「おつかえさせてくださいにゃぁ!!」
「いやもうビャッコくん繋がりで一緒に住んでるようなものじゃん。勝手に窓から入ってきては私の寝てるベッドのスペースで勝手に寝てるよね?起きたらいるのたまにびっくりするんだが。」
ビャッコくんのモンスターネコが全ネコ同じような事するから、半分ネコ屋敷化しそうなんだが?モフモフはいいけど最近寝苦しいんだよねぇ。
「おつかえしてもいいってことですにゃ!?」
「言ってない言ってない」
私が言おうとしたことを誰かが代わりに言ってくれた。誰だ!?
「おつかいはスズの特権なんだからー」
いつものスズちゃんでした。いつの間にツッコミ役に。
違うな。「おつかえ(お仕事従事実はパシリと変わりない)」と「おつかい(買い物もしくは半分パシリと変わりない)」では意味が違うからスズちゃんはいつものボケ担当・・・・ん?あんまり違わないか・・・あれ?まあいいか。
「スズの下にならついてもいいよー」
「それは遠慮するにゃ!」
「あれ?」
ほら、ぼけぼけのマイペーススズちゃん。よく見たらフテゥーロちゃんがバイク乗るみたいにスズちゃんの頭と背中の間くらいに乗ってる。どうなってんのそれ。
「じゃあダメェー」
「そんにゃーー!?あの踊りに感銘受けたのにー!」
「モナママはね、踊るのより歌なのー。」
「そだよー!モナは踊るより歌なのー。」
「んにぁーー・・・」
凹んでしまったようだ。
「モナちゃ、モナちゃ。」
あれ?トウシャくんが呼んでる。コグマーズの他4人は親の元だし、ヨコシャルさんだけ一緒にコッチに来るなぁ。どしたん?
「モナちゃ!あっちでおばちゃん呼んでるよ」
あっ
そうだよね。みんなお迎えが来てるなら、ミギィさんとレフティさんも来てるよね。スズちゃんとフテゥーロちゃんもみんなと居たんだし。
クマのトウシャくんに言われたほうを見てみると、ミギィさんレフティさん、テンクウちゃんビャッコくん、あと
「えっ!神官さんと・・・りょ・・・領主様まで!?」
2人の足元には、私のもとに元々居た、今は離れて暮らしてる面々が一緒に来ていた。
「トウシャくん!ありがとう」
「あーい!」
ひえー、ワチャワチャしててみんなを待たせちゃったかも
コエキちゃんも「おやびーーん」って言いながらそっちに向かっていったので、私もそっちに向かって走っていくのだった
デズニーシーの亀「お前たち!サイコーだぜー!」
コグマーズ「「「「「いえーい!」」」」」
*デボラさんの登場シーンで作者がよぎったけど書くのを控えたNGシーン。なお、モナの妄想である。