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第44話

セイリューちゃんが反旗を翻した。首輪のことでだいぶ怒りが収まらなかったらしい。夜行性の猫さんヨロシク夜行性のキツネさんは部屋をドタバタしていた。


そんなに首輪に魅力を感じたんだろうか?嬉しいような?うーん。


セイリューちゃん元気すぎる。まあもう完全回復したのだろう。毎日毎日月明かりも充分にとれているだろうし。元気になったら動くだけだ。


ドッタンドッタンドッタンドッタン・・・


(寝れない。いつも大人しくしてくれてたのに・・・)


寝れないけどとりあえず目をつむってベッドに横になって静かにしておく。そのうち飽きるだろうし。と、思っていたら。


「ごんらぁ!!!!暴れとるのはセイリューかっっ!!!!!静かにせんとウヂから追い出すべ!?」


「きゅんっっ!?!?」


「レフティさん、夜中だよ!?」


私はもちろん小声である。しかしレフティさんは容赦なく大声かましてきた。私寝てるとか考えてない声量ですね。まぁ寝てなかったけど、目ェ冴えた。


「おっとすまんすまん。今日はセイリュー元気すぎるな。モナ寝れんくなるからセイリューこっちで預かっていいか?」


「きゅっ!?!?」


目が点。まさかの展開。


「きゅーん?」


セイリューちゃんがこっちを見る。私もセイリューちゃんを見る。セイリューちゃんの目が点からキラキラへ。


ピコーン


▼おや、私に助けを求めているようだ。_

▼セイリュー「きゅーん」_

▼モナ「セイリューちゃん・・・」_

▼モナ「レフティさん、お願いします」_

▼セイリュー「きゅーーーん!?」ガガーーン!_

▼モナはレフティにセイリューを預けた_


いや、だって元気すぎるんだもん。今の私じゃなにも思い付かないしなにも出来ないし。レフティさんがどうにかしてくれるならそのほうが、まあ楽だし。ははははは。


「クゥン?」


「おやすみなさい」









熊の獣人のヨコシャルは友人達と話をしていた。談笑ではない。明日の事だ。戦争を起こすのだ。とても小さい戦争。猿対熊。今まで色々な目に合ってきた。猿達のほうが小賢しい真似をしてきたので熊達のほうはストレスがたまり苛立ちが高まっていた。


「トウシャは寝たのか」


「ああ。ココはいいな。街なのに空気が澄んでいる気がする。」


「わかる。単なる公園だと聞いていたが、あの貴族街のところの避難所なんかより人目も気にしなくていいし、このテントもとても快適だ。」


「食事も旨かった。」


「明日は別の支援グループが来るらしい」


「ソイツらどうする?」


「関係ない。猿が来たら逃げるだろう」


「逃げるだろうか?」


「人間は猿の驚異に気付いていない節がある。」


「そんな馬鹿な」


その会話を横目にその公園の暗がりで猫が続々と集まりつつあった。


「おやびん」


「お、商店街の猫達は集まりそうか」


「いい感じッス。朝んなってからこっち向かってきます。」


「りーだー。」


「トカキ。どうニャった?」


「以前から子猫の多い所には注意喚起。そして、こちらが参加する親猫達です」


トカキの後ろには成猫がズラリと一緒について来ていた。


「来たのか。いいニャ?お前ら。明日熊が仕掛ける前に猿達の動きを取れ。今はここの地形を把握したら一度帰れ。子猫達が心配するにゃあ。」


コクりと頷いた猫達は熊に悟られないように辺りを見回して解散した。


「かしらぁ。そんな横から手柄とるような感じにしなくても猿達の所に今から行ってしまえば奇襲になってイイトコまで行きそうな気がしますにゃ。俺の技は暗闇だと力が増すし。」


「トカキ説明してやれ。」


「はい!りーだー!スバル、あのニャ。」


説明が始まったようだった。


「白のダンナァ。」


「どうした。トロキ。」


「さっき熊達が話していた明日来るらしい別のグループにゃんだが、お貴族様の支援でこっちにまでくるらしいんだにゃ」


「あ?貴族街から離れたのに、か?」


「・・・BOSS。にゃんか・・・領主も来る・・・って話をチラッとして・・・いました。」


「スバルが聞いたのは騎士のほうか。領主が明日来るのか??」


「・・・BOSS、どうします・・・?」


「アニキィ」


「あんにきぃ」


「俺様達の存在が完全に明るみになっちまうが仕方ねぇ。後に引くなんてこたぁ俺様しねぇぞ。俺は無敵なビャッコ様!だ!」


「付いていきます!白のダンナァ!」


「・・・BOSS!」


「アニキィ!」


「ダンディー!」


「ダンディーは違う。」


「ありっ?」








アンドレは夢を見ていた。


知らない少年が1人の男性の骸の前でわんわん泣いている。


『どうして、どうして』


『ちょっといいかい?』


『あなたは』


『実は店主の作ったスープが毒だったんだ。』


『なんですって!?』


『街の人達にも被害が出ている。君も共犯者ということで捕まる。』


『そんな!?』


『それは私としても心苦しい。なので、どうかな?無実を証明するためにスープの材料を引き渡して欲しい』


『そんなのいくらでも!』


ニヤリ


『でもあなたは警察でもないのにどうやって無実を?』


『そこは君は考えなくていいんだよ』






ぱちり。


「毒のスープ?そういえばモナ達がそういう少年と出会った話を聞かされた。そしてあの男・・・」


アンドレは頭を抱えずにはいられなかった。


「ここの料理長だ。」


リネアが食べることを知らずに入荷量を特に変えなかったあの料理長。それが毒を欲しがっていた。


「いや、でもおかしいぞ?モナが少年に毒消しのポーションを渡したと言っていた。助かるハズだとリネアも言っていた。なのに、今の夢はなんなんだ?死んでいたぞ?」


「お坊っちゃま、お早いですね?また夢見が悪かったのですか?」


「う、ん・・。まあ。そうだな。というか、もう朝か。」


「ええ、今日は近くまで来た避難所に行く日でございます」


「ようやくお兄様に会える。」


「領主様とのお話がまだ終わっていないのでこちらの館になかなか来れませんでしたからね。5日ぶり、ですか?」


「ああ、早くお兄様に会いたい。」





みんなの思いが交錯しつつ主要人物達が商店街の近くの中央公園に集結。そんなことを誰も把握出来ていない。


こうして波乱の6日目が始まるのだった。

5日目終了。次から6日目です。6日目もう入っているといっても過言じゃないけどね。



次の更新がちょっと間をあけて21日の更新になます。ご了承下さい。

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